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藤原千秋

『メッツァ』の20年前から愛されている、『トーベ・ヤンソン あけぼの子どもの森公園』へ

  • 藤原千秋

2018.12.21

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今年って連休多いですよね〜。

なんだかんだ、学校行事などと抱き合わせになってたりして遠出はしにくいものの、休みが多ければ多いほど退屈されてしまうのが、元気な子どものいる家庭というもの。

時しも秋真っ盛り、行楽日和。

非日常!

どこかに行きたい〜!

空気の綺麗な郊外に行きたいけど、遠すぎても難儀……。わが家から片道2時間圏内でまず候補に上がったのは、オープンしたばかりの『メッツァ』だったのですが、今回は同じ埼玉県飯能市にある『トーベ・ヤンソン あけぼの子どもの森公園』に行くことにしました!

わが家にはマイカーがないため、交通手段は鉄道がメインです。まずは西武池袋線「元加治(もとかじ)」駅へ。そこからは、徒歩で。

Googleマップ表示で片道1.4キロほどでしょうか。子どもの足でも20分くらいで到着です。ただちょっと高低差があるから、軽ーいハイキング気分かな。

黄葉が始まっていて綺麗ですね。

黄葉が始まっていて綺麗です。

『トーベ・ヤンソン あけぼの子どもの森公園』は、「都市公園」。いわゆる「テーマパーク」ではありません。入園料は無料です。

県道195号線、入間川の河川敷に沿った飯能市の「阿須(あず)運動公園」の一角、「飯能市民球場」と「飯能市市民体育館」の奥に位置しており、入り口など初めての方にはちょっとわかりにくいかも知れません。

お車でお越しの際には市民体育館前の駐車場を利用されることになりますが、各施設共用のため結構混み合いますのでご注意を。

紅葉しかけた木々の並ぶ坂を登っていくと、じゃーん!!! 見えてきました。これは……!

「きのこの家」

童話の中から出てきたかのようなビジュアル!

「きのこの家」

結構な「キノコみ」にあふれています。エリンギっぽい。

結構な「キノコみ」にあふれています。エリンギっぽい。

どこもかしこも鋭角のない、特徴的なアールの効いたこの建物は、建築家・村山雄一氏により手がけられたもの。

建物内のランプだけでもこんなにかわいい!!!

建物内のランプだけでもこんなにかわいい!!!

シュタイナー建築の流れを汲んでいて、目新しさが勝るものの、でももしかして神奈川方面で「似たような建物を見たことがある」という方がいたら、きっと正解。有名な新百合ケ丘のウイーン菓子工房「リリエンベルグ」の建物も、同じ村山雄一氏によるものなんです。

入り口では靴を脱いで上がります。

入り口では靴を脱いで上がります。

実はこの建物、というか公園自体の竣工は1997年と、すでにオープンして20年もの時間が経過しています。ですからもう親子二代でこの公園で遊んでいるご家族だっているはず!

大人も子どもも楽しそう。

大人も子どもも楽しそう。

内装、造作の木材や鋳鉄など、いい味わいに経年変化していてとにかくすてき。建築好きのココロをくすぐること間違いなし。

鋳鉄の手すりのかたつむり!

鋳鉄の手すりのかたつむり!

公園内にはこの「きのこの家」のほか、資料・図書コーナーのある「森の家」、ホールやトイレのある「子ども劇場」、また2018年オープンしたばかりの「カフェプイスト」といった建物が点在しているのですが、いずこも木の芳しい香りがいまだに芬々と漂っています。

カフェプイスト。「プイスト」とはフィンランド語で「公園」という意味だそうです。

カフェプイスト。「プイスト」とはフィンランド語で「公園」という意味だそうです。

そしてこれらフォトジェニックな建物群だけでなく、もとの地形を生かした坂、小山、小川、池、滝、樹上の家、デッキウォークなどなど、「偽物ではない」自然がいっぱい!!!

ちょっと木々の間に入ってしまえばこんな感じです。

ちょっと木々の間に入ってしまえばこんな感じです。

なのでそこここに「まむしに注意」などの立て看板があり、それは決して脅しではありません。蜂もいますし、夏なら蚊もいます。結構、リアルに「山」なんです。

こちらも特徴的な建物「子ども劇場」。トイレやオムツ替えベッドなどはこの建物内にあります。

こちらも特徴的な建物「子ども劇場」。トイレやオムツ替えベッドなどはこの建物内にあります。

でも、だからこその、この場の味わいなんだなあとその場に来ると理解されるはず。

子どもってパワーがありますよね。あのかわいい「きのこの家」の探索をひととおり終えた子どもたちは、いちようにこのかなりな高低差のある公園内の山肌(!)を、すごい勢いで駆け巡っていくのです。何か……自然の空気にあてられて、妖精スイッチでも入っちゃうのかな〜。

「樹上の家」、結構スリリングな遊び場です。

「樹上の家」、結構スリリングな遊び場です。

数多の小さい人たちが走り巻き上げる、湿った枯葉の匂い。澄んだ山の空気。BGMは自然音だけ。嬌声だけ。食べ物の匂いも、「イベント広場」に敷かれたおのおののレジャーシートの上から漂うお弁当たちのものだけ(※カフェのぞくすべての建物内での飲食は禁止されていますので念のため)。

お弁当、水筒、レジャーシート……じゃなくても、コンビニのサンドイッチと紅茶を持って、のんびり過ごせる素敵な場所でした。

お弁当、水筒、レジャーシート……じゃなくても、コンビニのサンドイッチと紅茶を持って、のんびり過ごせる素敵な場所でした。

シンプル、でも、珍しくて、楽しくて、うそじゃない。

あのトーベ・ヤンソン本人がその名をこの公園に冠することをゆるした、その理由がこの場に立つと理解できるような気がします。

ぜひ一度、足を運んでみてください!

フォトジェニックでも、それだけじゃない、本物の空間です。

フォトジェニックでも、それだけじゃない、本物の空間です。

〜余談〜

わが家の人々は皆健脚なので、帰りはここから西武池袋線「飯能」駅まで歩きました。約4キロあります。歩きでがある! まあ、あまりおすすめはしません。笑

ただ 「元加治」駅には西武池袋線の各駅停車しか停まらず、駅前にタクシーなども常駐していませんが、「飯能」駅には特急レッド・アローや急行が停車し、タクシーも常駐しています。ご家族のあんばいによってはこちら経由での移動もありかと思います。

この「飯能」駅からは『メッツァ』への直行バスが運行しています。また駅直結のホテル「ホテル・ヘリテイジ飯能sta.」もあります。


トーベ・ヤンソン あけぼの子どもの森公園
開園時間 9:00~17:00  ※季節によって開園時間は変更
休園日 月曜日(月曜祝日の場合、その翌平日)
〒357-0046 埼玉県飯能市大字阿須893-1
電話番号 042-972-7711
MAIL akebono@city.hanno.lg.jp
https://www.city.hanno.lg.jp/akebono

藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住宅アドバイザー・コラムニスト

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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