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ペットの粗相や吐き戻しの掃除、その後のニオイケア……寒い冬ならではのコツも伝授!

  • 藤原千秋

2026.01.22

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生きることって、汚れること――?



”やっちまった“——ラグの上で、何事もなかった顔で丸くなるペットを見ると、暮れの大掃除の効果もどこへやら。年が明けて再開したあわただしい生活のはざま、人が動いた分だけ場が荒れるのは自然の摂理ですが、それはペットのそれも同じだったりしますよね。



もちろん彼ら自身、生まれ持った知恵での身繕いもするのですが、どうしても人間と暮らしていると、私たちの気になる「汚れ」や「ニオイ」は生じてしまいがち。

特に冬は寒くて窓を閉めがちですから換気も不足。また乾燥も進みやすい季節です。

日常的なちょっとした粗相や吐き戻しがあったとき、「ちゃんと掃除しているはずなのに、なんだかニオイが残る」「前より落ちにくくなった気がする」と感じるようなことはありませんか。

実はそれ、掃除の仕方が悪いわけではなく、冬ならではの条件が影響しているせいかも?

今回は、ペットにも人にも負担をかけにくい、冬の掃除とケアの考え方を整理してみたいと思います。

Index
  1. まず知っておきたい、冬のペット汚れが手強いわけ
  2. ペット汚れは初動が8割
  3. 乾かし方がニオイを左右する
  4. 変色してしまったとき
  5. ニオイ対策の基本は「換気」
とシンプルなケア用品
  6. 掃除をラクにする「予防ケア」という考え方も

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まず知っておきたい、冬のペット汚れが手強いわけ

ペットの粗相や吐き戻し、体液などによる汚れの多くは、住まいを汚す原因の中でも厄介な部類である「タンパク質汚れ」と呼ばれるものになります。この汚れは、時間が経つほど家具などの素材にこびりつき、定着しやすい性質があります。



かつ、胃酸などによる強い「酸性」を示す汚れは容易に素材を傷めますし、またニオイ自体も強く出る傾向があります。そのうえ、間違った方法で触ることで、かえって落としにくくなってしまうことが多く、扱いが難しいのです。

加えて冬は気温が低く、換気不足になりやすいので湿気やニオイが家の中にこもるなどの悪条件が重なり、季節的にも汚れやニオイが残りやすい。「ちゃんと掃除しているのに…」不快感をことさら感じるのもやむなしです。

 

ペット汚れは初動が8割

そんな冬のペット汚れに対面したとき。何よりまず大切なのは「擦らないこと」です。



使い捨てのペーパーや古布、ペットシーツなどを手に取りやすいところにスタンバイさせておき、すばやく汚れ(水分)を吸い取り、次に水かぬるま湯を含ませた古布などでで汚れを「薄め」るようにしましょう。



このとき併せてごく少量の中性洗剤(食器用の中性洗剤でOK)を使うのも良いでしょう。汚れを「薄め」るとは、その場をゴシゴシ拭くのではなく場の「汚れを回収する」イメージでの拭き取りを行うことです。



ここで「熱いお湯」を使うのは避けましょう。強い効果がありそうに感じますが、「タンパク質汚れ」というものは熱で固まる性質があるため、かえって落としにくくなってしまうからです。時短になりそうだからと、熱湯やスチームクリーナーを使いたくもなるかも知れませんが、悪手なのでできるだけ避けてください。

もちろん寒いので、冷たい水を我慢して使う必要はありません。「ぬるま湯」を使いましょう。ちなみにぬるま湯というのはお風呂の湯温より少しぬるいかな? くらいのお湯のことです。

最後にしっかり水分を拭き取り、乾かすところまでが掃除です。窓を全開にしなくても、換気扇を稼働させ、エアコンの送風やサーキュレーターで部屋の空気を動かし続けるだけでも残臭は違ってきます。

 

乾かし方がニオイを左右する

汚れは、フローリングやクッションフロアといった拭き取り、乾かしやすい素材だけに付くわけではありません。畳のほか、ラグやカーペット、布製ソファやベッドマットといった「布もの」も住まいには多く存在し、心地いいのでペット自身に好まれていることも多いでしょう。



こういった布ものが汚れた場合、冬場はとくに「乾きにくい」ことを意識してそうじに取り組む必要があります。

まず汚れを前述の「薄め拭き」で落したあと、表面が一見乾いたように見えても、内部に湿気が残ってしまうと菌が繁殖して嫌なニオイが再生産されてしまいます。タオルなどを重ねて十分に残った水分を移し取ったあと、そのタオルの上から掃除機を当てて吸引することでできるだけ水分を取り除き、かつ、その後サーキュレーターなどを使って汚れ箇所に送風することでしっかり乾燥をさせます。



「今日は寒いから換気できない」と感じるような日でも、できるだけ汚れ周辺の「空気を動かす」ことを心がけることが大切なのです。



 

変色してしまったとき

このように初動すばやく対処したとしても、体液や胃酸による汚れでは、フローリング床の木部やラグなどの布ものによっては「変色」してしまうことがあります。

こういった場合、汚れが残って色が変わっているのではなく、素材そのものが「化学的に変化」してしまっているケースが少なくないということを知っておきましょう。

化学変化の場合、深追いして無理に熱を加えたり、強い洗剤を使ったり漂白したりすると、かえって「傷み」の部分を広げてしまうこともあるので注意してください。

大切なのは、完全に元に戻すことにこだわるのではなく「これ以上悪化させない」という考え方です。不可逆的な変化も「いのちの痕跡」だと割り切ることで、「何がなんでも綺麗にしなければ」という掃除のストレスはぐっと減らせます。

ニオイ対策の基本は「換気」
とシンプルなケア用品

ペット由来のニオイの原因の多くは汚れ残りと、そこで繁殖した菌(湿気による)、加えて空気の滞留が重なって生じます。ですからその原因をできるだけ減らすことが大切です。


汚れ落としと乾燥の作業の後の換気。冬は長時間でなくて構いません。短時間、空気がしっかり流れるように、窓を開けるだけでも十分です。



そのうえで、成分がシンプルで刺激の少ないケア用品を選ぶことで、ペットの体への負担を減らすだけでなく、掃除する側の不安も軽くしてくれることでしょう。

市販のケア用品には、大まかにニオイを分解するタイプ、吸着させるタイプなどがあります。またおしっこにクエン酸、体液に重曹など、お馴染みのナチュラルクリーニング素材を使う掃除方法もあります。

いずれも「効かない」と感じたらすぐ香料などでマスキングするのではなく、再度汚れの場所の状態を確認してみるのがおすすめです。

とんでもないところに飛沫が飛び散っているなど、ニオイの元は意外なところに残っていたりします。複数の家族で確認するのも効果的です。

掃除をラクにする「予防ケア」という考え方も


ペットとの暮らしに限ったことではありませんが、汚れてから必死に掃除する前、あらかじめ汚れにくい環境をつくっておくことも立派なケアのひとつです。

冬はとくに、寝床やトイレまわりの環境が掃除の負担を左右します。そういったポイントを絞ってできるところから対処していきましょう。



例えば「掃除」ではなくより根本から汚れを落とせる「洗濯」のできるものを使う。できるだけ居場所やトイレなど定位置を決める。容易に替えのきく素材を選ぶ。


長く一緒に暮らしているうちには、ペットにかかるストレスや病気、老化などによって汚れの頻度が上がることもあります。そういった可能性を想定したリフォーム(床材を変えるなど)をあるタイミングで施すことも選択肢に挙がるかも知れません。


「生きもの」であるペットと暮らす以上、汚れやニオイは、きっとゼロにはなりません。どんなにがんばっても落とせないこともあるし、前回うまくいった方法が次は通用しないこともあります。

それでも、汚れが起きたときに慌てすぎず、今度もし粗相があったら、まずは「擦らず、薄めて、風を当てる」。それだけ思い出してもらえたら十分。

ペットまわりの掃除は、がんばりすぎないことが、いちばんの近道なのかもしれません。


LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!

藤原千秋

CHIAKI FUJIWARA

住生活ジャーナリスト・ライター

大手住宅メーカー営業職を経て、家事のスペシャリストとして企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。

藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住生活ジャーナリスト、ライター

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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