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NONA REEVES「新しい世代から見える"未来"も意識するようになった」

ポップにしてソウルフル。結成25年目のノーナ・リーヴスを“説明”する際によく使われる言葉だ。多彩な曲調ながら一貫しているのは、ポップなメロディに西寺さんの甘いボーカルをのせて届けられる、独特の世界観。

新しい世代から見える"未来"も意識するようになった

「マイケル・ジャクソンが『スリラー』で人気だった ’80年代のアーバンでダンサブルでポップな世界観にすごく影響を受けてきましたし、子どもの頃から田原俊彦さんや少年隊など日本の歌謡曲も大好きでしたね。僕たちはデビューした ’90年代から近過去の ’80年代を感じさせる音楽をやっていたのですが、深刻なムードかフェス系ロックの二択の音楽シーンで浮いていたと思う。近年、グルーヴィーなポップソングが普通に“いいね!”と言ってもらえるようになった。核は変わっていないのに、ノーナ史上、今がいちばん時代に合っているかも(笑)。きっと ’80年代的な音楽が、ジーンズやコンバースみたいに定番化したんだと思う」(西寺)

16作目となるオリジナルアルバム『未来』は、ノーナらしさは健在だが、キャリアと年齢を重ねた彼らの今の思いも反映されている。早稲田大学の先輩でトリオという共通点も持つライムスターとのコラボ曲も大人がクスッと笑えて元気が出る作品だ。

「初めて漢字をアルバムタイトルにしました。今年は元号も変わるし、漢字2文字っていいかもなと思ったとき、タイトルトラックの“未来”をそのまま使うのがいいかな、と。今までは自分として生きてきたけれど、自分も年を重ね、子どももいるし、新しい世代から見える世界も意識するようになりました。それと3年前、ポカリスエットのCM曲『キミの夢は、ボクの夢』の歌詞を書いた際、作詞家として中高生の気持ちを表現してほしいと依頼され成功したんですが、なぜこれをノーナでできないんだろうと、ふと思って。だから、『未来』の歌詞は新しい世代に届けたいな、と」(西寺)

「最近、高校生のファンも増えています。しかも、初めてライブというものに来ました!なんて子もいて、びっくり」(小松)

「それこそ、もう僕らは“未来”の中にいる気がする。極端な話をすると、明日死んだら、未来はやってこないでしょう。だから、未来について考えることこそが未来そのものなんじゃないか、と思うんだけど、最近、昔は想像もしなかったような、まさに未知の未来の中で生きている感じ」(奥田)

「僕らの作品はアップルミュージックなどでも聴けますから、昔の曲も若い子が知っていて口ずさんでくれる。うれしいです」(西寺)

幅広く、豊かな音楽体験を持つ3人に ’80年代のおすすめ盤をたずねると、いい意味でバラバラな個性を感じる作品名が飛び出した。

「ジャネット論も書いた僕のおすすめは、もちろんジャネット・ジャクソン。特に、安室さんや宇多田さんの音楽にも大きな影響を与えたであろう、 ’86年の『コントロール』ですね」(西寺)

「 ’89年のザ・ストーン・ローゼズの『ザ・ストーン・ローゼズ』かな。 ’90年代に流行るハウスっぽいビートに ’60年代のフォークロックをかけ合わせたような新しい発想で、時代の節目を感じたから」(奥田)

「 ’85年のチャリティアルバム『USAフォー・アフリカ』。『ウィ・アー・ザ・ワールド』が有名ですが、ほかの曲もいい」(小松)

ノーナの新譜『未来』と合わせて聴いて、過去とつながったキラキラした“未来”を想像してほしい。

 

Profile
ノーナ・リーヴス●(写真左から)小松シゲル(ds)、西寺郷太(vo)、奥田健介(g)。1995年結成。’96年にインディーズ、’97年にメジャーデビュー。ソウルや’80年代ポップスなど、多様な音楽的背景をもとにミックスされたきらめく作風で長年、独自のスタイルを貫く。西寺はコラム執筆やプロデュース業にも忙しく、小松、奥田は多くの著名アーティストのサポートを任されるなど、個人活動も活発な3人組。

『未来』

16枚目のオリジナルアルバム。メロディアスな音にメッセージ性の強い言葉がふわりとのったポップな表題曲、ライムスターを迎えたコラボ曲『今夜はローリング・ストーン feat.RHYMESTER』など、彩り鮮やかな11曲を収録。演奏力にもますます磨きがかかり、すみずみまで研ぎ澄まされた音が耳と心に気持ちがいい一枚。(ワーナー・ミュージック・ジャパン)


撮影/ 名和真紀子 取材・文/ 中沢明子

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