お部屋作りの中で後回しになりがちなベッドルームですが、実は、とても長い時間を過ごす場所。"忙しくても健やかな人"ほど、睡眠を重視しています!
LEE8月号では、眠りにこだわる達人3人に、インテリアやグッズ、睡眠習慣をインタビュー。
第1回目は、LEE本誌をはじめ、雑誌、広告のインテリアスタイリングを中心に活躍するインテリアスタイリスト、石井佳苗さんのアイデアをお届けします。
File1 インテリアスタイリスト 石井佳苗さん
見るもの、触れるもの、すべて穏やかに
海の近くにある石井さん宅。風の音と、光が心地いい空間です。
「この辺りは車の音もしないし、街灯がないから、夜になると真っ暗で静か。朝は自然の光が入って、気持ちよく目覚められます。だから光を妨げすぎず、まぶしすぎず、自然と起きられるように、韓国のパッチワーク、ポジャギを寝室の内窓に吊るすことにしました」
石井さんのベッドは、通常のマットレスに「エアウィーヴ」のオーバーレイを重ねたもの。ほどよい硬さが心地よく、使い始めてから、ぐっと眠りが深まったそう。さらにパジャマやシーツなど、布ものは肌触りのいいリネンで統一。お風呂上がりや起きてすぐ素足で歩くことを考え、床にやわらかな杉の足場板を選ぶほど睡眠まわりの“感触”にこだわっています。
また、快眠のためには、目から入る情報を、すべてやわらかく整えるのも大切。睡眠時は照明を消すのが基本ですが、眠る寸前に突然真っ暗にするのではなく、リビングから1つずつ照明を落とし、自分を眠りの方向へと誘導します。
さらに、色合いもポイント。
「原色は、なるべく寝室に置かず、ぼんやりした明かりの中、ベージュやオフホワイトでふんわり視界を埋めます。本を読むうちに視界がぼやけ、最後の明かりをどうにか消す……くらいだと、一気に深い眠りがやってくるんです」
天井からベルを吊るしたり、壁にマクラメのタペストリーを掛けたりと、立体的な空間作りもさすがです。
1 寝室には、落ち着いた色だけ。目に刺激を与えず眠りをいざなう
眠る前に刺激的な色が目に入ると頭が冴えてしまうから、寝室には落ち着いた色彩のものだけ。白~ベージュ、木の色が基調です。枕カバーやシーツ類はイケアのもので、上にかけるスローを時々替えることでイメージチェンジしているそう。
2 内窓+薄布で日光をやわらげ目覚めも穏やか
寝室は、もともと和室だった場所。リノベで新たに内窓付きの壁を作り、圧迫感なくリビングと区切っている。植物と、透け感のあるポジャギをはさむことで、丸見えにならず、ゆるい仕切りに。夜、内窓から漏れるやわらかな明かりをリビング側から眺めることで、自然と眠る気分になれるそう。
3 一年中、パジャマはリネン。こなれた風合いで寝苦しさゼロ
10年以上着ている「カトリーヌ・メミ」のリネンのパジャマは、体にしなやかに寄り添い、体を締めつけない。DIYで作ったラダーを一時置きに。
4 機内用に生まれたアイテムは、疲れた夜でもリラックス効果大
「SHIGETA FLY with ME」のアロマオイル、スプレー、リップで好きな香りを身につけるのが、就寝前の習慣。その後、短編小説を手に寝室へ。
5 眠る直前にはぬくもりのあるものを見て、よい夢を
壁に映る影が美しいランプは、最後に消す明かりとして。この幻想的な雰囲気が、眠りにつく寸前の、ぼんやりした意識に心地いい。
携帯電話は寝室に持ち込まず、懐かしいたたずまいのフリップクロックを目覚ましに。渡辺力デザインによる字体のやわらかさは、枕元の時計にぴったり。
6 ベッドサイドのベンチは収納やディスプレイに重宝
窓の下に置いたお手製ベンチは、ベッドサイドテーブル以上に使い道いろいろ。上に植物や時計を置いたり、下は収納場所にも。石井さんは、一緒に寝ている愛猫のグッズをしまっている。そばには、猫たちがリビングと自由に行き来できる、猫専用のミニ扉も!
次回はビューティディレクター/メイクアップアーティスト、早坂香須子さんの寝室アイデアをご紹介します。
撮影/大森忠明 取材・原文/福山雅美
詳しくは2017年7/7発売LEE8月号に掲載しています。 [最新号] 試し読み・定期購読はこちら
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