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上紙夏花

うんち王子が大活躍!『うんち教室』で子どもが自分で健康管理できるようになる

  • 上紙夏花

2017.09.01

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排泄の大切さを学ぶための『うんち教室』って?

 

 

今年は『うんこ漢字ドリル』が大流行!『うんち教室』なんて聞いたら、小学生はゲラゲラ笑いそうですね。でも、伝えたいことは大真面目。「学校でトイレに行きたくなってもガマンしてしまう」「便秘で悩んでいる」「あまりにひどい便秘で不登校に」というような、排泄にまつわる問題を抱える生徒がいるのです。とても個人的なことなので、家族も気がつかなかったり、ましてや学校では相談しにくいですよね。

 

 

子どもたちに大人気の〝うんち王子〟としても知られている、NPO法人日本トイレ研究所 代表理事の加藤篤さん。「うんこ漢字ドリルが流行している今、子どもたちに学んでもらうチャンスかも!」と話します。

 

先日、全国の小学校教諭向けに行われた『うんち教室研修会』に参加してきました。『うんち教室』は子どもの健康や排泄教育をサポートするために、王子ネピアと日本トイレ研究所が共同企画しているカリキュラムです。これまで日本トイレ研究所代表の加藤篤さんが、小学校1年生~3年生を対象に〝うんち王子〟に扮して教えてきたそうですが、全国の先生方にもこの内容を知ってもらい、自分たちの学校の児童たちの健康を守ってもらいたいということから、このような研修会が年に1回に行われているとのこと。

 

 

 

 

どんな内容の教室なの?

 

この教室の目的は子どもに自分自身の身体、健康とうんちのつながりを学んでもらい、トイレ・排泄が大切なことであると認識してもらうこと。トイレ利用のマナーを教え、学校での排泄も決して恥ずかしいことではないと伝えます。そうすることで、健康で楽しい学校生活を送る手助けになればという取組みです。

 

 

具体的には『うんちの種類について』、『和式トイレの使い方』、『いいうんちをするために必要なこと』などを学びます。後半には、オガクズ粘土を使って、オリジナルのうんちえんぴつを作る工作コーナーも。実際の教室の写真を見ると、子どもたちはみんなニコニコして、お互いのうんちえんぴつを見せ合って、特徴を説明していました。ここまでくれば、もう恥ずかしいという気持ちは薄れていますよね!最後には『うんち日記』という冊子を配布して、毎日のうんちの観察日記をつける宿題を出すそうです。

 

 

「便秘は病気です。そして治療をすれば必ず治ります」

 

さいたま市立病院小児外科部長の中野美和子先生。先天性排便障害疾患の治療に長くたずさわり、3年前から排便外来を開設し、子どもの難治性便秘、便通異常、便失禁の治療も行っています。

 

さいたま市立病院の中野先生は「小学生の1/3が便秘だと感じているのに、相談していないんです。1,2年生はしたいときにガマンしないで出させないと、便秘が悪化して入院が必要になることもあります。だからこそ、学校のトイレのイメージをよくする必要があるんです。医師の中でも見解が分かれますが、便秘は病気です。そして、治療すれば必ず治るのです」と語ります。

 

どのくらい出ないと便秘なのでしょうか?中野先生が仰るには、学術的な基準は週に2回以下しか出ないとなると病気であるとのこと。子どもの便秘は大人と違って、便が直腸にたまり(大人はS状結腸)伸びて縮まなくなって、便意を感じにくくなって悪化することが多いそう。だから、ガマンさせてはいけないんですね。

 

 

子どもの頃にいい腸内フローラを作っておくと健康に過ごせる

日本では大腸がんを患う人が年々増えていて、排便異常が関係しているのではないかといわれているそうです。また、腸内細菌叢(腸内フローラ)が成人病と深いかかわりがあることもわかってきているのだとか。「いい腸内細菌叢を子どもの頃に作っておくことが大事。ためないで流れをよくしておきましょう」(中野先生)

 

成長するほどに治りにくくなる便秘。早く気がついて改善することが必要ですね。中野先生のところへ来られる患者さんの中には、お母さんが「トイレトレーニングの仕方が悪かったのかもしれない」と自分を責めるケースもあるそうです。でも、決してそのようなことはないそうですよ。みなさんも、ぜひ健康のために、子どもの排泄について見直してみてくださいね。

 

 

上紙夏花 Natsuka Uegami

ライター/ビューティープランナー

1977年、大阪府生まれ。吉本新喜劇の女優を経て、ライターに。現在は化粧品の商品開発やPRを手掛けるほか、ベビーマッサージ講師としても活動している。夫・息子9歳、3歳

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