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錦織一清さん「マキシシングル『Cafe Uncle Cinnamon』リリースへの道」インタビュー【少年隊からニッキおじさんへ】

クリエイターでありプレイヤーのニッキさん。状況を逆手にとって、演劇を上演できぬのなら音楽を! 

皆さんご存知、少年隊のニッキさん――錦織一清さんは、昨年いっぱいでジャニーズ事務所を退所されましたが、近年、活動の主軸としていた演出家としてご活躍は続行! 劇作家・羽原大介さん、歌手で作曲家の岸田敏志さんと共に、愛媛県・東温市にある地域拠点型劇場、坊っちゃん劇場では、ロングランミュージカル3作を手がけ、第1作の『よろこびのうた』はAll Aboutミュージカル・アワードでファミリー・ミュージカル賞を受賞。3作目となる『~おかやま桃太郎伝説~鬼の鎮魂歌(レクイエム)』の東京公演も来年2月に決定!

他にも続々と演出作品が発表され、演出家としての今後に期待しかないなか、プレイヤーとしての錦織さんファンへ嬉しい知らせが。NONA REEVES西寺郷太さんとタッグを組み作り上げた4曲入りマキシシングル『Cafe Uncle Cinnamon』が、10月29日にリリースされました。

錦織一清さん、『Café Uncle Cinnamon』リリース
にしきおり・かずきよ●1965年5月22日生まれ、東京都出身。O型。ジャニーズ、少年隊のメンバーとして1985年『仮面舞踏会』でデビュー。故ジャニー喜多川氏に「天才!」と言わしめた逸材。エンターテイナーとして高い評価を得ながら、1995年少年隊『PLAYZONE KING & JOKER』では脚本、演出、主演を果たす。『42ND STREET』『CABARET』『ガイズ&ドールズ』など名作ミュージカルで脚光を得るが、『蒲田行進曲』でつかこうへいと出会い、後に日本発オリジナル作品を得意とする演出家に。2020年いっぱいでジャニーズ事務所を退所。ファンクラブ開設と同時に始めたツイッター(@uncle_cinnamon)や植草克秀さんとのYoutube「ニッキとかっちゃんねる」も話題

錦織一清を動かしたのは、彼を敬愛する仲間たち

――今回の、音楽活動への道筋を教えていただけますか?

「コロナの影響っていうか…ただ単にね、僕も仕事が何本も飛んじゃってて。舞台を作るほうも延期になったり中止になったり。ファンクラブ設立のときに、謝恩会なのかパーティーなのか、みんなで坊っちゃん劇場に行こうか。そういう企画もあったんですけどね。できなくなってしまったんですよね…仕方ないことだけどね。僕の知り合いの小劇団も……劇場使用料は払ったけど、結果、中止でパーになってしまったと。そんな可哀相な話をいくつも聞きましたよ。公演中のクラスター発生もね」

 

――新型ウィルスによってエンタメ界はダメージを……特にライブ、舞台関連は大打撃を受けることになりました。しかし、そんな時代だからこそ生まれるものがある。

「ジタバタしてもしょうがない、ですよ。僕だけじゃなく、みんなツラい状況に陥ったわけだから。考え方を変えれば僕は、コロナのおかげで予定してなかった時間ができたわけです。“じゃあ今、音楽ならできるな”って、状況を逆手にとってね。レコーディングなら少人数でできるし。

だから、今回のリリースは特に計画性があったわけでもなく、僕のそんな気持ちを汲み取った(西寺)郷太やまわりの人たちが、やりましょうと。僕が曲を作りますよとまくしたててくれて、動き出したのが今回のリリースなんですよ。じゃあ、(古市)コータローさんギター弾いてよ、なんてうちに、あれよあれよとできあがったのが、今回の4曲のマキシなんですよね」

 

――久しぶりのレコーディングはいかがでしたか?

「レコーディングスタジオに仲間たちと入ることは久しぶりで、楽しかったですね。音を録り、歌を録りながら、みんなであーでもないこーでもないって言いながら作っていく時間が。“そうそう…レコーディングってこういう感じだったなぁ”って昔を思い出したりしながらね」

 

イギリスが生み出したR&Bの、メロディの美しさを歌うマキシシングル

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――収録内容4曲のうち、スタイル・カウンシルのカヴァー曲『My Ever Changing Moods』以外の3曲はすべて、NONA REEVESの西寺郷太さんが作詞作曲に関わっていらっしゃいますが、『Song for you』は多くの人の心を打つようなメロディが美しく、しかしメロウに終わらずに都会的なセンスも散りばめられて、好きなお酒をグラスに注ぐ大人の時間のバックサウンドにも合う一曲かと。

「NONA REEVESのライブに行って思いましたね。郷太がそういう音楽を全般的に好きなんだろうって。彼は美しいメロディが好きなんだよ、顔に似合わず(笑)。もちろん僕も好きですけどね。そのメロディの美しさっていうのはブリティッシュR&Bって言うかな。アメリカではなく、イギリスが生み出したR&Bなんだよね。そこに挑戦していたのが、ポール・ウェラーだったりしてたわけで。……いいんだよね、ウェラーのスタイル・カウンシル然り、あとはブロウ・モンキーズのDr.ロバートとか、そういう感じ、僕は好きなんですよ」

 

――錦織さんと西寺さんは、音楽の好みが繋がり合っているんですね。

「ライブを見て、“最初から最後まで全部、少年隊の『ミッドナイト・ロンリー・ビーチサイド・バンド』に聴こえたんだけど!”って郷太に言いましたよ(笑)」

 

――確かに。『ミッドナイト・ロンリー・ビーチサイド・バンド』はアイドルの域を超えたフュージョン音楽と言いますか、『Song for you』にも、そのサウンドは重なりますね。

「『ミッドナイト・ロンリー――』もブロウ・モンキーズタッチだからね。郷太が、僕にそういうタッチの曲を歌わせたかったんだろうね(笑)」

 

――過去に西寺さんにお話を伺ったことがあるのですが、ご自身の音楽譜を語るのに少年隊、錦織一清さんの存在は欠かせないと。錦織さんへの愛が炸裂してらっしゃったのを、よく覚えています。西寺さんにとっては、積年の想いが今! 夢が叶った『Cafe Uncle Cinnamon』になりましたね」

「そう…でしょうねぇ(笑)」

錦織マニアが男性スタッフに増殖中?!

――スタッフの方が、「まさに。(西寺さんは)そのまんまのことを言ってました(笑)」とおっしゃってます(笑)。西寺さんは、錦織さんにとってどんな存在ですか?

「どんな存在? うーん、やっかいな存在(笑)! でね、たまに、郷太は自分を“僕”だと思っている節がある。あれは、たまに錦織一清を降ろしてるな(笑)。でも、本当に郷太にはいろいろ助けてもらってますよ。ファンクラブ『Uncle Cinnamon Club』を立ち上げるときも、僕がそういうのどうしたらいいかわからなくて。郷太にはいろいろアイデアを出してもらったりして、協力してもらいましたよ。ただ会報配るだけじゃなく、どうせやるなら、可能な限りファンの皆さんに寄り添いたいって想いはありましたから」

 

――積年のファンの友人が、ファンクラブは情報過多と言っていいほど至れり尽くせりだと、小耳に挟みましたよ。グッズのデザイン性やクオリティの高さも半端ないと。

「……そうですかね。だったらよかった」

 

――錦織さんに心酔していらっしゃる方…特に男性、多いですよね。クリエイターの方、後輩の方からも、熱い錦織愛をよく聞いています。

「そういうの、多いんですよ(笑)。錦織マニアの男たち、ホントに多いのよ(笑)。で……そいつらがね、みんな仲が悪いの(笑)。それがやっかいなの。錦織マニアたちの人間関係、難しいのよ(笑)。僕のことを好き過ぎる男同士が、誰がどれだけ僕と親しくしてるか、チェックし合ってるのよ。最近、錦織さんと飲みましたかって(笑)。今どこにいるの?って。そういう探り合いは、女の子同士もそういうのあるでしょ? 最近は外で飲むことないから、だいたいは僕の家に集まって飲んでるんだけど、どこにいるか聞かれて、“家”って答えるでしょ。すると、“誰といるんですか?”って始まるんだよ。探られるんだよ(笑)」

クリエイティブを担当する庄司さんとは、すでに息もぴったりのコンビネーション。「ニッキさんの家が居心地よくて、すでに何度寝落ちしたかわからない(笑)」(庄司さん)

――今回の取材にもご協力いただいた庄司信也さんも新しく、錦織マニア入りされ、アートディレクション面で錦織さんをプロデュースしつつ、仕事にプライベートに、最近最も多く共に時間を過ごす仲だとか。

「郷太はしくじったね。庄司さんは郷太の紹介で出会った人だから。しまったー!って思ってるな(笑)。さっき、郷太のことをなぜ“やっかい”って言ったかっていうと、そういうことですよ(笑)。仲間たちはみんな、僕のことを郷太にほうれんそう(報告・連絡・相談)しがちだから」

 

――「やっかい」と言いつつ、仲間たちを語る錦織さんは目じりが下がっております(笑)。ジャニーズで育ち、今もなお男所帯で愛され過ぎな錦織さん。その処世術は?

「今のところは、そっとしておいてる(笑)。当事者はそうするしかないでしょ」

 

――少年隊の仲間であり、盟友でもある植草克秀さんの存在は? 本妻!?

「ああ、植草ね(笑)。植草もたいがい錦織マニアなんでね。錦織マニアたちの諍いを聞いて、“なんだ、そいつらー!”って言ってますよ(笑)」

 

実はもう、歌って踊っていた時間よりも、演出家の時間のほうが長い

――『星の糸』はとても繊細な曲で、西寺さんの錦織さんへの想いがまさに溢れ出ているような名曲。錦織さん演出作品の『シャイニングモンスター』(『しゃばけ』原作)で使われた曲ですよね。

「『星の糸』は本当にいい曲ですね。まさか後々、自分自身で歌うことになるなんて、思ってもみませんでしたけどね。『Song for you』と『星の糸』は郷太の中で付随している2曲なんだと思います。今回のマキシもまずは最初にこの2曲ありきで、ミディアムとスローが揃ったから、ここにもう少しハイテンポを足しましょうってことで、『Dance with me』を。せっかくだからもう一曲、だったらカヴァーを入れてみようかと。そんな流れで、スタカンの『My Ever Changing Moods』を入れることになりました。

そうやって揃って、構成された4曲なんですよ。ライブでは、カヴァー曲を結構やってきたんですけどね。セットリストの半分ぐらい洋楽だったこともあったな。けど、まさかレコーディングすることになるとは僕も思ってなかったから、新鮮でしたよ。昔の感覚だと、シングルはまず2曲で考えちゃうんだけどね(笑)。A面、B面でね。B面は今でいうカップリング曲か」

 

――演出と並行して、これからも音楽活動は続けていかれますか?

「いや。自分が歌手である、って意識はもうあまりなくて。というのも、ミュージカルでは歌ってきましたけど、リリースをして人前で歌うってことはもうだいぶしてないですからね。舞台に立つだけじゃなく、自分が演出をするようになって…実はもう歌って踊ってたときよりも、そっちの時間のほうが長いんですよ。僕にとっては演出を生業だと思っているので」

 

野球が好きなら最終的には監督に。自分の好きな世界を自分で動かしたい

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――錦織一清さんの肩書きに“歌手”はもうない?

「肩書きは…そうね、今は演出家、役者になるのかな。やっぱり、演出がいちばん面白いね。役者は作品を作り上げる一部品であって、作品そのものには口出しすることは好まれないことが多いので。特に日本はそう。昔のスタープレイヤーシステムだと、座長と作り手とのディスカッションがあって作られるものも多く、そっちの分野はちょっと違いますけどね。そういうのも今はどんどんなくなってきてますから。

現状、演出をやるっていうのは、僕にとっていちばんの贅沢品なんですよ。僕のスタートはジャニーズ事務所でのバックダンサーでしたけど、踊るには音楽が欠かせなくて。そこに歌うことが加わって、ミュージカルに出演して…って進んでいくんだけど、もし僕が音楽を突き詰めようとするならば、やはり最終的にはコンダクターになりたいですよ。野球を突き詰めるのなら、最後は監督をやってみたいと思うように、自分の好きな世界を自分で動かしたい。それが最高の贅沢だと」

 

――究極の好きのその先にある最高の贅沢

「僕の世代なんかはもう、好きなことをやっていいんだ、って年齢なんでしょうね。でも、“俺も、好きなことをやっていいのかな”って躊躇があったときに、THE CONVOYに今村ねずみさんと話したんですよ。“ねずみちゃんはいいなぁ、好きなことをして、吠えているよね”って。そしたらねずみちゃん、“ニッキも吠えていいんだよ。俺たち、吠えようぜ!”って言ってくれましてね。ねずみちゃんのこの言葉で少しラクになったんですよね」

素人目に見ても、錦織さんのダンスは美しくて華やかで。それでいてピルエットの軸には回転してもブレがなく、パッセした片足の形まで美しいものでした。アクロバットの技のひとつひとつは高くダイナミックでありながら、流れる動きは常にしなやかで、「ユーは天才!」と呼ばれた逸話も、でしょうよでしょうよ、と疑う余地もなく。そんな踊る貴公子を、つかこうへいさんは、『蒲田行進曲』を通じてニッポンど真ん中へと連れ去ってしまい、日本人が作る日本の心を描く作品の演出後継者に。

 

劇作家・羽原大介さんとタッグを組み、日本の男たち、そして女たちをある種泥臭くリアルに描いて、それをエンタメとして成立させる錦織さん。後編では、“吠える錦織一清”の熱さが伺える、坊っちゃん劇場と、同劇場で誕生したミュージカル『鬼の鎮魂歌(レクイエム)』パートⅡ(2022年2月、天王洲銀河劇場にて上演)について熱くお話いただきます。また、ニッポンど真ん中から踊る貴公子は演出家となって再びヨーロッパへ!? 『フランケンシュタイン-cry for the moon-』(2022年1月上演)の演出、最新情報も。お楽しみに!

錦織一清 マキシ・シングル『Cafe Uncle Cinnamon』

¥1,760(税抜価格¥1,600)収録曲:

  1. Song for you
  2. Dance with me
  3. 星の糸 feat. 西寺郷太、真城めぐみ
  4. My Ever Changing Moods

アナログ7inchシングル 『Song for you』 も同時リリース!

 

¥2,200(税抜価格¥2,000)

収録曲:
Side-A: Song for You
Side-B: Dance with me

 

発売元: Uncle Cinnamon / Gotown Records
販売元: VIVID SOUND CORPORATIO

 

錦織一清公式サイト「Uncle Cinnamon」

撮影/菅原有希子 ヘア&メイク/竹迫謙一 スタイリング/庄司信也 取材・文/堀江純子

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