こんにちは、ぴすけです。
一気読み必至!思わず薦めたくなる一冊。
島本理生さんの小説って最初の1ページから引き込まれる印象があります。(ナラタージュがまさにそう)書店に立ち寄った日は、ストーリーにどっぷりハマりたい気分だったので島本理生さんの本を選びました。タイトルも興味をそそりませんか。読み進めていくとこのタイトルについてもきっちり回収されてすっきりします。
恋愛ものの小説を読むのはだいぶ久しぶりでした。恋愛が破綻しかねない(その事実を受け止めて前に進むってすごく難しい)センセーショナルな事実とは裏腹に、ストーリーは穏やかで温かくて、主人公とパートナーの誠実な思いやりとそれを誠実に受け取る関係の温かさが読んでいてじんわり心地よかったなぁ。
字面だけで見たら悩み深き恋愛関係なんだけど、、純粋に相手の幸せを思い合える関係にすごーく心が温かくなった。大人なのか、ピュアな子供のような、なのか。
全然ぼや〜っとして伝わらないですが、ストーリーの軸となる事実を書いてしまうとそれだけでストーリーを想像して型ができてしまいそうなのでこの程度で止めておきます。
主人公を取り巻く友人や妹もリアルすぎる
主人公の恋愛ストーリーと平行して、いくつかの章の視点が主人公の友人や妹に代わって語られます。
生き方、結婚観、生活観、全てが三者三様でだけどリアル。この3人のストーリーがあるからこそ、主人公の恋愛ストーリーがより稀有で浮世離れして感じてしまったりもするくらい。自分の価値基準や『普通』なんて、誰かにとっては全然普通でもなんでもなくて、色んな考え方や感じ方がある。そして大事なことは、自分と違うことや自分が経験していないことへ思いやりを持つことかなぁと改めて思いました。
え〜信じられない、とかそんなの普通じゃない、好きじゃないなんて思わずに、そういう考えもあるんだなぁ、自分には分からない部分も多いけどきっと大変なこともあるんだろうなぁと思いを巡らせること。人の背景を思い遣る。許す。この考え方は普段のコミュニティや職場でも大事にしている(したいと思っている)ことなのですが、改めてそんなことを考えさせられました。
美味しい料理とお酒、大好きな人たち
もう一つこの小説の特徴として、食事のシーンがとても魅力的に描写されています。江ノ島の生シラス、蟹鍋、大阪で食べるホルモン、ふと入ったお店の焼き鳥、石垣島の名店で食べる山羊汁。
ある時は家で、ある時は旅先で登場人物がそれはそれは幸福そうに旬のものや地のものをいただくのです。
登場人物の気持ちの機微とともに、その場の空気感や食事の味がくっきりと浮かぶほど。本の中の話なのに、なんでなんだろ。
料理のおいしさって味だけじゃなくて、その時の季節、シチュエーション、一緒に食べた相手などによって大きく変わりますよね。
食が彩る、忘れたくない瞬間
そういう思い出深い料理って自分だったら何かな〜とか色々思い返したり。
ハワイで友人家族みんなでわいわい食べたイタリアン、ケアンズで食べた顔より大きいマッドクラブやオージービーフ、、。どちらもテラス席だったなぁ。
味だけでいったら他にも美味しかった物はあるけれど、その時の高揚感を鮮烈に思い出せる食事っていくつかあります。どうやら私は暖かい南国でみんなで浮かれて食べるごはんが心地よいみたいです。
あ、女友達3人で凱旋門近くのお店で食べたムール貝の酒蒸しとモレッティも忘れられないくらい美味しかったなぁ。。
小さい頃、お盆にいとこ家族も含め大勢で食べたおばあちゃんちの朝ごはんも未だに鮮明に覚えています。味噌汁が特に美味しかった。
色々思い出しますね。その時々にその場所でしか食べられないものを味わうって贅沢だし、大切な人たちと美味しいね、と言い合いながら食事を共にする時間ってとても幸福。
大事な人との温かなシーンをより濃く記憶に残すのが食事だったりするのかも。
色んな魅力が詰まった小説です。自分の大事な人たちをもっと大事にしたくなる一冊。
012ぴすけ
ぴすけ
35歳/夫・息子(4歳)/料理部・美容部/時短勤務しながらやんちゃな男の子育児に奮闘するワーママです。とにかくファッションが大好き!憧れブランドを纏う高揚感も、プチプラの掘り出し物を探すワクワク感も両方好きです。お菓子作りやうつわ、アロマ、美容にも興味があります。家族とともに、日々楽しく、美味しく、穏やかに過ごしていきたいです。Instagram:@yhana0619
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