伊藤まさこさん、テーブルのコーディネート、どうしたらいい?
スタイリストの枠におさまらず、多岐にわたる活躍をされている伊藤まさこさんは、「テーブルのコーディネート、どうしたらいい?」そう尋ねられることがよくあるそう。
「私は『服のコーディネートを考えるのと同じでいいと思いますよ』、そう答えています。
例えばメインの器を決めたらそれに合う小物を加えていく。
素材や色合い、質感、決めるところは決めて、軽やかにするところは軽やかに、という具合に。
ちょっと迷ったら全身鏡を見るような気持ちになって離れたところからテーブルの上を客観的な目で見ることも大切。
写真を撮ってみるのもいいかもしれません。
いつも心がけているのは、『主役は料理』ということ。
器は料理をおいしそうに見せるための引き立て役。
目立ちすぎず、さりげなく。
このさじ加減がなかなか難しいのですけれどね」(by 伊藤まさこさん)
そこで、連載2回目では、伊藤まさこさんがシーンごとにテーブルコーディネートをレクチャーします!
みんなで囲む洋のテーブル
Masako’s table rules
Point 1 白をベースに、時々柄が基本。+茶色のグラデーションなら料理がおいしそうに見える
Point 2 オーブン料理など、大きな器を真ん中にどん!と置いてバランス軸に
大きな耐熱皿や鍋をテーブルの中心に。そこからコーディネートを組み立てます
まずメインディッシュは「何を食べたいか?」から決定。
そしてバランスを見ながら、取り皿、サイドディッシュの器などを決めていきます。
今回は、わが家のテーブルの木の色と相性がよく、料理がおいしそうに見える茶色をベースに。
絵柄のプレートがほどよいアクセントになってくれます。
メインは、なすがたっぷり入った羊肉のムサカ。
坂田阿希子さんらとの共著『テリーヌブック』のレシピにオリーブとゆで卵をのせてアレンジしたもので、お客様がいらしたときに作ることが多いそう。
「パリの市で、確か10ユーロくらいで買った」という耐熱の器にたっぷりと作って。
同じく茶色だけど色みや形の違う耐熱皿には、ソテーしたマッシュルーム入りのクスクスと、ゆでた芽キャベツのサイドディッシュを。
トッピングのトマトのオリーブオイルマリネや香菜は、辻和美さんのガラスの器に入れて、こっくりしたトーンのテーブルに軽やかさを加えます。
絵柄のプレートは、同じくパリの市で出会ったもので、やや大きめのサイズが取り皿にぴったり。
「繊細な柄で、ほどよく食卓が華やかに。意外にもいろんな料理を受け止めてくれるんです」
お皿や鍋に合わせて選ぶ鍋敷きをかわいいアクセントに
今回の食卓では、オーブン料理の下にカッティングボードを敷き、木の風合いで立体感をプラス。
一方、鍋料理がメインのときに欠かせないのが、鍋敷き。
テーブルの雰囲気に合わせて選べるよう、いろいろな素材やデザインを揃えています。
お鍋の出来上がりを待つ間、置いているだけでもチャーミングなものばかり。
いつものごはんで和の食卓
Masako’s table rules
Point 1 特別感が出るうえに、器の配置も決まりやすいから、お盆で仕切る
Point 2 いろんな形や色柄の豆皿を並べて目に楽しい変化をつける
普段の食事にも、お盆や折敷を。小さな和食器を組み合わせて楽しみます
娘と二人のときなど普段の和食にこそ、お盆や折敷を。
特別感が出てうれしいし、器も並べやすくなります。
ちょこちょことしたおかずを小皿で添えて、楽しい雰囲気に。
朝食に登場することの多いお粥には、卵黄のしょうゆ漬けなど、豆皿で小さなおかずを合わせます。
「鉄製のトレイは、内田鋼一さん定番の鉄錆膳の、脚なしをオーダーしたもの。
和のお皿は小ぶりなものが多いので、古いもの、新しいもの、作家のもの、質感や色合いなどいろいろ取り混ぜて」。
お椀は佃眞吾さんの漆器。
"つい買っちゃう"という豆皿たち
伊藤さんの豆皿コレクションを拝見! 出自はさまざまながら、どの組み合わせも調和する。
「収納している古い引き出しは、浅さが豆皿の整理にぴったり」
娘のお友達が集まる日はビュッフェスタイルで
Masako’s table rules
Point 1 気兼ねがいらず、すっきりスタッキングできる業務用の白の耐熱皿の出番
Point 2 存在感のある鍋をそのままサーブ。テーブルの奥に高さも出せる
お鍋と白の取り皿をデリ風に並べて「お好きにどうぞ」
娘の友達がたくさん来るときは、こんなテーブルを用意。
「ビュッフェみたい!」と盛り上がってくれます。
業務用の白い大皿に取り分けてもらうスタイルなら、お互い気兼ねなし。
色のお鍋やかわいいペーパーナプキンを添えて、より子どもが喜ぶテーブルに。
お気に入りのペーストで作るビーフカレーが主役のカジュアルなパーティメニュー。
カレーは、玉ねぎを「信じられないほどたくさん」のバターでじっくり炒める下ごしらえが伊藤さん流。
マスタードで大人っぽく味つけしたポテトサラダやピクルスなど、ワンプレートに取り分けてもらいやすいメニューにして、手をかけすぎずホストも楽しむのが信条だそう。
取り分け皿は「素っ気なさすぎるくらいのデザインが好き」という業務用の耐熱皿に。
「たくさん重ねてもすっきりしているうえに、並べるだけでごちそうに見えるところがいいなと思っています。
リムなしのプレートも角皿も、合羽橋で購入。
仕事で使うものを調達しに行くついでに、よいものがないかなとキョロキョロ。
目を光らせるのは外国だけではないのです」。
カレーのお鍋は、色と楕円の形が気に入ってフィンランドで買ったもの。
2つの鍋のほか、福岡のTRAMで手に入れた北欧のガラスピッチャーやピクルスの瓶など、高さのある器を奥に。
立体感が出て、かつ取り分けやすいテーブルコーデに。
愛用鍋は、見た目もかわいいものばかり
「デザインが好きな鍋しか持っていないので、テーブルへの登場率が高いですね。
子どもたちを招くときは鮮やかな色の鍋。
ぽってりした黒の鍋は引き締め役に……など、シーンやテーブル上のバランスで選びます」。
上のカレー鍋と同時に手に入れたフィネルの赤い鍋(左上)など、重さをいとわず海外から持ち帰ってきたヴィンテージのものが多い。
LEEweb『伊藤まさこさんがシーンごとにレクチャー!「テーブルコーディネートのバランス術」』、いかがでしたか?
次回は、『伊藤まさこさんの「食いしん坊」ルーツはココ!横浜のご実家におじゃましました!』をお届けします。
詳しい内容はLEE3月号に掲載中です。
ぜひあわせてチェックしてみてくださいね!
撮影/広瀬貴子 取材・文/田中のり子
LIFEの新着記事
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。