【「すし飯」こそ最強説】ひなまつりも!「サケと卵の押しずし」と「お吸い物」レシピ/近藤幸子さん
-
近藤幸子
2021.02.05
ごはんがほんのり甘酸っぱいだけなのに、なぜだか心弾むごちそう感。
華やかなイベントにはもちろん、毎日のごはんにも、すし飯は大活躍。何しろうれしいのが、子どもの食いつき! さらには驚きのバリエーション。
献立に迷ったら「とりあえずすし飯」。最強ゆえに、すべての問題を解決です。
いつもの食材でここまでイベント感あり!
バットで作るサケと卵の押しずし
材料・約20×13×4㎝のバット1個分(3〜4人分)
基本のすし飯(下記参照)……2/3量
塩ザケの切り身……2枚
れんこん……50g
グリーンピース(さやから出した状態で)……50g
〈いり卵〉
卵……2個
砂糖……小さじ2
塩……ひとつまみ
サラダ油……小さじ1
作り方
- いり卵を作る。ボウルに卵を割りほぐし、砂糖、塩を加えて混ぜる。フライパンにサラダ油を中弱火で熱し、卵液を流し入れ、菜箸で大きく混ぜながら火を入れる。少しトロッとした状態で火を止め、そのまま混ぜ続け、余熱でそぼろ状にする。
- 予熱した魚焼きグリルにサケを入れ、強火で7分ほど焼く。火が通ったら取り出し、皮と骨を取り除き大きくほぐす。
- れんこんは皮をむき、5㎜厚さの半月切りにしてゆでる。2分ほどゆでたら取り出す。同じ湯にグリーンピースを加え、3分ほどゆでて取り出す。
- バットにラップを敷き込み、②、③を彩りのバランスよく、隙間なく敷き詰める。①をまんべんなくのせ、すし飯を全体にのせる。ぬらした手で表面が平らになるようにしっかりと押さえたら、平皿をかぶせ、上下を返すようにして取り出す。ラップを外し、食べやすい大きさに切って器に盛る。
出来上がりを想像しながら、全体にバランスよく具材を並べ入れる。いり卵を加えたら、高低差のないように表面をならす
材料・作りやすい分量
米……2合
昆布……5㎝角1枚
〈合わせ酢〉
米酢……大さじ4
砂糖……大さじ2
塩……小さじ1
1.うま味ある昆布と一緒に
米を研いで、炊飯器の内釜または鍋に入れる。水を2合分注ぎ、昆布をのせて40分おいてから普通に炊く
2.合わせ酢はよく混ぜる
ごはんに入れたときに味にムラがないように、合わせ酢はしっかり混ぜ合わせ、均一にしておく
3.熱いうちに回し入れる
炊き上がったら、熱いうちに合わせ酢を内釜や鍋に直接投入。しゃもじに当てながら、全体に回し入れる
4.大きくさっと混ぜる
底から返し、米粒をつぶさないよう切るように混ぜる。おうちでは、うちわであおいで冷まさなくてもOK
5.蒸らしながら冷ます
乾燥しないように、ぬれぶきんをかけて蒸らしながら冷ます。蒸らすことですし飯がふっくらする
豆苗とにんじんのお吸い物
材料・3~4人分
豆苗……1袋
にんじん……1/2本
和風だし……4カップ
しょうゆ……大さじ1
塩……小さじ1/2
作り方
- 豆苗は根元を切り落とし、長さを半分に切る。にんじんはスライサーなどで千切りにする。
- 鍋にだしを沸かし、①を入れる。再び沸いたら、しょうゆと塩を加え、火を止める。
教えてくれたのは
近藤幸子さん
手軽な素材と手順で作る、家族が喜ぶ華やかなレシピで人気。近著に『調味料ひとつでラクうまごはん』(PHP研究所)。夫、中学1年生と小学1年生の娘たちとの4人暮らし。
肉も魚も大人も子どもも! すし飯なら、みんな大満足
家族が喜ぶイベントごはんといえば、おすし! 今回は、バットで作るサケと卵の押しずしをご紹介。もちろん、これだけでは“最強”は名乗れません。
「すし飯は、ふだんのごはんにも実力を発揮。子どもの食いつきがいいんです。酢の効果で魚や肉のくさみも気にならず、さっぱりした味わいになるから食の細い子もいつの間にかペロリのはず。
ごはんに合うおかずは、どれもすし飯とも好相性だからバリエーションは無限。それどころか、『ごはんに直接?』と躊躇するトマトやきゅうりも、すし飯なら問題なし」
多めに作った筑前煮や、少し残ったハムやたくあんを混ぜる。すし飯をチャーハンにするなど変化球も飛び出しますが、それも新鮮なおいしさ! ただの白ごはんではこうはいかないという、すし飯ゆえのポテンシャルを実感。
「すし飯作りは、うちわも飯台も使わずお手軽に。これからは、“とりあえず、すし飯”です!」
1.映えもばっちり。華やかイベントごはんにぴったり
絵を描くように作る押しずし、にぎやかなオープンいなり、ケーキみたいな洋風ずしなど、華やかメニューはすし飯の得意とするところ!
「しかも、見た目の豪華さに比べて作り方はいたって簡単。たっぷり作って、家族みんなでわいわい味わえるのもいいですよね」
2.冷めてももっちり。お留守番ごはんにおすすめ
冷めて味がなじんだ頃がおいしいすし飯だから、お留守番ごはんにうってつけ。冷めてもパサつかない理由は、すし飯に入っている砂糖の効果。
「時間がたってもごはんがつややかで、しっとりおいしいのがすし飯のいいところ。お弁当にもぜひ活用してくださいね」
3.「魚・和」だけじゃない。「肉・洋」にも合います
すし飯に合うものといえば魚介類、中でも刺し身と思いがち。でも実は、肉おかずとも相性ばっちり。ほどよい酸味が、肉のこってり感をさっぱり仕上げてくれるのです。
「ライスサラダ感覚で、ハムやきゅうり、ミックスビーンズなどを混ぜた洋風ずしもおいしいですよ」
4.思いがけないアレンジ。チャーハンにすると美味
すし飯でチャーハン!? 一瞬、想像できないけれど、ぜひお試しを。甘酸っぱさが絶妙で、今までにないそのさわやかなおいしさがきっとやみつきになるはず!
ベースのごはんの味がしっかり決まっているから、具も味つけもシンプルでOK。失敗知らずのチャーハンに
詳しい内容は2021年LEE3月号(2/5発売)に掲載中です。
撮影/宮濱祐美子 スタイリスト/朴 玲愛 取材・原文/福山雅美
近藤幸子 Sachiko Kondo
料理研究家・管理栄養士
6歳違いの二人の娘の母で、家事や育児に忙しい日々から生み出される工夫の詰まったレシピが大人気。著書に『がんばりすぎないごはん』『丸めないハンバーグ、包まないシュウマイ。』『味が決まる!レシピがいらない中火で8分蒸し』など。