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Sayaの「星がたり」

太陽とアシカと吸血鬼の怖ーい関係/Sayaの【読む星占い/星がたり】

  • Saya

2020.08.07

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暦のうえではもう秋。みなさまにはいかがお過ごしでしょうか。

「星がたりスペシャル」でも告知させていただいたのですが、10月5日にLEE特別編集の本『星を味方につける生き方、暮らし方 ~不安な時代に翻弄されずに自分を生きる~』を出版させていただくことになりました。

「星ごよみ」「星がたり」の連載や本誌での特集を大幅にリライトし、2021-2025年の5年間の12星座占いや相手の星座別の人付き合いのコツ、LEEスターのホロスコープを読む対談集など、たっぷりと書き下ろしを加えたものです。章立ては、編集のHT子さんによるもので、それに私が答える形で書き進めたので、自分でもどんな本で、誰に向けているのか、書き終わるまでどうもハッキリしなかったのです。

でも、この本は、確かに言いたいことがあるという感じで、私はただ星のメッセージを下ろしているだけ、という状態がステイホーム中、ずっと続いていました。私がこれだけ引きこもっていても、コロナうつなどにならなかったのは、本の執筆という「星の巫女」の仕事があったからだと思います。

デザインに流し込まれた原稿を読み返し、読者の方へのメッセージやあとがきを書き…ようやく腑に落ちたのは、私が言いたいのは一貫して、「太陽を生きる」ことの大切さだということ。「星がたり」の初回にも書いたくらいなので、これはもうずっと変わらないんですね。

相手の関心を引き、コントロールしたいだけの「海王星さん」さんには、思い切ってシャットアウトする選択肢も

占星術での太陽は、自分の中にある「光」なので、太陽を生きていれば、生まれたときのホロスコープ(星の配置図)の他の星たちにも光が行き渡る。自分を生きることが楽にできるのです。そこではチャレンジの大変さはあっても、虚しさや苦しさは生まれません。でも、太陽を生きていないと、ホロスコープも、自分も、燃えかすのようになり、輝きを失ってしまいます。自分の中に光がないと、それを他者に求めるようになるので、他者からエネルギーを奪うエナジーヴァンパイアが出現する。そのからくりが今回の本を書いていて、本当によくわかりました。

アシカ

たとえば、数ヶ月前に知った「シーライオニング」という新語がありますが、これもエナジーヴァンパイアの変形バージョン。アメリカのコミックから生まれたそうです。コミックとはこう。「アシカ(シーライオン)が嫌い」というご婦人のひそひそ話を聞きつけたアシカがご婦人につきまとい、家にまでやってくる。ベッドの中でも、朝食中でも、「アシカがあなたに迷惑をかけました?」とか、「礼儀正しく話しているのに、あなたは失礼ですね」とか、ひたすら絡んでくるというもの。相手が何をしていても、自分のほうに向かせよう、というのは、絶え間ないメッセージそのまま。ネット社会を揶揄しているんですね。

ウィキペディアによると、「荒らしや嫌がらせの一類型であり、礼儀正しく、誠実なふりを続けながら、相手に証拠をしつこく要求したり、質問を繰り返したりすることを指す。議論への参加を執拗に、真意を偽りつつ、求める形をとることがある」とあります。こんな説明もありました。「本当は、理解する気などないのに、『理解したいので教えて』的な丁寧な姿勢を装いつつ、不誠実な質問を繰り返して相手を疲弊させるコントロールの手法。時間の浪費やハラスメントが目的で、相手の説明を故意に誤解する」。

これ、私も何度も経験しているので、気持ち悪さがよくわかるんです。私は、「海王星さん」と呼んでいました。占星術的には、おそらく「やぎ座の冥王星のコントロール欲求とうお座の海王星の境界線のなさ」が結びついているのですが、そのからみ方はひどいものでした。

本当は、聞く気もない、解決する気もないことを延々と聞いたり、話したり。目的は、相手をつかまえて、自分に注目を向けさせること。ひどい人になると、昼休みと帰りの通勤電車の中でメッセージをするのを3日連続とか、朝起きたら、1時間のメッセージを3日連続とか、会う気がないのに誘ってきては約束をさせて、ドタキャンを3回、繰り返す人とか。「やめてほしい」と言っても聞かないので、そうした人たちにはさすがに返信しなくなりました。

人間関係を切らないと、すぐに、ぜんぶ忘れてしまったように連絡してきて、同じような行動を繰り返すのも判で押したように同じ。前回のことはなかったかのようで、連続性がないんです。倒しても、倒しても湧いてくる、ゾンビを相手にしているみたいでした。

会おうとするとキャンセルしてくるので、本当の意味で、話題にも私にも関心があるわけではない。会うと終わってしまうから、ひとつの話題を引っぱって、こちらの注意をできるだけ長く惹きつけたい、そして、こちらを思いどおりに支配したいだけなんです。マウンティングの別形態かもしれませんね。

エナジーヴァンパイアにならないために…自分に正直に、“太陽”を生きて

エナジーヴァンパイア

振り返ってみれば、それがみんな、太陽を生きていない女性たちだったのです。妻であり、母であり、娘であり…役割は引き受けているけれど、自分自身は、どこかに置き忘れてしまっている。その虚しさを埋め合わせたい、誰かに依存したいから、いろんなことをしてみるけど、何をしても満たされない。20代、30代はきっとキラキラしていたであろう彼女たちの、生き物としての弱さのようなものがすごく悲しくて、時間が経っても、なんだか引きずっています。

結婚したら、たくさんの役割があって、自分を生きるために我を張るより、自分さえ我慢すればと自分を殺している女性もいっぱいいると思います。でも、死ぬときに私たちがあの世にもっていけるのは、自分の魂だけです。たくさんのお金も、たくさんの名誉も、現世を生きるには楽しいけれど、それだけなんですよね。誰かに反対されても、期待を裏切ることになっても、自分をやり抜く強さ。私は、それを星の言葉を借りて、伝えたいのだなと思っています。

そうでないと、おばさんになってから、シーライオニングをするエナジーヴァンパイアやゾンビになってしまうんです! 話がちょっとズレましたが、本もよろしくお願いします。これから徐々に本や関連特集の情報もお知らせしていきます。

 

(次回は、9月7日に更新)


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Saya Saya

アストロロジー・ライター

1971年生まれ。おとめ座。現在は、京都で夫とふたり暮らし。雑誌連載のほか、オンライン講座や、ホロスコープ・リーディングのセッションを行う。著書に「星を味方につける生き方、暮らし方」(集英社)など多数。

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