動くのはキライ、でも肩こりは治したい……そんなズボラさんにもピッタリ!「頑張らないことが大事」な、究極のラクちんエクササイズです。
よじれて癒着した筋膜を"はがす"イメージで
肩と背中をほぐそう
教えてくれたのは……
姿勢改善トレーナー たんだあつこさん
肩甲骨の重要性に着目し、ヨガや身体調整法、自力整体などを取り入れたあくび体操を考案。著書に『たった10秒で効く!寝たまま肩甲骨はがし』(主婦の友社)などがある。
「私たちの体にあるすべての筋肉は、筋膜という薄い膜で包まれています。
悪い姿勢やまちがった体の使い方をしていると、筋膜がねじれたり縮んだりして筋肉を変に引っ張ったり、動きを制限してしまいます。
中でも肩甲骨は姿勢の悪さや体の使い方のクセによる影響を受けやすい場所。筋膜が固くなって肩まわりや背中の柔軟な動きをさまたげていることが、肩こりの要因です。
肩がこっている人は、たいてい背骨の柔軟性もなく、ガチガチ。肩甲骨を含めた背中全体をやわらかくするつもりで、深い呼吸で脱力しながら、決して無理のない範囲で"頑張らない"ことが大事です。赤ちゃんのようなやわらかい体を目指しましょう」
肩甲骨の周りには34もの筋肉が集中!
肩甲骨の周りには34もの筋肉が集中し、首や背中のみならず全身の筋肉と連動。
肩甲骨の筋膜をしなやかに整え、左右のバランスがとれた状態になれば、自然といい姿勢がとれるように。肩の可動域も広がって肩こりが解消!
肩甲骨はがしを行うときのPoint!
Point.01 ゆっくり鼻呼吸
自律神経をコントロールしてリラックスするには呼吸が大事。エクササイズ中は鼻から吸って鼻(口でもOK)からゆ~っくり吐き出すことを意識して。深い呼吸を繰り返すうちに心身がゆるみ、筋肉のこわばりも解消。
Point.02 気持ちのいい範囲で行う
肩甲骨のこり具合や痛みの度合い、体の硬さは人それぞれ。自分でやってみて気持ちがいいと感じられる範囲で行いましょう。無理をして体に力が入ると、効果が出にくいことも。
Point.03 ある程度硬さのある場所で
ベッドの上などで体が沈み込んでしまうと、伸ばしたい部分がしっかり伸ばせない場合も。床の上でバスタオルを敷くなど、ある程度の硬さがある場所で行うのがベストです。
Point.04 タオルで圧をかけると効果的
こり部分を自覚し、また効果的にほぐすためにはタオルがお役立ち。フェイスタオルを折ったり丸めたりして、気になる部分に入れて痛くない範囲で圧をかけながら行っても◎。
Point.05 食後は避ける
寝たまま肩甲骨はがしを行うと、全身の血流がUP。そのため、消化不良を避けるために、胃に血液が集まる食後はやらないほうが無難。また、発熱しているときもNG。
Let’s start!
毎日やりたい基本の肩甲骨はがし
ダンゴムシのように体を丸めてゴロゴロ。床に当たっている背中や腰まわりの筋肉が自分の体重による圧でほぐれていくのを感じて。
①仰向けに寝て、背中と頭を床にしっかりつける。ひざを胸に引き寄せて両手でかかえる。両ひざの間はこぶしふたつ分あけるとラク。
②体全体でゆっくり左側に転がる。このとき、首だけ上を向いたままで行うとより背中がほぐれるが、ツライ人は首の向きを転がる向きに合わせてOK。③同様に、右側にも転がる。首・肩の力を抜いて脱力し、気持ちのいい回数だけ行う。
肩のサビつきを取る
肩を外に大きく開いて、ちぢこまっていた胸を解放すればガチガチの肩甲骨もフリーに!自分の腕の重みを利用します。①横向きに寝て、両脚はそろえてひざを少し曲げる。上側の腕を体の後ろにまっすぐ伸ばす。胸が広がり、肩甲骨がギュッと寄るのを感じて。②後ろに伸ばした腕を、つけ根から左右に回す。ひじの先だけを回すのではなく、つけ根から回すことを意識して。反対側も同じように行う。
肩甲骨のこわばりをほぐす
背中から首にかけての広い範囲を床に押しつけて自分の体の重みを使ってマッサージするイメージで。肩こりポイントにタオルを押し当ててほぐし効果UP!①床に仰向けに寝てひざを立てる。フェイスタオルを筒状に丸め、肩甲骨に対して横向きにして背中と床の間に入れる。両腕はひじを持つようにして体の前で組む。②腕を組んだまま、左右に体ごと転がる。タオルが肩甲骨のくぼみを押して、肩甲骨まわりをほぐしてくれる。やりながらタオルの位置を調整して、自分の気持ちいい場所を探して。
背中全体をほぐす
腰を床から浮かせることで、背中にかかる圧が強まり背中全体を効率よくほぐせる!腰は高く上げすぎると首に負担がかかるので、少し浮かせる程度でOK。①仰向けに寝てひざを立てる。両ひざの間はこぶしふたつ分あけ、後頭部がきちんと床についているのを確認する。両腕はひじを持つようにして体の前で組む。②腕を組んだまま、腰を持ち上げる。背中の上全体に圧がかかって気持ちいいことを感じて。腰が痛い人は持ち上げなくてOK。③腰を持ち上げたまま、組んだ腕を左右に揺らす。
肩の可動域を広げる
こり固まった肩甲骨と肩関節をほぐすエクササイズ。寝たまま行うことで、体に余計な力が入らず肩まわりを効果的にゆるめることができます。①横向きに寝て、両ひざは軽く曲げる。上側の腕は曲げて、軽く肩先の服をつまむ。肩ごとしっかりつかむと回しにくいので、服をつまむ程度でOK。②ひじの先でできるだけ大きな円を描くように、前後にぐるぐる肩を回す。反対側も同様に。
次回は、「肩こり解消のGOODS&TOPICS」をご紹介。
詳しい内容は2020年LEE5月号に掲載中です。
イラストレーション/沼本光太郎 ヘア&メイク/杉山えみ スタイリスト/高橋美帆 モデル/山口友香(LEEキャラクター) 取材・文/遊佐信子
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