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子どもを守る「防災・防犯」家の中の防災・通学路の安全・防災グッズほか

【プロに聞く子どもの防犯対策】子供を守る。子どもに教えたい4つのこと

  • LEE編集部

2022.05.22 更新日:2022.07.01

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交通事故、連れ去り、SNSでの被害など、子どもがかかわるニュースを耳にすることが多い昨今。
小学生の子どもの防犯対策に不安を持つLEE100人隊の3人が、専門家に直撃!
子どものひとり行動でも安心できるために、親がすべきこととは?親子でチェックしたい出かける前の防犯リストも!

この記事は2022年3月7日発売LEE4月号の再掲載です。


LEE100人隊がプロに相談
子どもの防犯のため、親ができることは?

教えてくれたのは・・・ セコムIS研究所 舟生岳夫さん

セコムIS研究所 舟生岳夫さん

子どもを犯罪から守るための調査、研究を専門に行う。著書に『子どもの防犯マニュアル』(日経BP社)など。
『子どもの防犯マニュアル』(日経BP社)

『安心子育て応援サイト 子どもの安全ブログ』(https://www.secom.co.jp/kodomo/)も更新中。

わたしたちココが心配!
LEE100人隊ママの「わが子の防犯、どうすればいい?」

GPSをつけるだけで防犯対策は大丈夫?通話できないと不安も

LEE100人隊TB 季絵さん

LEE100人隊TB 季絵さん
7歳の女の子、3歳の男の子の母。小1の娘にGPSを持たせているけれど、いざというときに連絡が取れず。今後は携帯電話も必要?

年齢が上がり、留守番やひとりでの行動が増えて心配…

LEE100人隊TB かおりんさん

LEE100人隊TB かおりんさん
11歳の男の子、8歳の女の子の母。子どもが大きくなり、ひとりでの行動が増えて心配。安心して送り出すにはどうすれば?

交通事故を目撃!娘は登下校に慣れて注意を聞かないことも

LEE100人隊No.086 マナさん

LEE100人隊No.086 マナさん
8歳の女の子の母。小2になり、ひとりでの行動が増え、注意を聞かないことも。事故を目撃したことがあり娘が巻き込まれないかと不安。

なぜ危ないと思う?子どもに考えさせてルール作りも親子で

季絵 子どもだけで出歩くことはまだないのですが、小1の娘が友達同士で公園に行きたいなどと言いだしたら心配。

マナ 小2の娘は、通学にも慣れて、大丈夫!という思いが強く、危ない歩き方を注意しても聞かないことも。

かおりん 息子はもう小5なので、デパートなどでひとりでトイレに行くのですが、連れ込まれたりいたずらをされたりといった話も聞くので怖いなと。子どもの単独行動でも、親が安心できる方法はありますか?

舟生 よく「何歳から留守番させていいですか?」「いつからひとりで習い事に行けますか?」といった質問を受けるのですが、家庭やその子どもによっても異なるので、正解はないんです。
子どもの安全を守るには、普段からよく子どもと話をして、その子を知ること。例えば、テレビのニュースを見ながら「学校で同じようなことはない?」と聞くと「そういえばクラスの子が通学路で知らない人に声をかけられて……」なんて話しだすことも。
それについて、子ども自身がどう思うか、同じ状況になったらどうする?と考えを聞いてみましょう。

マナ 私は、子どもと一緒に、間近で交通事故を目撃したことがあって。車の部品が目の前に飛んできたりと、とてもリアルで衝撃でした。

舟生 それは大変でしたね……。でも子どもと話すきっかけになりますよ。なぜ事故が起きてしまったか、自分が巻き込まれなかった理由など、子どもにいろいろと問いかけてみて。

マナ 注意ではなく、話し合うことが大切なんですね。

舟生 親の一方的な注意は、子どもは聞いていないことが多い。また、頭ごなしに怒ると、怖いことが起きたり危険な目にあっても、また怒られるから、と話してくれない可能性も。

かおりん わが家は、私の留守中に子どもが宅配便に出てしまうんです。居留守でいいと伝えても、子どもは自分でできるから、と受け取りたいみたいで親の言うことを聞かず……。

舟生 こういったケースごとに家庭でのルール作りは必要ですね。ここでも親から押しつけるのではなく「なぜ危ないと思う?」「どうしたらいい?」と子どもに問いかけて、親子で一緒にルールを決めること。
子どもは自分で決めたルールなら守りますよ。しっかり考えることで子どもの防犯センスが磨かれて、もしものときにも自分で対応ができるようになるんです。



スマホに頼らず代替案を。近所に見守りを増やす

季絵 娘はランドセルにGPSをつけていて、何かあったときにボタンを押すと親に連絡だけができるんです。一度連絡があり慌てて駆けつけたら、一緒に下校していた友達が腹痛で動けなくなったと。携帯電話のようにやりとりができないと不便に感じました。

かおりん うちはGPSも携帯も持たせてないのですが、習い事の帰りが遅く迎えに行ったら、すれ違ったようで会えず、帰宅できているのかヒヤヒヤしたことが。防犯のために携帯電話は持たせるべきでしょうか?

舟生 特にスマートフォンはトラブルに巻き込まれることも多いので、そこまで急ぐ必要もないかなと。
例えば季絵さんのケースなら、親が駆けつけられないときは、近くのお店の人に助けを求めるなど、代替案もあるはず。
「子ども110番の家」のステッカーが貼ってある家やお店は、困っている子どもがいたら保護をすることになっているので、親に連絡したり、電話を貸したりしてくれるはず。それを子どもに教えておく手もあると思います。

マナ 今はコロナ禍で学校の友達との家の行き来も少ないし、いざというときに頼れる場所があるのは安心です。

舟生 地域のイベントなどがあれば参加して、身近に子どもを見守ってくれる人を増やすのは親ができる防犯ですね。
いろいろと代案を考えたうえで、やっぱり親との連絡などにアプリを使うのでスマホが必要だと判断したら、フィルタリングはマスト。インターネットへのアクセス制限などもして、子どもの成長とともに、少しずつできることを増やすのが鉄則です。

防犯のプロに聞く!
親にできること&子どもに最低限教えるべきことは?

教えてくれたのは・・・ ステップ総合研究所 清永奈穂さん

ステップ総合研究所 清永奈穂さん

犯罪、災害、事故などから命を守るための研究に取り組み、各自治体や学校などで体験型安全教室を行う。
新刊に、安全教育の絵本『あぶないときは いやです、だめです、いきません 子どもの身をまもるための本』(岩崎書店)。
公式サイト:https://www.ri-step.co.jp/

『あぶないときは いやです、だめです、いきません 子どもの身をまもるための本』(岩崎書店)

防犯について話すときは、子どもへの愛情も伝えると信頼感に

子どもへの愛情も伝えると信頼感に

子どもに防犯について話す際、ついきつく叱ってしまったり、脅すような口調になってしまったりしがち……。しっかり子どもに伝えるためのコツはありますか?

「怖い話をして現実を伝えることも必要ですが、『あなたのことが大好きで、大事だからこそ、この話を聞いてほしい』と必ず一緒に伝えて。親との信頼関係や愛情が、自分の身を守る強さにつながります。
そのうえで、年齢に応じて不審者メールが来れば内容を伝えたり、具体的な情報を。いざ犯罪被害にあってしまったときも、親に愛されているという自己肯定感で、あきらめずに方法を探り、逃げ切ることができたという実例もあります」(ステップ総合研究所 清永奈穂さん)

親子の防犯チェック01
防犯は、予兆をつかむ情報戦!

防犯は、予兆をつかむ情報戦!

事件の前には予兆が。「6・3・2のサイン」という法則があり、不審者情報メールなどであやしいことが半年に6回→1カ月に3回→1週間に2回と増えたら警戒を。
最近ではコロナ禍の影響で、月3回→週2回→1日1回とスパンが短い傾向も。

親子の防犯チェック02
〝あやしい人〞の特徴は「はちみつじまん®」

どんな人に気をつければいいのかわからない子どもへのヒントとして教える合言葉。〝危ない人〞になる前段階の人の特徴がまとまっています。

なしかけてくる人
かづいてくる人
つめてくる人
いてくる人
っとってる人
?と注意

※(株)ステップ総合研究所作成

親子の防犯チェック03
出かける前に確認! 身を守るためのチェックリスト

怖いことがあったときに、かみつくことができるかな?

新1年生や新たにひとりでの登下校、留守番をする場合などに確認したい防犯チェックリスト。
玄関などに貼り、子どもと一緒に確認するだけで防犯意識が高く。

  • おうちから小学校までの通学路を寄り道しないで行って帰ってこれるかな?
  • 20mくらい前を見て歩けるかな?
  • 「お菓子をあげるからいっしょに行こう」と言われても、きっぱり「行きません!」 と言えるかな?
  • 助けてほしいときに大きな声で「助けて!」と叫べるかな?
  • 腕をつかまれたときに、腕をブンブンして離れられるかな?
  • 「助けて!」と叫ぶときに、手も振りながら叫べるかな?
  • 腕をつかまれたりしても防犯ブザーを鳴らせるかな?
  • お尻をついて、相手のすねに向かって足をジタバタすることができるかな?
  • 怖いことがあったときに、かみつくことができるかな?
  • リュックやランドセルをしょったまま、20mの長さを走ることができるかな?
  • 通学路でこまったときに助けてもらえるところを知っているかな?
  • 嫌なことがあったときにおうちの人にお話しできるかな?

※(株)ステップ総合研究所作成

親子の防犯チェック04
親子で安全教室に参加する手も

実際に危ない人に追いかけられたり、つかまれたらどうすればいいかを体験できる安全教室。自治体や学校主催のほか、清永さんが理事を務める体験型安全教育支援機構が教室を開催するときはSNSなどで告知。
https://www.facebook.com/anzentaiken/


撮影/伊藤奈穂実 イラストレーション/近藤圭恵 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
この記事は2022年3月7日発売LEE4月号『子どもを守る「防災・防犯」、これだけは!』の再掲載です。

おしゃれも暮らしも自分らしく!

LEE編集部 LEE Editors

1983年の創刊以来、「心地よいおしゃれと暮らし」を提案してきたLEE。
仕事や子育て、家事に慌ただしい日々でも、LEEを手に取れば“好き”と“共感”が詰まっていて、一日の終わりにホッとできる。
そんな存在でありたいと思っています。
ファッション、ビューティ、インテリア、料理、そして読者の本音や時代を切り取る読み物……。
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