時短勤務などの制度の充実により、女性が仕事を続けやすくなった昨今。一方で、結婚、妊娠、出産などで、働き方を見直す女性が多いのも現実です。
LEE8月号では、そんな、悩み多きLEE世代の「女性の働き方」について、アンケートを実施。今の働き方や選択への本音、迷い、心の葛藤・・・LEEメンバーの声をお届けします。
※アンケートは2019年5月9日から17日までLEEwebの会員「LEEメンバー」に実施。LEEwebメンバー1128人が回答。
働き方白書2019 アンケート
現在、働いている人・いない人、今までとこれからの働き方について、LEEメンバー1128人が回答!
読者プロフィール
●平均年齢 38.7歳
●夫・パートナーはいますか?
いる・・・86.2% いない・・・13.8%
●子どもはいますか?
はい・・・72.7% いいえ・・・27.3%
●現在、働いていますか?
はい(育休中や休職中などを含む)・・・76.1%
いいえ・・・23.9%
Q 「働き方」(今、働いていないことも含む)の現状に満足していますか?
「まあまあ満足」が過半数。アンケートの回答を見ると、現状を受け入れてはいるものの、働いている人、働いていない人、それぞれの事情を抱えており、不安や迷いもある模様・・・
「現在、働いている人」「現在、働いていない人」、それぞれの声を探ってみました。
現在、働いている人へ質問
今の働き方は?よかったこと、不安なこと、これからの働き方について
Q 現在、どのような「働き方」をしていますか?
Q 1日の勤務時間は、何時間ですか?
「6~8時間未満」がボリュームゾーン。時短勤務やパートの人も増えていて、家事や育児と上手にバランスをとって働いている様子。
「仕事時間が限られる分、頭をフル回転で集中できるように」(ココ・40歳・山梨県・自営)という声も。
(LEE2009年9 月号『私たちが「働く」「働かない」のワケ』より)
現在と10年前を比べると、勤務時間に大きな差が!
8時間以上のフルタイム勤務が47%と現在のほぼ2 倍。当時は時短勤務の制度も整っておらず、フルタイムしか選択できないケースも。比較すると、今は仕事を続けやすくなった。
Q 現在の働き方は希望どおり?やむを得ない選択?選んだ経緯を教えてください。
希望どおりの選択
「収入や福利厚生を考えて、出産後もフルタイムを継続。このままできる限り正社員で働き続けたい」(ゆか・38歳・神奈川県・会社員)
「新卒で事務職として働いていたが、長く働くには興味のある仕事がいい!と一念発起。保育士の資格を取得して転職しました」(kaori・43歳・東京都・保育士)
その他の声
●フルタイムは自分にも家族にも負担が大きいと感じ、週4日で1日5〜6時間勤務のパートの仕事を探した。自宅から近く通勤も楽だし、負担なく働けている。(ケロロ・42歳・東京都・パート)
●結婚を機に夫の実家に帰ることに。会社と相談し、フリーランスとして委託リモートワークで仕事をすることに。時間の余裕ができた。(パタコ・38歳・群馬県・フリーランス)
●キャリアが停滞しないようにフルタイムで働き続けます!(ひろすけ・40歳・東京都・会社員)
収入、キャリア、福利厚生を考えて会社員を続ける人、家族との時間を優先したいからと短時間勤務ができるパートなどに切り替える人、また、やりがいを求めて転職や資格取得を考える人。人によってさまざまな働き方の選択が!
やむを得ず選択
「ワンオペ育児なので、時短勤務を選択。時間に制約があるし、仕事内容に物足りなさを感じるものの、今は仕方ない」(あや・36歳・神奈川県・会社員)
「正社員で働きたいが、夫が転勤族なのでいつでも引っ越しできるように今は派遣」(なみこ・39歳・福岡県・派遣)
その他の声
●時間に余裕が欲しいので時短にしたいが、フルタイムなら給料1.5カ月分程度もらえるボーナスがごくわずかになってしまうので、フルタイムのまま。(ほみ・29歳・埼玉県・事務)
●子どもの学校行事が多いため、近所でパート。やりがいは諦めた。(るな・34歳・愛知県・パート)
●子どもが認可保育園に入れず、出産前のような働き方ができていない。もっと仕事に時間を費やしたい!(ミニー・33歳・神奈川県・フリーランス)
●夫が自営で安定のために仕方なく正社員。(あず・35歳・東京都・会社員)
現在は、やむを得ず働き方を選んでいる人も多数。
多かったのは夫の転勤のために転職したケースで「転勤で私は正社員を辞めるしかなかったが、本当は育休後に戻る場所が欲しかった」(ヨハンソン・35歳・静岡県・派遣)との本音が。
Q 仕事をしていて、罪悪感を感じるのはどんなときですか?
「"絵本を読む"などの子どもとのちょっとした約束を破ってしまったとき、胸が痛む」(ララ・36歳・東京都・自営)
「子どもが熱を出したとき、子どもの体調を一番に心配したいのに仕事に行けるか行けないかを考えてしまう。仕事を休めないときは、母に看病を頼んで、そばにいてあげられないのも罪悪感」(みちこ・35歳・静岡県・販売)
「仕事が終わるとしんどくて、晩ごはんが手抜きになってしまう!」(りんこ・47歳・兵庫県・パート)
「母親の助けなしでは成り立たないので、時間と労力を奪って悪いなと思う」(ななこ・45歳・北海道・会社員)
「夕方17時キッチリに帰るので、ほかの社員の目が気になる。任された仕事をその日のうちに終わらせたいが、次の日に持ち越してしまうこともあり申し訳ない」(まい・37歳・島根県・派遣)
「主婦として、働くものとして、どちらも中途半端になっている罪悪感」(あき・39歳・埼玉県・医療)
「子どもには寂しい思い、職場では時短で仕事のしわ寄せがいっていて、全方位的に罪悪感」(ぽよ・41歳・愛知県・パート)
子ども、職場、両親と、すべてに罪悪感という声がありつつも、家庭に負担のない働き方をしているので、罪悪感は感じないという意見も多数。
Q 働いていてよかったことは?
「家族以外の人と話すことで、いい気分転換になる!接客業なので感謝されるのもうれしい」(あやの・39歳・千葉県・不動産)
「これから子どもの教育費などがどんどんかかると思うので、貯金ができて安心」(まゆみ・40歳・長野県・パート)
その他の声
●人と会うことで身なりを整える。メイクをするようになった(笑)。(アメ・36歳・兵庫県・パート)
●専業主婦だったので、社会的に「お母さん」以外の居場所があると感じる。(たまご・35歳・石川県・派遣)
●育休の取得や各種手当て、将来は年金ももらえるので働く甲斐があるなと思う。(ぴー・36歳・三重県・会社員)
働く理由として「報酬」を挙げる人が多かった今回のアンケート。ここでも経済的なゆとりが多数かと思いきや、同僚との会話や、社会とのつながりを挙げる人が圧倒的に。
目的は報酬でも、いざ働いてみると、仕事がいいリフレッシュになっているよう!
Q 働いていて不安なことは?
「今の仕事を60代でも続けられるか。内容はもちろん、体力的にも心配」(ちひろ・36歳・神奈川県・会社員)
「出産や引っ越しでキャリアが断絶されたと感じる。これから取り戻せるのか……」(ヨハンソン・35歳・静岡県・派遣)
その他の声
●子どもの思春期を働きながら支えられるか心配。(とも・35歳・東京都・経理)
●子育ても仕事も頑張りどき。この先キャリアをどう積めばいいのか悩む。(もこ・36歳・神奈川県・会社員)
●扶養の範囲内でパートで働いているけれど、老後の蓄えはこれでまかなえるか。(らこ・40歳・東京都・パート)
最も多いのは「このまま今の仕事を続けられるかどうか」という不安。年齢を重ねても今と同じような事務仕事があるものなのか、販売職などは立ち仕事で体力的にもつのか、パートで経済的に不安定など、さまざまな原因で将来を案じている様子。
Q このまま、現在の形で働き続けたいと思いますか?
「まあまあ思う」がボリュームゾーン。働き続けたいと思う人は3割程度と、みんな何かしら気になるところはあるものの「転職して、今より育児に理解のない職場になったらつらい」(ゆう・38歳・長野県・会社員)と踏み切れない本音も。
現状をどのように変えたいかの質問では、
「忙しすぎるので、在宅ワークなどでゆとりを持った働き方に」(さなえ・43歳・東京都・会社員)
「今は育児優先で派遣なので、正社員、フルタイムでもっと働きたい!」(ゆかり・38歳・神奈川県・派遣)
「もう少しスキルアップしたい。語学を使って海外とやりとりをする仕事をして、キャリアを積みたい」(むう・40歳・東京都・IT)
など、働く時間の調整や収入面のほか、やりがいやキャリアを追求して、職種を見直したい、という希望が多い結果に。
現在、働いていない人へ
仕事をやめた理由は?よかったこと、不安なこと、また働きたいと思いますか?
Q 以前の仕事を辞めた理由は?
結婚が最も多く、妊娠、出産と同じぐらいのボリュームで続く。それ以外にも、待機児童など子どもの預け先の問題、夫の転勤による転居など、さまざまな家族の問題によって女性が仕事を辞めざるを得ない現実が浮き彫りに。
(LEE2009年9 月号『私たちが「働く」「働かない」のワケ』より)
10年前のLEEのアンケートによると、結婚で仕事を辞めた人は3 割で、今よりも多い。さらに、結婚、妊娠、出産を合わせると約7 割にのぼり、この3つのライフイベントで多くの女性が働く機会を失っていたことが明らかに。
Q 現状は希望どおり?やむを得ない選択?選んだ経緯を教えてください。
希望どおりの選択
「夫は私が家にいることを望んだし、私も家事、育児、仕事といくつもの役割をこなすのは難しいと思ったので、納得して」(あゆみん・40歳・長野県・主婦)
「子どもが小さいうちは、家庭でゆっくり育児をしたいと思ったので専業主婦に」(みゆき・39歳・埼玉県・主婦)
「小1で嫌がる学童に通わせるのが心苦しくなり、思いきって退職。学校が終わると、子どもが喜んでダッシュで帰ってくるので、よかったなと思う」(あずさ・39歳・愛知県・主婦)
大半が育児中で、子どもとゆっくり時間を過ごしたい、預けてまで働きたくないという声。もしまた働き始めるとしても、子どもが成長することが絶対条件という人が多い。
やむを得ず選択
「ずっと働き続けたかったが、残業の多いハードワークで体調不良に。今は休む期間なのだと自分に言い聞かせている」(めい・38歳・東京都・主婦)
「待機児童で子どもの預け先がなく、今は一旦仕事を辞めて主婦に」(ふみこ・40歳・福岡県・主婦)
「仕事はしたかったが、仕事で育休の制度がそこまで充実していなかったし、長期間休んで戻る場所があるかどうかも怖かったので、一区切りをつけた」(jun・34歳・山口県・主婦)
"今は"やむを得ず、という人が大多数。妊娠、出産などのきっかけのほか、体調不良や人間関係のトラブルなどの原因も多く、専業主婦で一度心と体を整えたいという声も。
Q 働いていなくてよかったことは?
「子どもとゆったりとした気持ちで向き合える」(ゆずこ・39歳・千葉県・主婦)
「平日のあいているときに美術館巡りなど、自由に時間を使える」(なぁた・40歳・神奈川県・主婦)
「子どもの学校行事への参加や、PTA活動に支障がない。せっかくだから積極的に役員にも立候補!」(ゆえ・39歳・東京都・主婦)
子どもとの時間はもちろん、家事の時間を十分に取れる、平日の日中に趣味の時間が取れるなど、ゆとりのある生活が最大のメリット!イライラすることが減ったなど精神的なプラスも。
Q 働いていなくて不安なことは?
「ブランクがあいてもまた働けるか不安」(なつ・38歳・広島県・主婦)
「子どもや老後の資金を考えると、夫の収入だけで大丈夫かなと考えます」(あか・39歳・東京都・主婦)
「夫の収入に頼りきりなので、もしも夫が病気や事故にあったらと思うと心配だけど、特に何もしていない……」(かえ・30歳・千葉県・主婦)
自分に収入がないことの不安を挙げる人が多いものの、働く人の不安も、実は経済面についてが多い。働いていても、働いていなくても、将来への不安はあまり変わらないのかも?
Q また働きたいと思いますか?
現在働きたいと思っている人は65.9%、将来的にまた働きたいと思う人は、なんと84.3%も!理由はさまざまながら「働く女性を見るといきいきとしているように感じる」(りつ・40歳・東京都・主婦)との声が多数!
Q また働くために、何かしていること、準備していることはありますか?
「時短家事。要領よくこなして、仕事復帰してからのシミュレーション!」(ぺぺすけ・43歳・岐阜県・主婦)
「前職に関連のあるFP資格を取得。夫の転勤先でも転職ができるように、現在、医療事務の資格の通信講座を受講中」(みーむー・44歳・沖縄県・主婦)
「ハローワークで教えてもらった、パソコン講座を受講している」(まいママ・35歳・福岡県・主婦)
時間がある今のうちにと、簿記、FP、社会保険労務士などの資格取得を目指す人が多数。また、ハローワークに通い講座を受けたり、求人サイトをチェックしたりと、できることから準備中!
撮影/名和真紀子 イラストレーション/itabamoe 取材・原文/野々山 幸
※2019年7月7日発売LEE8月号『私たちの働き方、考えてみませんか』より。アンケートは2019年5月9日から17日までLEEwebの会員「LEEメンバー」に実施しました。
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