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松崎のり子

GoTo再開は当分なし、代わりに居住者限定の割引がスタート

  • 松崎のり子

2021.04.15

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GoToではない、新たな旅行割引がスタート

まもなくゴールデンウイークがやってきます。昨年は大都市圏が緊急事態宣言中だったこともあり、多くの商業施設・レジャー施設が休止していました。“ステイホーム”で過ごした人がほとんどだったでしょう。

2021年の今、緊急事態宣言こそ解除されましたが、「まん延防止等重点措置」の適用対象になる自治体がどんどん増える一方で、コロナ収束とは程遠い状況です。また、緊急事態宣言解除後もGoToトラベルの一時停止措置は続いており、旅行で割引を受けることはできません。

しかし、地方の観光業やそれに付帯する産業支援のため、国が新たな割引制度を発表しました。全国一律のGoToトラベル事業とは異なり、実際に運用するのは各地方自治体で、実施時期や割引方法も任されることになります。

まずは発表されている資料からGoToとの違いを見てみましょう。補助される金額は一人一泊当たり5000円(代金の50%)まで、加えて土産物屋、飲食店、公共交通機関等で使えるクーポンを出す場合は最大2000円で、合計7000円の補助となります。

ただし、支援の対象となるのは感染状況が落ち着いている「ステージ2」相当以下の都道府県となっており、その居住者が同一県内で旅行した場合

ステージ2とは感染者が徐々に増加していき、医療提供体制への負荷が蓄積する段階で、感染が急拡大するステージ3と比べるとまだ緩やかな状況でなくてはいけないわけです。そのため、東京都など首都圏も現時点ではこの「地域観光事業支援」の対象にはなりません。

なお、この支援策は、4月1日より準備が整った都道府県から開始し、現時点では5月31日宿泊分までが対象です

 

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割引適用になる予約方法は自治体しだいに

今回の「地域観光事業支援」では、国はお金を出すだけで実際の運用は各自治体というスタイル。

まだ始まったばかりで該当自治体が少ない状況ですが、割引を受けるには旅行業者やネット予約事業者を通じて予約という方法になりそう。これまでも各自治体は楽天トラベルやじゃらんなどのネット予約業者を通じて割引クーポンを配布する独自の「県民割」を実施しており、現在も実施中というところもあります。

感染拡大が落ち着いている自治体の方は、「自治体クーポン」「県民割」などのキーワードで検索してみるといいでしょう

GoToトラベルでは「高価格帯の旅館・ホテルばかりに人が集まった」と言われましたが、観光庁が発表した2020年7月22日~11月30日の利用実績では、一人泊当たりの旅行代金は約1万3412円で、割引支援額は約4694円だそう。今回の一泊当たり5000円、クーポン2000円という数字は、このあたりの数字を参考にしているのかもしれませんね。GoToトラベルの補助より上限金額が下がったことで中小の宿泊施設にも恩恵が及びやすくなりそうです。

とはいえ、感染が収まらない地域での実施は難しく、そもそも旅行目的で移動するのもはばかられるのが現実。今年のゴールデンウイークは、いったいどんな過ごし方になるのでしょうか。

松崎のり子 Noriko Matsuzaki

消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。

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