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押し入れ&クローゼットからレンタル倉庫まで…防虫剤の正しい置き方・選び方|NGも!
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藤原千秋
2026.02.26

“とりあえず入れる”を卒業。防虫剤、正しく使い分けてますか?
冬物衣料って、気温が上がると、ある日突然「もういいかな」。手にとらなくなってしまう。
つい昨日まで頼りにしていたのに薄情なものですが、そのまま「ひとまず収納」してしまうのがトラブルの始まり!
冬の終わりのコートやニットには意外と汗や皮脂を含んだ汚れが残っているからです。
でも虫がついたら困るし、とりあえず防虫剤はクローゼットに入れておこう——ポイッ。
そのチョイスで正解? ちゃんと効いていますか? 本当に効かせられていますか? 秋にコートを出したら袖口に小さい引っ掻き傷みたいな穴が…なんていう経験、ありませんか?
実は防虫剤って、
・防虫剤の「種類」
・守りたい「モノ」自体
・モノの保管「環境」
によって、選び方も使い方もまったく変わってくるもの。間違った使い方では効果が出ないだけでなく、衣類や体調に悪影響を及ぼすことも。
今回は、そんな防虫剤の基礎をあらためて整理していきましょう。

防虫剤の使い分け:ピレスロイド、ナフタリン…成分別の特長を知っておこう
まず知っておきたい「防虫剤のタイプ」
防虫剤には大きく分けて3つのタイプがあります。
● ピレスロイド系
現在の主流。無臭タイプが多く、他タイプとの併用も可能。クローゼットや衣装ケース向きで、扱いやすい商品がそろっています。迷ったら基本はピレスロイド系が安心です。
● パラジクロロベンゼン系
昔ながらの強いにおいのあるタイプの防虫剤。即効性があり、気化して空間全体を守る力が強いのが特徴です。
ただし注意点があり、他のタイプとの併用は不可。「密閉空間」向きで衣装ケースや桐箪笥などには適していますが、空気の出入りがあるクローゼットでは効果が安定しにくくなります。
においが強いので衣類に移ることがあり、長期間生活空間に近い場所で使うのは不向きといえるでしょう。「におい」「効き目」が強いからといって、どんな収納にも向くわけではありません。
● ナフタリン系
クラシックなタイプで、よく「おばあちゃんちのタンスのにおい」と形容される独特なにおいがします。こちらも気化型で密閉空間向き。現在ではかなり少数派になっています。
防虫剤の使い分け:衣類、ぬいぐるみ…守りたい「モノ」別に合わせて選ぶ
・衣類(洋服)は 「ピレスロイド系+除湿剤」
衣装ケースやクローゼット内には湿気がこもりがち。除湿剤は「下」に、防虫剤は「上」に置くのが基本です(気体は下に広がり、湿気も下に溜まります)。
・ 着物・和装小物
絹は湿気と虫の両方に弱いため、
「たとう紙+桐箪笥+ピレスロイド系」が理想です。
におい移りはできるだけ避けたいので、強いタイプは不向き。防虫剤は重ね入れせず種類は統一させます。
着物の場合は、昔ながらの防虫香を用いる方もいますが、香りが残ることを前提に保管環境と相性を見極めて使いましょう。
・お人形・ぬいぐるみ
素材が混在しているので、
「不織布袋+ピレスロイド系」
が無難。
密閉できるケースにしまうなら、少量で十分。
・紙類(アルバム・本)
実は虫より湿気が大敵です。カビや変質を防ぐためにも、防虫よりも除湿を優先させましょう。
密閉しすぎると結露によるカビのリスクも。
防虫剤の使い分け:保管環境との相性も重要です
レンタル倉庫など長期保管の場合に気を付けるポイント
虫対策以前に、温度・湿度管理がされているかどうかが重要です。
ビル内などの管理型トランクルームなら虫対策は軽めでOK。コンテナなどの非管理型では「除湿」を優先し、防虫剤は最小限に。
密閉度の高い衣装ケース? よく開閉するクローゼット? 環境でも使い分けを
防虫剤は、密閉できるかどうかや湿度、生活空間との距離などといった「置き場所」要素でも使い分けが必要になってきます。
たとえば密閉度が低い空間でにおいや効果の強いタイプを使ってしまうと、せっかくの効果は薄れ、不快なにおいだけが広がることにもなりかねません。
実際に問題になるのはカツオブシムシ(衣類)、シミ(紙)、ダニ(布製品)といった虫たちですが、その多くはカビの発生が引き金になります。カビが生じることで、虫も寄ってきやすくなるのです。
つまり、いきなり虫がわくというよりも、「湿気がこもる → カビが発生する → それを餌に虫が寄る」という順でトラブルが起きやすい、ということを覚えておきましょう。

体質やペットがいる…防虫剤の選び方のコツ
においに敏感な方や、化学物質で頭痛が出やすい方は、
「無臭タイプのピレスロイド系を、必要最小限に」が基本です。
また、ペットがいる家庭では
・直接触れない場所に置くこと
・床に直置きしないこと
・小動物の場合は特に注意すること
が大切です。「効かせる」ことよりも、「過剰に使わない」ことを意識しましょう。
やりがち!防虫剤の間違った使い方
防虫剤で、よくある間違いについての注意点は次の4つ。
・パラジクロロベンゼンと他タイプを一緒に使う
化学反応で衣類を傷める可能性があり、危険です。
・「たくさん入れれば安心」という思い込み
効果は増えません。量は適量を。
・ 除湿剤とまとめて投入する
除湿剤は下、防虫剤は上が基本。
・ 開封日を記録しない
気づいたら期限切れ、ということも。
防虫剤は「入れる前」の準備が8割 !
防虫剤を入れて収納する前に、まず必ず洗えるものは「洗濯」し、しっかり「完全に乾かす」こと。
できるだけモノに汚れを残さないことが大切です。
虫は衣類そのものよりも、食べこぼしや汗や皮脂といった「汚れ」を好みます。つまり最大のリスクは、「洗われていない」状態なのです。
防虫剤はあくまで保険。万能ではありません。「とりあえず入れるもの」ではなく、環境と対象に合わせて選ぶものです。
「種類を混ぜない」「密閉度を考える」「湿度管理とセット」「過剰にしない」。この基本を押さえるだけで、収納の安心度はぐっと上がります。
来たる衣替え前に、一度防虫剤を見直してみませんか?

LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!
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藤原千秋 Chiaki Fujiwara
住生活ジャーナリスト、ライター
掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

















