普段から"外遊び"の感覚でキャンプに慣れ親しんでおくことが、ライフラインが途絶えた非常時の安心・安全な備えに役立つ?
キャンプの技術を災害時に生かす心得についてアウトドアライフアドバイザーの寒川さんにお聞きしました。
教えてくれたのは?
アウトドアライフアドバイザー
寒川 一さん
長年キャンプに親しみ、"生きるためのスキル"を伝える活動も。近著に『キャンプ×防災のプロが教える 新時代の防災術』(学研プラス)。
経験することで予想もできない難点に気づけます
防災の観点から"外遊び"をするなら、まずは「屋外で湯を沸かす」体験がおすすめ。アウトドア専用の道具でなく家庭用のカセットコンロとやかんでもOK。
「まず火を使っていい場所がわからない。子どもが近づいてくると危ない。風が吹いてやかんに火が当たらない。など思いのほかたくさんの気になることがあるはずです。次はそれらをクリアするための想像力が働くはず。何事も経験がなければ想像すら働かないものです」(寒川 一さん)
キャンプ道具の中には、災害時にも役立つものがいっぱい。特に「これがあると安全・安心につながる」というものをセレクトしていただきました。
寒川さんの場合は、これらが非常持ち出し用のバックパックにも入っているそう。
1. ナイフ(火打ち付き)
あらゆる場面に出番が!火がおこせるものが便利
調理のために食材を切ったり、木を削って道具を作ったり、野外ではあらゆる場面で必要に。
「最近はメタルマッチという道具を一緒に使うと火花を飛ばせるナイフもあります。火をおこせるのは便利ですよ」(寒川 一さん)
2. ロープ
ロープとブルーシートで簡易シェルターもできる!
物を結び付けたり、固定したり、キャンプでは出番の多いロープ。
「2本の木にロープを結び付け、ブルーシートを引っかけると雨から身を守るシェルターにも。結び方も普段から練習しておくといいでしょう」(寒川 一さん)
3.ヘッドライト
両手が使えるメリット大ひとりにひとつがマスト
「初心者キャンパーにも必ず持参をお願いするものです。ヘッドライトがないと夜間はトイレにも行けませんから」(寒川 一さん)
災害時も両手が空くことで自分の安全を確保できるほか、子どもを抱っこしての移動も可能に。
4. ネイチャーストーブ&ガスバーナー
同じ目的の道具2つを併用することで安心感が増す
ネイチャーストーブは枯れ葉や木の枝など身近なものを燃料にして煮炊きができる道具。
「水を煮沸して安全に飲むために火が重要。雨で燃料確保が難しいときはガスバーナーを使うなど併用するのがおすすめ」(寒川 一さん)
5. マット
寝袋よりも持っておきたい!体温を保てる素材のものに
野外でも、災害時に避難する体育館のような場所でも、地面と接する部分から体温を奪われるもの。
「自分の体温を守ることは命を守ることにつながります。寝袋以上に断熱性の高いマットが大切なのです」(寒川 一さん)
6. 浄水器
飲料水を確保することは非常時の優先事項
川の水やたまり水をろ過することで飲料水にできる小型の浄水器が。
「人間は3日間水を飲まないと命にかかわるため、飲料水の確保は急務。災害時は風呂の残り湯も浄水器を使って飲むこともできますよ」(寒川 一さん)
7. 鍋
火はおこせても煮炊きができないと意味がない
これも飲料水確保に必須。火はさまざまな道具を活用しておこせても、火にかけられる道具がないと煮炊きができません。
「煮沸は安全な水を手に入れるために最も確実な方法。金属製のカップでも代用可能です」(寒川 一さん)
+α. ソーラーパネル
太陽の光だけでデバイス類が充電可能
スマホ等デバイス類の充電はもちろん、充電式のランタンなどにも使えます。USB端子付きのものを選んで。
「日中に日当たりのいい場所に置いておくだけで、十分な充電ができます。普段から家庭でも使い慣れておきましょう」(寒川 一さん)
Q. 応急処置セット(ファーストエイドキット)は何を揃えれば?
A. 家族にとって必要なものを追加してカスタマイズを
消毒薬、絆創膏など最低限必要なものはあるものの、最も大切なのはカスタマイズすること。
「非常持ち出しセットもそうですが、家族にとって必要なものを追加してカスタマイズを。こまめな見直しも欠かせません」(寒川 一さん)
詳しい内容は
LEE 2021年5月号別冊
初心者家族のための「キャンプ」デビューBOOK
に掲載されています。
他にも「初心者家族のための『キャンプデビューBOOK』」を公開中!
- 【プロが指南!初心者のためのキャンプ入門】子どもは何歳から?お金はどのくらいかかる?
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「初心者家族のための『キャンプ』デビューBOOK」詳しい内容は2021年LEE5月号(4/7発売)に掲載中です。
イラストレーション/Shapre 取材・文/古川はる香
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