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嗚呼、近ごろ「実家がしんどい!」

親や実家を“しんどい”と感じるのはなぜ?心理カウンセラーが分析

2020.01.03

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実親や実家に"しんどさ"を感じる・・・でもそれってなぜ?

生まれ育った実家、つきあいの長い親なのに、なぜわたしたちは「実家がしんどい」と思ってしまうのでしょうか?

心理カウンセラーの心屋仁之助さんによると、「親に対してはこうしなければ」という思い込みが自分の首を絞めているそう。

「実家がしんどい」の心理についてうかがいました!

 

実家がしんどい!を心のプロが分析
親を"しんどい"と感じるのは、「親とは仲よくするもの」という思い込みの裏返し

性格リフォーム&心理カウンセラー 心屋仁之助さん

自分の性格を変えることで問題を解決するスタイルが話題に。全国各地でセミナーや講演活動をしている。年末年始の帰省が"しんどい"と思う心理を紐解いた『お母さん、年末、実家に帰らなければダメですか?』(廣済堂出版)など著書多数。

「実家がしんどいと感じてしまうのは、必要以上に世間体を気にしているから」と心屋さんは分析。

「“孫の顔を見せるため帰省しないと”“育ててもらった恩があるから親孝行するべき”というのは、自分が心から思っていることではなく“常識としてそういうものだから”と、はっきりした理由もなくそう思い込んで、行動していることもありませんか?

自分が思っていないことを無理にすれば、しんどくなるのは当然。

「LEE読者は一卵性母娘世代で、派手な反抗期を経ることもなく、親に迷惑をかけないために言いたいことを我慢してきた人も。結婚や出産を経て、夫や子どもが絡むと、自分の我慢だけでは親子関係を保てなくなってくるのでは」

LEE読者は「実家がしんどい」と感じ始めがちな世代!

 "一卵性母娘"世代で、親に反抗しなれていない
 結婚で自分の家庭を持ち、親と価値観や生活習慣にギャップができる人が多い
 出産を機に、親や実家とのやりとりが再び密になる人も
 親の年齢(60~70代)的に、「親孝行」について考え始める
 昨今はSNS等で、よその家族の情報が入ってきやすい

「一卵性母娘世代で"親子は友達のように仲がいいもの"という思い込みがあるのかも。さらにSNSで友達が親との旅行など仲睦まじい様子を見ると、"うちもこうでなくては"と感じてしまいますよね。
でも、親子なら必ず親友のようになれるわけではありません。SNSだけで見る、よその家族の様子にも惑わされないで」(心理カウンセラー 心屋さん)

感じる"しんどさ"が強い人ほど、こういった思い込みが強い

(子どもの顔を見せに)実家にできるだけ帰省しなくちゃ
 親のことを"しんどい"と思うなんて、自分は親不孝者・・・
 育ててもらった親には感謝して、親孝行しないと
 親には共感して、仲よくしないといけない
 親に迷惑をかけちゃいけない
 親の愚痴や心配ごとは自分が解決してあげないと
 自分が親の老後の面倒を見なきゃ

しんどいなら、その思い込みは手放していいんです!

親孝行も帰省も、自分が心から"やりたい"と思っていないなら、しなくてもいい。意外と親も世間体から"たまには子どもや孫に帰省してもらわないと"と思っているかも(笑)。
親の困りごとも、あなたがすべて解決してあげないといけないわけではありません。あなたができなければ、親は親で別の相談先を探して何とかしていくものです」(心理カウンセラー 心屋さん)

 



老いゆく親やネガティブな親を「かわいそう」と思うことで愚痴がエスカレートすることも

「自分はかわいそうだと愚痴を言うと、娘が話を聞いてくれる。それを学習すると、無意識にでも親はさらに自分をかわいそうな状況に追い込んでいきます。その結果、いつまでたっても親の不満は解消されません」

親が大変そう、かわいそう
一生懸命親の愚痴を聞いて、悩みや不安を解消してあげようとする
いつも対応してくれる娘に対してますます愚痴っぽくなる

 

世間体や常識に縛られて、しんどさを我慢していませんか?

義務感や世間体で親と付き合うことも、親子関係に波風を立てないために我慢することも、思いきってやめていいと心屋さん。

思い込みを手放すことで、自分の気持ちがラクになれば、会う頻度や連絡の頻度は減っても親との関係は良好になるはずです(心理カウンセラー 心屋さん)


イラストレーション/いいあい 取材・原文/古川はる香

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