シンプルで素朴ながら素材の風味をしっかり感じられるスイーツに定評がある、京都の大人気カフェ『歩粉（ほこ）』。“優（やさ）しい”味わいを、おうちでも再現できる“易（やさ）しい”レシピで、店主・磯谷仁美さんに提案していただきます！

Vol.

033

発酵いらずで簡単！「かぼちゃのクイックブレッド」

パンは食べるのは大好きだけど、作るとなったらイースト？　発酵？　どのくらい寝かせるの？　とハテナがいっぱいで、食べる専門！なんて私も思っていました。
でも、クイックブレッドならベーキングパウダーで膨らむから、寝かせ時間もナシ。あっという間にでき上がってくれます。

プレーン生地もよいのですが、今はちょうど、かぼちゃがおいしい季節。旬のかぼちゃでペーストを作って、黄色いまん丸にしたクイックブレッドは、なんて可愛いんでしょう！

材料（8個分）

＜クイックブレッド生地＞

• A
  •  強力粉 もしくは 薄力粉 200g
  • 全粒粉  50g
  • きび砂糖  10g
  • ベーキングパウダー  6g
  • 塩  2g
• プレーンヨーグルト 120g
• なたね油 20g
• 牛乳 20g（約20ml）
• アーモンド 40g

＜かぼちゃペースト(作りやすい分量）＞

• かぼちゃ 約1/4個（300～450g）
• バター（食塩不使用） 10g
• きび糖  20g
• 塩  1g

下準備

• オーブンを170℃に予熱する。
• アーモンドは、150℃のオーブンで15分ほどから焼きし、適当なサイズに刻んでおく。

作り方

1. かぼちゃペーストを作る。かぼちゃは、種とワタを取り除き、皮をところどころむき、一口大より大きめに切る。鍋にバターを入れて中火にかけ、溶けてきたらかぼちゃを入れて混ぜる。かぼちゃの半分が浸るくらいの水を注ぎ入れ、ふたをして約10分蒸し煮をする（こげつかないよう時々ふたを開けて確認し、水分が蒸発しそうなら水を少し足す）。
   
   かぼちゃが柔らかくなったら、きび糖、塩を加えて木ベラでつぶしながら、かたまりがやや残るペースト状まで煮る。できあがりは400gくらいで、そのうち約200gを使う。
   
2. クイックブレッド生地を作る。ボウルにAを入れ、手でぐるぐると混ぜる。ヨーグルトとなたね油を合わせたものを加えて、最初は指先で混ぜ、徐々に手のひら全体を使い粉に水分が行き渡るように混ぜていく。生地の伸びが悪くなってきたら、牛乳を２回くらいに分けて加え、さらに手で混ぜてこねるようにしてひとまとめにしていく。
   
3. １のかぼちゃペーストとアーモンドを加えて生地全体にまんべんなく散らばるよう混ぜる。ボウルの中でひとまとめにして、カードを使って放射線状に8等分にカットする。
   
4. 手に打ち粉（強力粉・分量外）をつけて丸める。オーブンシートを敷いた天板に並べて、170℃のオーブンで約30分焼く。
   

「パンは強力粉、お菓子は薄力粉」というイメージがありますが、このクイックブレッドに関して私はどちらの粉を使ってもよいと思っています。

おうちにある粉を優先して使うというのが、鮮度にもおいしさにもつながると思うので、まずはお持ちの粉で作ってみてください。

何度か作って粉の種類を変えてたりして、味わいの変化を感じるのも楽しいかもしれません。

かぼちゃペーストは、残っても、そのままパクリと食べてもおいしい！ サラダのトッピングにしてもいいし、バニラアイスに混ぜ込むとかぼちゃアイスに。あますことなく楽しんでくださいね。

焼いた後まだあたたかい頃が最高においしい、このクイックブレッド。

でも冷めてしまったとしても大丈夫！　オーブンで温め直すと、風味が焼きたてのように戻りますよ。

おすすめは、バターを多めにつけて、メープルシロップをたら～り。シロップもたっぷりかけると豊かな気分に。

あ～、思い出すだけでもお腹が減ってきました。初秋に毎日でも食べたくなりそうです。

『「歩粉」磯谷仁美さんの、おうちで作れるやさしいお菓子』は、毎月１回更新。
次回は10月1日に更新予定。お楽しみに！