"はじめまして"からのトークがうまくいかないと、その後の会話も緊張してしまいますよね。
そこでLEE5月号では、声のかけ方、距離感のとり方など、「感じがいい」「親しくなりたい」と思ってもらうための会話術を、話し方のプロ、野村絵理奈さんにうかがいました。
第3回目は、読者アンケートで上位だった、「初対面での会話の悩み」。野村さん直伝の簡単&効果大な対処法を参考にしてみてください。
どうすれば感じよく話せる?ピンポイント悩みQ&A
何度か顔を合わせているママ友なのに、いまだに会話が「です・ます」調。よそよそしい気がするのですが、いきなりタメ口になるのも不自然な気がして。タメ口へのスムーズな移行法ってありますか?
Answer
タメ口をためらう=まだ丁寧語で話すべき間柄だということ。それに、「です・ます」でも、十分親しみを表せます
「職場では、年齢にかかわらず上司や先輩に敬語を使うのが基本。けれど、ママ友など同じ立場の相手なら、最初は『です・ます』調の丁寧語にし、親しくなったらタメ口に変えてもいいでしょう。相手が年上のママだとしても、それで失礼と思われることはないと思います。ただし、迷いがある=そこまで親しくないということ。なので、無理にタメ口に変えようとしなくてもいいような気がします。それに、丁寧語でも、ジョークを交えるなどして親しみを表すことはできるので、その方向を目指してみては?」
ワークショップなど1日のみのイベントに参加することが多い私。そこに集う人とは好みが合うはずなので友達になりたいと思いつつ、どうやって連絡先を交換すればいいかわかりません。
Answer
LINE交換はハードルが低いものの、ある程度打ち解けてから。メモ書きした連絡先を「よかったら連絡して」と手渡すとスマート
「自分はお近づきになりたくても、相手もそうとは限りません。その際試してほしいのが、"交換"ではなく、自分の連絡先をメモに書いて渡すこと。相手も親しくなりたいと思っていれば連絡してくれるでしょう。LINEアカウントの交換も増えているようですが、それも人によって反応はさまざま。チャットのようなやりとりが苦手な人もいれば、一度グループに入ってしまうと抜けにくいからという人もいます。メールアドレスと同様、慎重に、節度を持って利用するのが無難です」
最近働き始めたパート先で、以前もシフトが一緒になった先輩に「はじめまして」と挨拶してしまい、「えっ、前にも会っているわよ」と(汗)。人の顔を覚えるのが苦手なせいか、こんな失敗が多々あります。どうやってリカバリーすればいいですか?
Answer
軽めの失敗なら"自分の落ち度"を強調するのがベター
「『ごめんなさい、気にさわりましたか?』などと相手の心情に言及すると、相手がさらに気分を害する危険性もあります。『申し訳ない』という気持ちを表しつつ、『私、忘れっぽくて。ホント情けない!』とか、『私ってすぐ失言しちゃうの、自分でもなんとかしなくちゃと思うんだけど』と、自分の問題ということを強調し、爽やかに謝るのがおすすめ。とはいえ、これはフォローできる程度の失敗に対してのみ。相手を憤慨させるなど、失敗の度合いが大きいなら、挽回しようなどと画策せず、誠心誠意謝るのが一番です」
通園時のバス停でしか顔を合わせない、幼稚園ママ友。ゆっくり話をする機会がないので、なかなか距離を縮められません。短時間で仲よくなれる秘訣を知りたいです。
Answer
別れ際に、個人的に会うきっかけをつくるような"予告トーク"を
「親しくなるには、会話を深めることが大切。別れ際に、次の会話を期待させるような"予告"をするといいですよ。『○○ちゃんのスカート、かわいい!』『手作りなの』『今度作り方教えて』といった具合です。以前相手が話した内容を覚えておいて、『この前○○と言っていたでしょ。今度詳しく教えて』というのも有効。すると、『じゃあ、今度ゆっくり会いましょう』となったり、連絡先を交換したりと、距離が縮まると思いますよ。保育園ママ友の場合も同じです」
夫の会社関係のイベントで初めてお会いする方と話すとき、夫の印象がよくなるような受け答えや、心がけておくべきことってありますか?
Answer
明らかに"表面的"な話題がふさわしい場。夫から聞いた同僚の話や、家での夫の話をするのは禁物です
「『いつもお世話になっております』という挨拶は必須ですが、『お噂はいつも伺っています』はNG。夫が、上司や会社のことをペラペラと話している印象を与えてしまいます。イチオシは、『夫はあまり仕事の話をしないんですが、○○部長にお世話になっていることだけはいつも聞いています』という言葉。相手に振られた話題が、事前に夫から聞いたものだとしても、『初めて伺いました』と対応するのが正解です」
どちらかというとおとなしく、トーク力に自信がないので、みんなが楽しそうに会話している輪に入っていけません。「浮いているかな」「存在を忘れられているかも」と不安になることが多々あります。
Answer
会話に必要な"質問役"や"あいづちを打つ役"を担ってみて
「口をはさめないほど会話が盛り上がるということは、おしゃべり好きな人が集まっているということ。けれど、心地いい会話は話してばかりでは成り立ちません。必ず、上手な聞き役が必要なんです。無理して自分から話題を提供したり、おもしろい話をしなくても大丈夫。楽しそうに耳を傾け、『うんうん』と熱心にあいづちを打ったり、質問したりするだけで、十分輪に加われると思いますよ」
長男が、この春小学校に入学します。引っこみ思案で、おしゃべりが苦手なタイプなので、お友達ができるかどうか不安。親として、よきアドバイスをしたいのですが……。
Answer
笑顔で、大きな声で挨拶する。大人もこれで大方うまくいきます
「大人の場合と同様に、話すのが苦手でも元気に明るい挨拶ができれば、好意を持ってもらえます。わが家では、子供と約3 m離れて聞こえるくらいの大きな声で挨拶する練習をしたことがありますが、これがなかなか効果的。また、好きな物事などについて、普段から親が質問して説明させておいて。一度口に出したことのある話題なら、友達の前でもスムーズにしゃべれるはずです」
次回は、短時間でぐっと会話上手になる、話し方レッスンをご紹介します。
撮影/藤澤由加 イラストレーション/カツヤマケイコ 取材・原文/村上早苗
詳しくは2017年4/7発売LEE5月号に掲載しています。 [最新号] 試し読み・定期購読はこちら
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