家族みんなが自分で片づけられる=私がラク。
そんな仕組みを作る手順を、LEE100人隊No.039 ひとこさん宅で実践!
整理収納アドバイザー、OURHOME Emiさんによる収納アドバイス、後編は押し入れと子供のロッカーを改造します。
子供にも自分にもストレスのない収納システムを作りたい!
夫、7歳のにこちゃん、3歳のましろちゃんの、家族4人暮らしのひとこさん宅。
そんなひとこさんの悩みは、子供部屋の押し入れ収納が使いにくく、また、子供用ロッカーも取り出しにくいこと。2人の子供の洋服が、お姉ちゃんの服はイケアのロッカー、妹は押し入れと2カ所に分かれていて、それぞれの服の収納場所もカテゴリー分けがいまひとつ不明瞭になってしまっているのだとか。
ロッカーひとつでは2人分の服を入れるスペースはないし、手前には大きなおもちゃ箱が鎮座。洗濯した衣類をしまうときや、お着替えをさせるときに、2カ所を何度も往復したりしなくてはいけなくて、朝の忙しい時間帯などは、特にたいへん。
お姉ちゃんにはそろそろ自分の服をたたんだり、お片づけを手伝ってほしいし、4月から妹が幼稚園に上がったので、自分でも身支度を少しずつできるようになっていってほしいそうです。
Emiさんが収納をチェックしたところ、収納グッズがたくさん。
「これはひとこさんの『片づけたい』という気持ちの表れ。それ自体はすごくいいことですが、大枠の仕組みができていないところで、部分部分を整理しても、『持っているものを右から左に移動しただけ』ということになりがち。今回はその『仕組み作り』をしっかりやりましょう」
誰もが使いやすい収納を目指しつつ、さらに少し「お楽しみ」の要素も加えることを提案。
「まだまだ遊びたいましろちゃんのために、秘密基地を作りましょう。きっとお片づけの習慣づけにも役立つと思いますよ!」
押し入れ【CLOSET】
BEFORE
「とりあえず入れる」が常態に。動線も悪いのがストレス。
天袋には譲る予定のマタニティグッズ一式、上段には処分予定の来客用のふとん、ヨガマットやフラフープなど、不定形でどこに置いていいかわからないものをとりあえず詰め込んでいて、下段には妹、ましろちゃんの洋服類が。
「毎回ふすまを開け、さらに引き出しを開けて、下の子のお着替えをさせるのが、けっこうストレス」とひとこさん。
AFTER
押し入れの上段は整理して収納力アップ、下段は子供の秘密基地に!
ふすまを外し、白のロールスクリーンを設置。毎回開け閉めするストレスをなくしました。
普段は上段の収納スペースは隠しておきます。ミニキッチンの上部分を外し下部分だけを基地の左奥へ。
「見慣れたものも、分解したり位置替えすると新鮮な気分で遊べます」
外したふすまは、子供のロッカーの後ろに。
POINT
おもちゃ箱の仕分けは子供に考えさせて
「おもちゃの収納は子供と相談しながら、どうやって分類するか、どうしまうかを自分で考えてもらうことが大事。今後のお片づけも自主的にできるようになります」
ましろちゃんは秘密基地に入ると、桐箱のひとつをぬいぐるみのベッドに決定。「遊び終わったら、ここに寝かせてあげようね」と声かけを。
フックを取り付け、壁も活用
秘密基地の壁には、ましろちゃんの「お嬢さまバッグ」をかける場所に。
「小さな子供でも、場所を確定して『ここに○○をしまおうね』という習慣づけをすることは大切。おもちゃを大切に扱うことにもつながります」
スリーエムの「コマンドフック」は、はがすのもラクチンな優れモノ。上段のフラフープもこちらで固定。
二軍のおもちゃは上段に収納
最近あまり遊ばなくなってきたもの、けれどもまだ処分するのには惜しいものを「二軍のおもちゃ」として、まとめて押し入れの上段に。定期的に取り出し、「これで遊ぶ?」「これはもう処分する?」と子供に相談し、自分で選んでもらいながら、少しずつ整理を。
「3~4歳くらいまではママがとっかかりをつけてあげて、整理することを繰り返していけば、やがて自主的にやることが習慣になると思います。子供が『自分で選ぶ』のが大事!」
一軍のおもちゃは秘密基地に
秘密基地右側にはOURHOMEの「国産ひのきのオープンボックス」に「桐のはこ。」を並べ、おもちゃの「一軍」たちを収納。「一軍」は、子供が今、存分に遊びたいものやワクワクするもの、そして親が「これから遊んでほしいもの」、例えばこれから文字を習う時期なら、さりげなく文字もののおもちゃを入れ込んでおくのもポイント。並べた箱には子供でも片づけやすいようラベルに工夫を。
しまいにくい既製の箱は処分
「売っていたときのおもちゃの箱をそのまま使っているおうちが多いのですが、これに毎回戻すのは子供にとってすごく難しいんです」
中身を片づけがラクなかごなどに移して外箱は処分を。パズルは、ピースはキッチン用の保存袋に収め、枠はまとめて立てかけて。
ひとこさんが独身時代から使っていた収納具や来客用のふとん類などを処分し、すっきり!
子供のロッカー【KIDS’ LOCKER】
BEFORE
姉妹の服が分かれていて管理しづらいロッカー。お着替えをさせるのが不便。
奥にイケアの子供用ロッカー、隣に同じくイケアのキッチンセット、手前にはフタ付きの水玉模様のおもちゃ箱が。
買った当初は夢中だったおもちゃやミニキッチンも、入れ物がフタ付きで取り出しにくいこと、置き場所が固定され新鮮味がなくなったことで、遊ぶ回数が減りがち。
姉のにこちゃんの洋服類が収まったロッカー。ワイヤー引き出しにはかばん類、引き出し上段は靴下やハンカチ類、中段には下着やカットソー類、下段には別のバッグ類が。
引き出しのカテゴライズがあいまいで、姉妹の服が押し入れと2カ所に分かれているため、洗濯物を戻すときに面倒。しかも置き場所はひとこさんが決めたので、にこちゃんは自分で把握できていない。
AFTER
子供たちが自分で身支度できる、姉妹のロッカーに大変身!
ミニキッチンとおもちゃを押し入れ下段に移動し、その分ロッカーの奥に無印良品の「PP収納ケース」を8段導入。2カ所に分かれていた姉妹の衣類をこの1カ所に集中させました。洗濯物をしまうのがラクになるとともに、姉妹が自分で身支度できるよう、衣類を収めた引き出し類をわかりやすい配置に大改造!
POINT
引き出しの目印となる、Gakken×OURHOMEの「みじたくシール」は、中を確認しながら姉妹に貼ってもらいました。「自分でやった」場所だからこそ、自分で管理する意識が芽生えます。
ロッカーには妹の服を
ハンガーラックにはアウターのみ姉妹の分を、下3段の引き出しには、今まで押し入れに入れていた妹の幼稚園の服やハンカチ類、おむつ類などを収納。目印の「みじたくシール」を貼り、いずれは自分でお着替えができる配置に。
ロッカーわきにはフックをつけ、幼稚園の制服と帽子を。
姉の服を着替えやすい順に
お着替えのイメージがしやすいよう、手の届く下から4段分を、上から順にトップス、ボトムス、下着、靴下の収納場所に。
「1ジャンル、1ボックス」で中は仕切らないざっくり収納だから、子供でもポイポイ入れていくだけで、簡単にしまえます。手が届きにくい上の段はオフシーズンの服や習い事の服などを。引き出しが同じなので、衣替えも引き出しをまるごと取り替えるだけでラクチン。
子供が自分でできることに感動!
収納改造を終えて。にこちゃん、ましろちゃんに「靴下は?」「幼稚園の服は?」と聞いてみたところ、2人とも「みじたくシール」を見て、すぐ「ここ!」とわかりました。
「仕組みをイチから作り直す機会ができてよかったです! それと子供のものを片づけるのに、仕組み作りから子供と一緒に、と考えたことがなくて。さっそくその効果が出ていて、筋道をつけてあげながら子供と一緒に考えていけば、自分でできるんだとうれしくなりました」(ひとこさん)
秘密基地はその後、壁をペイントし、照明も取り付けて、ますます姉妹のお気に入りに。
「私がラクする」仕組み作り。みなさんもぜひお試しを。
撮影/仲尾知泰 Emi 取材・原文/田中のり子 中沢明子 Emi 本誌編集部
詳しくは2017年5/7発売LEE6月号別冊付録に掲載しています。 [最新号] 試し読み・定期購読はこちら
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