前回ご紹介した、賃貸併用住宅を建てて大家に転身した、藤掛さんに引き続きインタビューします。今週は藤掛さんがいったいどんな風にして理想の家を手に入れたのかを、土地購入からハウスメーカー選びまで、時系列で追っていきたいと思います。
3年前の土地探しから始まったマイホーム計画
藤掛さんの場合は、長男が小学校に入学するまでに家を完成させるというタイムリミットがありました。それが2016年の4月、ちょうど一年前です。スタートは3年前にさかのぼります。賃貸併用住宅を建てると決めて、参考図書を30冊以上読んで、土地を探し始めたのが2014年の春頃だったそうです。
藤掛「まずは土地を探すことからです。23区内で主人の通勤が1時間以内であること、自宅のほかに3戸の単身用賃貸住宅を建てるために200平米ほど取れる土地を探し始めました。土地探しには1年かかりました」
上紙「1年ですか。やはり理想に合う土地探しは結構時間がかかりますね」
藤掛「はい。物件探しと同じで、土地って実際に見に行ってみないと周りのこととか何もわからないんです」
上紙「そうですよね。忙しかったでしょうね。実際に家が建つまでのスケジュールを教えていただけますか?」
【藤掛さんのスケジュール】
2014年春 土地探し&ハウスメーカーを決めるために5、6社の住宅見学会に参加。
2015年3月 土地を決定し、決済。ハウスメーカーも決定。
2015年9月 プランを決定し、着工。
2016年2月 3月の完成予定に向けて、賃貸物件の入居者の募集を開始。
2016年3月 自宅、賃貸部分ともに完成。3月中旬に賃貸物件に入居者が引越し。下旬に藤掛さん一家が引越し。
2016年6月 IT系企業を退社し、大家に転身。
土地探しとハウスメーカー選びは同時進行
上紙「スケジュールだけを見ると、余裕がありそうに見えますが、実際は家事と子育て、お仕事をしながら進めるんですから大変ですよね」
藤掛「本当に忙しかったです!一年間かけて見た土地は50件!会社の昼休みに見に行ったこともしばしば(笑)土地探しは初め、ネットで探して実際に見に行くという流れだったんですが、その土地を仲介している不動産会社から別の場所を案内されるという風にしてどんどん見ていきました」
上紙「それだけ見たら、感覚でいい土地なのがどうかすぐわかるようになるんじゃないですか?」
藤掛「そうなんです!いまの土地を見たときは、すぐにこれはいい!と感じて、5日後にはもう仮契約をしたんですよ!」
上紙「やっぱり運命的な出合いなんですね!」
藤掛「そう!土地探しも大変だったけれど、それと同時にハウスメーカーを決めるために、実際にそのメーカーが建てた家の見学会に参加したりと、たくさん出かけました」
上紙「ハウスメーカーも同時進行なんですね」
藤掛「そうなんです!土地が決まってもその時にラフプラン(図面)ができていないと銀行と契約ができないとわかったので、まだ決めきってないうちからプランを3社くらいにお願いして」
上紙「へぇ!初めて知りました」
藤掛「私もその時に初めて(笑)。せっかくいい土地が見つかってもそこからプランを描いてもらって…となると、土地は早い者勝ちだからほかの人に決まってしまうんですよ。
土地が初めからある場合とは全然スケジュールが違いますよね。早い段階でプランが必要なのでメーカーによって『プランだけでも描きますよ』という気軽に受けてくれるところもあれば、簡単には描いてくれなさそうと感じるところもあったりで。でも描いてもらわないと決められませんしね」
無垢の床、塗り壁、木のドアが標準装備のメーカーを選択
上紙「ハウスメーカーを選ぶ基準は何だったんですか?」
藤掛「私の中での絶対条件は無垢の床、塗り壁、木のドアの3つだったので、それが標準で入っているメーカーを探しました。オプションで入れることになると割高になるので。
条件をクリアするメーカーのいくつかの中から、カタログも素敵だった『パパママハウス』というメーカーを選びました」
上紙「藤掛さん宅はドアの色合わせとか、無垢のキッチンとか…ため息がでるほど素敵です!」
藤掛「ありがとうございます!パパママハウスのインテリアコーディネーターさんに細かく相談しながら、進めていきました。ちなみに無垢のキッチンはパパママハウスさんから紹介してもらいました」
上紙「いわゆる注文住宅の場合は何から何まで自分で選ぶでしょうから、理想の家にできるでしょうけれど、その分、労力もいりますね。イメージを集める作業とかはされましたか?」
藤掛「少しだけ雑誌を見たりもしました。あとは、海外の棚の取っ手のパーツなどを少しずつ買い集めたりもしていたので、そういうものでもテイストが決まりますよね」
上紙「なるほどね。自分の中でどんなものが好みかが定まってないとダメですね」
藤掛「あとね、契約するまでは営業の人とのやりとりなんですが、実際に家を建てるのは大工さんで、その現場をまとめるのが現場監督さんですよね。この2人の腕で仕上がりがかなり変わってくるんです。
だから、建てている時もできるだけ現場を見に行って、コミュニケーションをとったり、自分で確認したり、写真をとっておくことが大事だと感じました。
上紙「おお!リアルな意見ですね!!」
上紙「洗面所もお洒落すぎて!日本じゃないみたいです」
藤掛「ふふふ。うれしいです!いちばん迷ったのは、洗面所のペンキの色!まずはリビングの一面の書棚のブルーの色が決まって、それに合わせてほかのドアのペンキの色も選んだのですが、洗面所の戸棚のグリーンを合わせるつもりが…実際に塗ってみて3枚のドアが並ぶと『やっぱり違うかも!』となったんです。
その場にいたペンキ屋さんにグレーで塗り直してもらいました。塗り直しがきく色でよかった!(笑)」
上紙「この3色の木のドアがとても特徴的でかわいいなと思っていたのですが、そんなご苦労が!」
藤掛「あと、今回塗り壁にしてみてわかったことは、赤ワインとかを壁にこぼすとシミになって取れないということ!(笑)補修用に塗り壁の粉をもらってるので、自分で修正することもできるのですが…」
上紙「そうなんですね!自分で補修する作業、そういうのも含めて、我が家がますますいとおしくなりそうですね」
藤掛「子ども部屋も成長に合わせて変わっていく場所だと思います」
上紙「そうですね。成長とともにお部屋も変化していくのも楽しみのひとつですね。ほかに何か、建てて初めてわかったことはありますか?」
藤掛「外構ですね!外構の予算もとっておいたほうがいいです。外観のイメージが全然違ってくるんですよ。
家の外観が決まったら、それに合わせた外構を後回しにしないで、最初から建物の1割程度は外構予算としてとっておくのがおすすめです」
上紙「それは見落としがちなところですね!
今回も根掘り葉掘りたくさん聞かせてくださってありがとうございました。これから家を建てる予定の人に向けて最後にメッセージをお願いします」
藤掛「家は建てるのは本当に楽しいです。沢山勉強をして手をかければかけるほど、家に対して愛着が持てますし、その後何十年と続く修繕なども自分で概要が把握できていれば、苦にならずに取り組めると思います。私はもう家づくりが終わってしまったのが残念でなりません!」
上紙「理想のマイホームへの道のりは長く険しいことがわかりましたが、これだけ素敵な藤掛さん宅を見せてもらったら挑戦したくなりました!ありがとうございました」
みなさん、いかがでしたか?藤掛さんのマイホーム、素敵でしたね。理想の家づくりの参考になればうれしいです。
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上紙夏花 Natsuka Uegami
ライター/ビューティープランナー
1977年、大阪府生まれ。吉本新喜劇の女優を経て、ライターに。現在は化粧品の商品開発やPRを手掛けるほか、ベビーマッサージ講師としても活動している。夫・息子9歳、3歳