正直すぎる発言、いらぬお節介……。日常のさまざまな場面で、思わず言葉に詰まってしまう瞬間ってありますよね? 付き合いが続く相手であるほど、気まずさを察知されないようにうまく切り返したいところ。自分の本音がより伝わりやすくなる"言い返し方"がわかれば、人間関係がよりスムーズになるはず!
そんな゛言い返し方”を、さまざまなタイプにわけて、話し方講師である西任暁子さんに教えてもらいました。帰省シーズンに緊急掲載です!
イラストレーション/熊野友紀子 取材・原文/野々山 幸
※この記事は2017年8/7発売LEE9月号『気まずくならない言い返し方』からの掲載全4回の第1回めです。
ムッとする会話例 その1 ママ友
子供の幼稚園の送迎時。子供が2〜3人いるママ友から
「2人目はどうするの?」「一人っ子はかわいそう。兄弟がいたほうがいいわよ〜」
などとしつこく言われ……。内心ムカッときます。
こんなときなんて言い返す?➡答えは最終ページで。
ムッとする会話例 その2 姑
姑に母の日のプレゼントでエプロンを持っていきました。
すると、私たちのプレゼントを開けもせずに「弟夫婦は旅行券をくれたのよ〜」と一言。
その失礼な態度に唖然……。
こんなときなんて言い返す?➡答えは最終ページで。
ムッとする会話例 その3 上司・同僚
上司の指示を元に作った資料を見せたら、ダメ出しをされたうえに「誰がこんなの考えたの?」。
自分の言ったことを完全に忘れていて、私がミスしたような言われっぷりに憤慨!
こんなときなんて言い返す?➡答えは最終ページで。
教えてくれたのは
西任暁子(にしとあきこ)さん
表面的に合わせるのではなく「受け取る」ことを意識
「コミュニケーションって学ぶ機会がないので、気まずい発言への対応の仕方はわかりにくいものです」と西任さん。中でも、ついやりがちなのが「同意・同調・同情」。
「この3つは、一見いいコミュニケーションだと思われがちですが、気をつけて使いたい表現です。例えば、ママ友から『今回の担任の先生、最悪よね』と言われたとき。自分も本当にそう思っていればいいのですが、違う考えにもかかわらず同意、同調をしてしまうと『◦◦さんも同じことを言ってたわよ』と広まってしまうことも。何より、思ってもいないのに悪口に乗ると『そういうつもりじゃなかったのに』と自分が傷つきます。同情は、同情する側が自分の過去の似た経験を思い出して話すことが多いため、自分の話になってしまいがち。同情される側は不満が残る結果になりやすいのです。同意・同調・同情は、角が立たないように、と思うほどついやってしまう対応なので、注意が必要です」
では、こちらが対応しにくい発言に、どのように返せばいいのでしょうか?
「相手の話、事実を『そうなんですね』とただただ受け取ることです。担任の先生の例だと『新しい先生をよく思ってないんだね』でOK。ママ友が『先生が最悪』だと思っているということは事実なので、まずはそれをしっかりと受け止めましょう。そのうえで、相手が聞き入れ
やすい、場の雰囲気がなごむようなうまい言い返しをプラスできると、気まずくなりにくいと思いますよ」
言いがちだけど
言わないほうがいい3大フレーズ
・同意「私もそう思います」
・同調「そうですよねぇ」
・同情「それはひどいですね」
「私も同じ考えだと意思表明する『同意』と相手に調子を合わせる『同調』は表面的なコミュニケーションになりがち。自分が本当にそう思っているのであれば問題ありませんが、考えが違えば嘘をつくことにもなるのでNG。同情は話し手である同情される側が不快な気持ちに」
とにかく相手が言ったことを「受け取る」のが大事
「まずは、相手の話した内容の事実を受け取ること。つい『いや、本当にそうかな』『でも、私はそう思わなくて』などと自分の意見を言いたくなる人も多いと思いますが、『いや・でも』を使うと『言いたいことが伝わっていない』と相手はさらに感情的になります。自分の意見は相手に聞かれてから話しましょう」
1ページ目のママ友、姑、上司・同僚との関係にありがちなムッとする会話例に、編集XとライターNが回答。西任さんに判定、アドバイスしていただきました。
ママ友 ムッとする会話例 その1
子供の幼稚園の送迎時。子供が2〜3人いるママ友から
「2人目はどうするの?」「一人っ子はかわいそう。兄弟がいたほうがいいわよ〜」
などとしつこく言われ……。内心ムカッときます。
気まずくなる例
●編集X回答
「お金かかるし、うちは厳しいかな〜」
●ライターN回答
「兄弟がいると楽しそうでいいよね」
N「私は早く切り上げたいので、適当に合わせました」
X「私も、あまり触れたくないテーマなので、本筋から話題を逸らしてしまおうとお金の話題に」
西任「あまり無愛想な言い方だとNGですが、内容的にはどちらも悪くはないんです。ただNさんは本心ではないし、Xさんは会話を断ち切っていますよね。このママ友はよかれと思って話しているし、恐らく自分の子供の話をしたいだけ。質問で返して、話を聞いてあげましょう」
N「なるほど! 質問返しなら自分のことを話さなくてもいいし、こういうデリケートな話題には特に使えますね」
正解例
「兄弟が多いとどんな感じ? 楽しい?」
姑 ムッとする会話例 その2
姑に母の日のプレゼントでエプロンを持っていきました。
すると、私たちのプレゼントを開けもせずに「弟夫婦は旅行券をくれたのよ〜」
と一言。その失礼な態度に唖然……。
気まずくなる例
●編集X回答
「弟さんは羽振りがいいな〜」
●ライターN回答
「うちは◯◯(高級デパート)で買ったエプロンなんですよ〜」
西任「どちらもちょっとイヤミな言い方ですねぇ。Xさんの回答は、かなり険があります」
X「イラッとしてしまってつい……」
西任「Nさんも、押しつけがましい受け答えはNG!」
N「せめて持ってきたプレゼントを見てほしくて……」
西任「その場合は『OFNR』で自分の本音、希望を伝えましょう。素直にお願いすれば聞き入れてもらえるはず。また、姑がこのように言うのはそもそも関係がよくないのかもしれないので、付き合い方を見直すことも必要です」
正解例
「お母さん、旅行がお好きなんですね。私たちのプレゼントもお母さんに喜んでもらえるものは何かなと思って一生懸命選んだので、よかったら開けてみてもらえませんか?」
上司・同僚 ムッとする会話例 その3
上司の指示を元に作った資料を見せたら、ダメ出しをされたうえに「誰がこんなの考えたの?」。
自分の言ったことを完全に忘れていて、私がミスしたような言われっぷりに憤慨!
気まずくなる例
●編集X回答
「◯◯さん(上司)に言われたとおりやりました」
●ライターN回答
「え〜誰でしょうね」
X「腹が立ってつい強い言い方に……」
N「私もイラッとしてとぼけてしまいました」
西任「どちらも言われた上司はムカッとくるでしょうね。折り合いが悪くなり、確実に仕事がしづらくなります!!」
X「では、一体どうすれば?」
西任「上司は『誰が考えた?』と言っていますが、本当はそれが知りたいのではなく、目の前の資料の出来が気に入らないわけです。犯人探しは必要ないので、資料をどうすればいいかを率直に聞いて、話を先に進めましょう!」
正解例
「この資料は思っていらっしゃるものと違っているんですね。どのように変更すればいいですか?」
次回からは、無神経な発言をする人のタイプ別対処法を解説。コツをつかめば、気まずくならずに自分の気持ちも晴れる、言い返し方が身につくはず!
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