横浜・日ノ出町という場所の大岡川沿いの高架下に、「タイニーハウス」と呼ばれる、車輪がついた小さな家が並ぶおしゃれなスポットがあることをご存じですか?
今回は、我が家の8歳6歳兄妹と共にそのタイニーハウスに宿泊し、横浜の新たな魅力を楽しんできた体験談をお送りします!
日本初の「高架下タイニーハウス複合施設」
ホステル+カフェ&イベントスペース+水上アクティビティが楽しめる!
今回私たちが訪れた「Tinys Yokohama Hinodecho(タイニーズ 横浜日ノ出町)」は、宿泊施設とカフェ&イベントスペース、そして「SUP」等の水上アクティビティの拠点が揃った、これまでにない場所です。
2018年にオープンし国内外からじわじわと人気を集めている注目ポイントはやはり、日本ではまだ珍しいタイニーハウスに泊まれるということ。
施設の中心にあるカフェ&イベントスペースでは、横浜地産のこだわり食材を使ったメニューを堪能、さらには目の前の大岡川で水上アクティビティを楽しむことができ、新たなウォータースポーツの拠点にもなっています。
まるで秘密基地みたい!子ども達は大喜び
宿泊するホステルは3棟あり、それぞれコンセプトとインテリアが異なります。私達が泊まったのは「Wonder」という部屋で、白が基調の明るい雰囲気と世界地図や飛行機などの小物にワクワクさせてもらいました。
カフェとホステルを行き来し、部屋の中では二段ベッドを使って様々なごっこ遊びをして盛り上がっていた子ども達。ベッドを登ったり降りたりするだけでも楽しいようで、ずっと賑やかに遊んでいました。
地元のこだわり食材を使った料理は絶品!
また印象的だったのがお料理の美味しさでした!
冬場の名物は「鍋」で、私達はノンケミカルのレモンを使った「発酵鶏塩レモン鍋」をいただきました。「お料理からも横浜のことを知ってほしい」という思いのもと食材にもこだわり、お野菜を始め生産者の方々から直接仕入れた横浜地場のものを使っているそう。
地域と繋がりながら、横浜の魅力を発信したい
エリアの特性を活かし、アートや食のイベントも開催
「Tinys は、”高架下”という、あまり明るいイメージのなかった場所を有効活用することを通じて、より良い街づくりに繋げていきたいということで、京急さんと共に地域活性化を目指して作ってきた場所です。宿泊施設やカフェなどを楽しんでいただくことはもちろんですが、この場所を通じて、新しい暮らしの形やワクワクする生活を提案していきたいと考えています。」
実はTinysがある日ノ出町・黄金町エリアは、この数年でがらっとイメージの変わった場所なのだそう。今は小さなアトリエやギャラリーなどがたくさんあり、若い作家さんを中心にアーティストさんの活躍の場が盛り上がっているといいます。
「アートも大きなテーマでもあり、例えば『アートとイート』というイベントを開催して、近隣の飲食事業者の方々とアーティストさんをマッチングしてオリジナルメニューを作ったり、マルシェを開催したり…と暮らしにまつわるイベントもたくさん開催しています」
「この場所にある意味」を追求した結果の、オリジナルビール
「また、横浜のこの場所にあるからこそできることは何か、常に考えています。イベント以外にも発信できることとして、例えばオリジナルビールの企画開発などもしています。金沢区にある横浜金沢ブリュワリーという、レストランの中に醸造所がある素敵な作り手さんとコラボして、そのビールを飲んでどんな気持ちになった欲しいか、ビール片手にどんなコミュニケーションを取ってほしいかなんてことまで話し合いながら、その時期の横浜の食材を意識しつつ、こだわって作っています。」
コーヒーにもこだわりがあり、同じ横浜の白楽にある「TERA COFFEE」さんに直談判、オリジナルコーヒーを作ることに。そういった地域の繋がりから食材や素材を厳選しメニューを組み立てていくことを大切にしているそうです。
シンプルな暮らしを通して、本当に大切なものと向き合う時間を
情報やモノの溢れる日常から離れるひととき
タイニーハウスを体験したいとい訪れる方も多く、コロナ禍で自分たちの暮らし方に目を向ける方がすごく増えたと感じると話す松倉さん。
「忙しい現代の中で、普段は身の周りに情報やモノが溢れているという方が多いと思います。ここは全てが揃っているわけではないコンパクトな施設ですが、だからこそ本当に必要なものしか持たない軽やかな暮らしを体験できます。またご家族との距離も近く、普段以上にコミュニケーションが増えたとおっしゃるお客様も多いです。そういう日常とは違う中で、『自分はどういう暮らしをしたいんだっけ?何を大切にしたいんだっけ?』と改めてご自身と向き合えるような場所にしたいと考えています。」
確かに家族や友人など大切な人たちと一緒に、その地域で採れた素材を作って大切に作られた美味しいものを味わいながら、時にはアートや水上アクティビティなども楽しみつつ思うままに過ごす…そんな時間はとても贅沢でした。
新型コロナの問題が発生する前は海外の方も多く訪れ、最近は遠方へ旅行しづらい中でマイクロツーリズムが注目されていることから、近郊から家族や友人と共に来る方が増えているといいます。
余白から生まれる「創造力」
私たちが訪れたのは寒い時期、社会状況もありアクティビティも観光もしませんでした。
でも子ども達はおもちゃもなしに、こたつにもぐったり二段ベッドに登ったりしながらずっと楽しそうに遊んでいました。
そして遊び疲れた子どもたちが寝静まった後は、シンプルな空間の中でこれからやりたいことや目指したい暮らしについて、ゆっくり思いを馳せることができました。
ちなみに我が家は二段ベッドから影響を受けた「秘密基地ごっこ」がブームとなり、今でも家の中で色々な物を積み上げて遊んでいます。何もなかったからこそ、子ども達の想像力と創造力が刺激されたのかもしれません。
都内からのアクセスの良さに加え、カフェスペースは半野外、タイニーハウスは家族だけでゆっくり過ごせるということは、この状況下においても嬉しいポイントではないかと思います。
先の見えづらい社会状況が続きますが、少しお出かけができるようになってきた時には是非、タイニーハウスを選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか?
Tinys Yokohama Hinodecho(タイニーズ 横浜日ノ出町)
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佐々木はる菜 Halna Sasaki
ライター
1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。