さて、これが私のラストクリップです。
最後の投稿をどうするか迷ったんですが、やっぱりここにはファッションに興味のある人が多いようだから。ちょっといいものにしました。
CINOHのハイネックニット!
去年も、ちょっと欲しいなあ・・と心惹かれてたのですが、ギャルリーヴィーのハイネックの方を買ってしまったんですよ(そっちも去年、今年とめっちゃ着てますけど、若干毛玉っぽくなってきたので、メンテナンスしつつ)。
先日復活したUnited Arrowsのオンラインショップで買いました。横浜に在庫があることはチェック済みだったので、試着に行って。
あー便利!おかえりUA!ありがとう戻ってきてくれて!
好きなのは、すそのアール。ボリュームのある身幅(また背中が広いと意地悪を言われそう!w)、それからそれから、身頃に斜めに入ったライン模様。首後ろのスリットも可愛い。
この歳になると、何もコンプレックスは幅だけじゃありませんよ。自分の弱味をわざわざ晒してるようでカッコ悪いですが、首だって太いんです。特に後ろ側。
机で手作業をする人に多いと思うんですが、がま口を作ってると自然に方に力が入るのか、いつのまにか前かがみで仕事してるんです。これがクセになると、首の後ろに肉が溜まるようになっちゃうんですよね。
2〜3年くらい前に、そこに変な線が入ってることに気付いて、いつの間にか首を後ろに倒すと、がっつり変な段ができるようになりました・・とほほ。
そういうわけで、冬はハイネック率が高くなったし、髪も結ばないで下ろしておける長さが好きです。自分と同じようにそこに段があるのに、短い髪で潔く首を出してる人を街で見かけると、かっこいいなあと思うけど、自分はまだ隠しておきたい!悪あがきしたいの!(笑)
そして、ちょっとでも首の血行を良くしたいから、冬はめっちゃストール巻いてます。
このチノのハイネックは、いろんなものをカバーしてくれます。ちょうど体が泳ぐくらいのオーバーサイズ感だけど、硬めの質感でしっかり落ち着いて、程よくルーズな感じ。
パンツにもスカートにも合わせられる、短めの前側。二重顎にならない、広めの襟。背中に線が入ってるので縦長な感じもあるし・・・さすが、値段だけのことはあります。全然違います。
40代の入り口に立つのにふさわしい、良いニットだと思いました。凛と立つ勇気が湧いてくる!背筋をしゃんと伸ばして着ようと思う!
この歳になったからこそ、わかる良さがあります。
先ほどは加齢やコンプレックスの話をしましたが、もうちょっといいほうの話をしましょう。
こないだ、できたばかりの渋谷スクランブルスクエアの、SHIROのカウンターでタッチアップを受けてきました。その時、店員さんがすごく感じのいい、何というかとっても一生懸命な方で、嬉しくなってリップケア用の柚子グロスなど買ってしまったのですが。
こんな私のいいところを見つけて、褒めてくれたんですよ。お世辞だったにしろ、ないものをあるとは言えないから、たぶん嘘ではないと思いたい(笑)
ひとつは、ネイビーがすごく似合うということ。なんでそれを言われたかというと、タッチアップの時に服が汚れないように首から下に掛けてくれるあの覆いの布が、深い紺色だったんですよ。
さっと掛けてくれた瞬間、まあ素敵!すごい似合いますね!!って言われたんですよ。
汚れよけの覆いの布が!!お似合いですねって!!・・・爆笑してしまいました。
でも、確かにすごく肌映えのする色だったんですよね。実際よりもだいぶ上品に見せてくれるというか・・・(普段どんなんやねん)。
ともかく、ああ、私ネイビーが似合うのかって。初めて自覚しました。
そしてもうひとつは、白目の色が他の人よりも白いんですって。えっ、そんなこと言われたことないけど、そんなに人によって差ってあります?そもそも、白い方がいいものなのか・・?
なんでも、白目が白い人の方が、黒目がくっきり大きく見えるし、二重まぶたも引き立つらしいです。白目のケアのためにわざわざいろんなことをする人もいるから、生まれ持ったものなら大事にした方がいいとのこと。
毎日たくさんの人にメイクしている方に力説されると、なんだか自分が滅多にない宝物を持ってるみたいな気持ちになってきました。単純・・・。
自覚したことのない、自分の良い部分を2つも教えてもらった、貴重な出来事でした。
でも、全然関係ないリップケアを買ったんですけども。
この歳になると、無いものや失ったものを数えるより、今持ってるものや自分の個性を大事にする方がいいなあと実感した次第です。
言われてみれば、タンスの中に、冬のネイビー多かった。
左から順にユニクロ、ギャルリーヴィー、チノ、フレームワーク、フォードミルズ。
自分の良いところを引き出してくれる洋服との出会い、これからも大切にしたいと思います。
さて、お別れの時がやってきました。
10年間か!!長々とお世話になりました。
卒業していく同期が多い中、長いこと留年生活を堪能させてもらった感じです。
そういえば自分が卒業した大学は、俗に中退一流、留年二流、四年で卒業しても三流にしかなれないと言われてました。
加えて就職氷河期だったし、希望のとこに決まらなかったからと早々に留年を決めて、自由に好き勝手を始める同級生が結構いたんですよ。羨ましいと思いつつも・・・しっかり卒論書いて、四年で卒業しました。
もちろん、それが当たり前というか、結局よかったんだとは思いますが。あの頃横目で見ていた、魅力的な留年生活への憧れがあったのかもしれません。満喫させてもらいました。
それから、自分は学生時代には、女友達が本当に少なかった!
会話する女子はひとりふたり三人・・・みたいな感じでした。しかもそんな深い付き合いはできず。まあ、軽い対人恐怖があるというか・・・女子の集団になじめないというか。いろいろ自分に問題があったんでしょうね。
それが実はものすごくコンプレックスだったんですが、ここでは女の子の友達がたくさんできました。ファッションやお化粧のことでキャッキャするのって、めっちゃ楽しいことだったんですね。遅れてきた青春みたいな感じで、とても楽しい10年間でした。
山あり谷ありの30代でしたが、楽しいことだけではなく、辛いことや苦しみを少しずつ共有しながら一緒に越えていける友がいてくれるというのは、とても心強かったです。
人生に悩みは尽きないもの。自分で選べないこともたくさんあるけれど、友達は選べる。結局は自分で切り拓いていかねばならない道なのだけれど、味方となって励ましてくれる道連れの存在って、こんなに大きいんだなと、この歳になって実感しています。
20代まで友達が少なかった自分。ここでの出会いがなければ、どんな孤独な30代になっていたかと思います。LEEがつないでくれた縁に、皆様に感謝します。
そして、自分は100人隊の中でもTBの中でも珍しいタイプで、ここで「何をやりたい」というのが、特になかったってことについ最近気づきました。
素敵な人たちに憧れ、たくさんの良い影響を受けつつも、じゃあこれからどんなことをしたいのかと聞かれた時に、ふと答えに詰まってしまったのです。
手芸は好きだったけど、料理もテーブルコーディネイトも得意ではないし、特に抜きん出たファッションセンスがあるわけでもない。他の人たちの場合は、だいたい投稿が得意分野のあれこれを伝える「手段」なわけです。
自分の場合は、そうじゃなかった。
良い本や映像作品などと出会ったときの感動や、これはいいものだと思って買ったものの良さを通して、何か良いことを相手の心に届けたい。ささやかでも心を動かすような、文章表現をしたい。
書くことが手段ではなく、文章表現自体が目的だったんだなあ・・・と。
ここを辞めていくのに何が辛いかって、一番はやっぱり、見えない大勢の読者とお別れすることなのです。大勢と言ったけど、実際にいつも見てくれてるのはどれくらいかわからない。
それでも・・いつもいつもじゃなくても、これまで結構な数の人が、自分の書いた投稿を読んで、中には共感してくれる人もいたわけで。
そのお一人お一人を、大切な、私の読者だと思っています。その人々にもう、自分の伝えたいことを伝える手段を失うのです。・・・それが、なによりせつない!お別れです。
ですが、これからも懲りずに、どこかでひっそりと続けようと思います。
最後になりましたが、お世話になったLEE編集部の皆様に、たくさんの感謝を。
私が思うLEEの良さを以前書いたことがあるのですが、願わくは、いつまでもそういう雑誌であってください。時代の流れに添いつつも、読者の心に寄り添う雑誌であってください。
ありがとうございました。
yuki*
yuki*
39歳/夫・息子(11歳)/手づくり部、料理部/横浜在住、大阪出身。港が見えそうで見えない丘の上の古い一軒家で、息子と年上の旦那さんと猫のリサと一緒に、楽しく暮らしています。本とラジオと美しい布が好き。がま口のお店をやっています。一度しかない美しい日々を、あたたかく綴りたいと思います。Instagram:@yukiiphone
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