シンプルで素朴ながら素材の風味をしっかり感じられるスイーツに定評がある、京都の大人気カフェ『歩粉（ほこ）』。“優（やさ）しい”味わいを、おうちでも再現できる“易（やさ）しい”レシピで、店主・磯谷仁美さんに提案していただきます！

Vol.

035

「ごぼうのフロランタン」

秋も深まってきて、こっくりしたテイストの焼き菓子がおいしい季節に。

アーモンドやクルミが定番のフロランタンですが、ごぼうとキャラメルってとっても合うんです。

恵比寿に歩粉があった時から、秋の定番のお菓子として「ごぼうとナッツのダブルキャラメルケーキ」がありました。

ごぼう嫌いなお子さんも、このフロランタンがおいしくて、好きな野菜になるかもしれませんよ。 大人にとってはお酒にもコーヒーにもミルクティーにも合う、クセになるお菓子になりそうです。

材料（21×16.5×高さ3cmのバット1台分）

• 無塩バター 60g
• きび砂糖  40g
• 塩  ひとつまみ
• 卵 20g（1/2個弱）
• 薄力粉 120g
• A
  • 無塩バター 30g
  • 生クリーム 30g
  • ハチミツ 25g
  • きび糖 25g
  • 塩ひとつまみ

• ごぼう 約100g（大1/2本）
• きび糖 12g
• ラム酒（なければ水）12g（大さじ１弱）

下準備

• バットにオーブンシートを敷いておく
• バター、卵は室温に戻しておく
• オーブンを170℃に予熱する（クッキー生地を焼くとき）
• オーブンを180℃に予熱する（ごぼうキャラメルを流して仕上げの焼きをするとき）

作り方

1. 生地を作る。ボウルにバターを入れ、泡立て器で空気を含ませるようにクリーム状になるまで練り混ぜる。きび糖と塩を加えざらつきがなくなるまですり混ぜる。卵を溶きほぐして2～3回に分けて加え、泡立て器でそのつど混ぜる。
   
2. 薄力粉を3回くらいに分けてふるい入れその都度ゴムべらでさっくりと混ぜ、粉気がなくなったらラップで包み、空気を抜きながら長方形になるように形を整えながら平らにならす。冷蔵庫で1時間ほど生地をねかしておく。
   
3. ごぼうの泥や汚れを洗いきれいにするが、皮の部分は栄養や旨みもあるので残す。薄く斜めにスライスしたら、水につけて20分ほど置いてアクを抜く。
   
4. 水を切って鍋に入れ、きび糖も入れて、中火でゴムベラで混ぜながら炒める。水分がなくなってきたら、ラム酒を加えて炒め続け、完全に水分がなくなるまで炒めて、バットなどにあけて冷ます。
   
5. ２のねかした生地に少し打ち粉（分量外）をして、めん棒でバットの大きさくらいに伸ばす。バットに敷き込み、底のサイズに合うように手でキュッキュッと軽く押して形を整えたら、フォークで穴をあけておく。170℃に予熱しておいたオーブンで15～20分、こんがり焼き色がつくまで焼く。
   
6. 小鍋にAの材料を全て入れて中火にかけて、ブクブク沸騰してきたらしばらくそのまましっかり火を入れる（30秒くらい）。
   
7. ６に、４の準備しておいたごぼうを入れてゴムべらで全体をなじませたら、3のバットに流し入れて、ごぼうが全体にまんべんなく広がるようにお箸でととのえる。
   
8. 180℃に予熱したオーブンで20分ほど（焼きムラが出てきたら途中で天板をひっくり返す）こんがりとおいしそうな焼き色がついたら、できあがり。
   完全に冷めてしまうとキャラメルが固まって切りにくくなるので、焼き上がって20分ほど経ってまだ温かい内にバットから取り出し、包丁でカットする。
   

フロランタンは、お店によってクッキー生地の厚みとキャラメル部分のバランスの違いがあります。私は生地の厚みがしっかりある方が好みなので、全体も少し分厚めです。
キャラメルが好きでクッキー生地はもう少し薄いのが良いという場合は、調整してももちろんOK。

キャラメルの焦がし具合もオーブンの火入れで変わるので、しっかり茶色の大人なキャラメル仕上げにしたいなら、オーブンでの最後の焼き色をよく見ながら時間の調整をしてくださいね。

淡い色味の優しい甘めキャラメルに仕上げたい場合も同様に、好みでオーブンから出すタイミングを決めてください。 みんな大好きなキャラメル味のお菓子、プレゼントにお茶請けに…どうぞご活用くださいね。

そして……この歩粉の連載は、来月で最終回となります。
毎月お菓子についてのあれやこれやを考えていると、あっという間の3年間でした。
皆さんの作ったよという投稿写真を見ては、「わ〜おいしそう！」と嬉しい気持ちになり、励まされておりました。

レシピは「おいしいLEEレシピ」のアーカイブに残りますので、気に入ったものはまた何度でも作ってくださいね！

と言ってもまだ1回連載ありますので…
来月もお楽しみに〜です。

『「歩粉」磯谷仁美さんの、おうちで作れるやさしいお菓子』、最終回は12月1日に更新予定。お楽しみに！