コロナ禍となり、約2年が経ちました。
さらに我が家の場合、その期間ずっと海外転勤への同行が延期中…夫は先に赴任先のブラジルへ渡航、私と子ども達はいつ行けるかわからないまま日本に残り、家族離れ離れの状態でワンオペ子育てを続けています。
そんなまさに「先が見えない」状況下で毎日をわりと前向きに過ごすことができている理由のひとつに、数年以上続けているふたつの習い事があります。
今回は、忙しいからこそ、落ち着かない中だからこそ必要なのではないかと確信するようになった「自分のための学びの時間」の大切さについて、私自身の心身の変化を交えながらお伝えしていきたいと思います!
ピラティスで、月2~3回通っていた「整体」が不要に
ひとつめの習い事は、週1回通っているピラティスクラスです。
「筋膜リリース」に加え「中医学」という中国の伝統医学の知識なども活かされたレッスンについては、以前LEEでも取材させていただきました。
もともと体を動かすことは好きな方でしたが、このクラスに通うようになり大きく変化したのが、仕事柄もあり常に感じていた肩こりや腰の悩みがなくなり、それまでは月2~3回通わずにはいられなかった整体に行かなくなったことです。
全く凝らなくなったというよりは、日々の中でどうしても発生する滞りを、その都度解消できるようになったと感じています。
無意識の体のクセを自覚、自分でもケアできるように
特に、テニスやラクロスのボール、ヨガブロックなど気軽に手に入れられる道具を使い、体の筋膜をほぐしていく筋膜リリースは、私の日常の中で欠かせない習慣となっています。
横になってボールなどを体に当てていくだけなので、コツさえわかれば自分でも簡単にでき、自宅でも隙間時間にほぐすように。体が楽になったことはもちろん、自分の体の状態や滞っている部分を意識し、自分で改善しようとすることが増えました。
そうやって続けてきた中、長らく悩んでいた右足の付け根の痛みが、実は自分でも意識できていなかった姿勢の歪みから起こっていると気づく機会がありました。
先生に探り当てていただいた筋肉をほぐすことで、レッスンの前後で体の歪みが目に見えて劇的に変化したことにも驚き、そこから日常の姿勢をさらに気を付けるようになりました。
あくまで私の場合のケースではあるのですが、適切な指導のもとで体の状態に意識を向けることを重ねていくと、自分で自分の体に変化を起こすことができるという実体験は、とても印象的な出来事でした。
「体と心が繋がっている」は、真実!
そしてもう一つ続けているのが書道です。
もともと小学生の頃に習い始め大学までほそぼそと続けており、数年前に縁あって再開、今は7歳娘と一緒に通っています。
書道は毎回、書と向き合う気持ちや書いた文字に、不思議なほどその日の自分の状態が出るなぁと実感します。
最近心に響いたのが、先生の何気ない一言でした。
「『書』は空間が大切。もちろん線のバランスも重要ですが、空間や余白を意識すると美しい文字が書けますよ」
何事においても「余白が大切」という話はよく言われることだと思います。
でもその日改めて「自分がどんな余白や線を心地良いと感じるか。書を通じてそれを探ることが楽しいんだな」と実感し、自分の感覚に目を向ける余裕を持つことの重要さが、改めて心に沁み入ったように感じました。
例えば少し落ち込んでいる時も、書くことを通じてそんな弱い自分と向き合うことのできる書道。お稽古が終わる頃には心が落ち着き、不思議と体にも力が湧き、一歩踏み出したくなるような元気をこれまで何度もいただいてきました。
そしてピラティスも、「レッスンの間だけは日々の忙しさを離れてご自身と向き合い、調子の良い日も悪い日もそのままの自分を受け入れて」という先生が伝えてくださるメッセージによって、体だけでなく心まで整える時間となっています。
在宅ワークやオンライン化でチャンスは増?!
仕事に子育てにただでさえ忙しく、お子さんの習い事だけでも精一杯…という方も多いと思います。
ただ世の中が変化し、良くも悪くも在宅ワークや、オンラインでの学びの機会が増えたことは事実。
もちろんライフスタイルによるとは思いますが、工夫次第でちょっとした時間を捻出しやすくなり、さらに住む場所や時間に縛られず、学ぼうと思えば世界中どこからでも様々な機会に触れられるようになりました。
私はこの2年の間、コロナ禍で今後の生き方について悩んだことなどもきっかけとなり、仕事に関わる勉強やコーチングの機会なども定期的に作ってきました。
その全てがオンラインで受講できたことも、慌ただしい日々の中でなんとか続けられた大きな理由だったと思います。
自分主体で楽しむことができるコミュニティの大切さ
また、「自分が学びたいもの」の元に集まる方々は同じことに心惹かれる方が多く、学びを通じて新たな繋がりが生まれることもメリットではないでしょうか。
自分の仕事や地域、子どもの繋がりなどもとても大切ですが、それ以外の完全に自分主体の関係が作れることは、大人になった今だからこそ貴重。
同じことが好きだったり、近しい目標を共有できたりすることは良い刺激となり、自分が目指したい姿に向かって自分を整える場にもなると実感しています。
全てにおいてキモとなるのは「自分軸」では
先が見えず不安が多い時代を生きて行く上で、「自分の軸」を持つことが本当に大切だと改めて感じることが増えました。
特にこの数年は「海外に行くかどうか」という選択を何度も迫られ、決断したのに延期ということも一度や二度ではなく、「正解がない中で、自分たちで考え、決め、それをベストな答えにしていくしかない」と痛感してきました。
我が家の場合は海外転勤ですが、自分の生き方や働き方から子育てに至るまで、同じように「正解がない時代」だと感じている方は少なくないのではないかと思います。
ピラティスも書道も、始めた頃はここまで自分の支えになるとは思っていませんでしたが、学びを続ける中で「自分に必要な答えは、実は自分の中にある」と実感するようになり、だからこそ、自分の心身をなるべく良い状態に保っておくことが大事だと考えるようになりました。
落ち着かないことも多かったこの数年を通して、何かを学ぶことは、自分と向き合うことに繋がる。そして自分の軸を持ち、それを定期的に整えることになると確信するようになりました。
だからこそ、毎日慌ただしく過ぎていくと感じる方や、漠然とした不安や焦りのある方こそオススメしたい「自分のための習い事」。
早くも1か月経ってしまった2022年、まだまだ寒さは続きますがそろそろ立春を迎えます。
立春を過ぎれば暦の上では春。
草木が芽吹いていくように、気持ちも外へ向き、拡がり、新しいことを始めたくなる季節と言われています。
この春是非、気になっていた習い事や学びを始めてみてはいかがでしょうか?
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佐々木はる菜 Halna Sasaki
ライター
1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。