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【ご両親におすすめしたい】ヨドバシカメラでの試乗体験でわかった近距離モビリティWHILLの便利さと楽しさ

  • 神原サリー

2025.12.19

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Vol. #

120

WHILL
ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaのB2Fにある試乗コースで近距離モビリティWHILLを試乗してきました ※乗っているのは4輪スクータータイプの「Model R」

近距離モビリティという言葉を知っていますか? 2012年創業のWHILL(ウィル)が提案する、歩道を走れる免許不要の乗り物のことで、チェア型だけでなく4輪スクーター型も登場しています。高齢者に限らず、どんな人ももっと手軽に外に出て、移動する楽しみを体験してほしいという思いから生まれ、進化を重ねているWHILLの近距離モビリティ。とはいえ、近距離モビリティってどういうもの?と思われる方も多いことでしょう。まずは家族が試乗するもよし、一緒に出掛けてみんなで試乗するもよし。ヨドバシカメラに試乗コースがあると聞き、秋葉原にある「ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba」で試乗体験をしてきた様子をレポートします。

ご両親や祖父母と一緒に“WHILLさんぽ”を

WHILLによると、高齢化が加速する中で、500m以上歩くことに辛さや困難さを抱える高齢者は1200万人を超えるといいます。タクシーに乗るほどでもない距離をどうやって移動するか。それはけっこう重要な問題ですよね。

私は2年前に父を亡くしていますが、88歳の時に転んで大腿骨を骨折してから96歳で一生を終えるまでの晩年の8年間は杖や車いすを使い、最後は寝たきりのような状態になってしまいました。ケガした直後の少しでも元気だったころにWHILLの存在を知っていたら、きっと楽しいお出かけができたかもしれないなと悔やまれます。

日本では「歩けるかどうか」が元気の証であるように言われ、歩かないことは恥ずかしいように感じさせる風潮もあります。でも少し疲れていたり、体力が弱っているときには近距離モビリティに頼って移動し、行った先での体力を温存して楽しく過ごすという考え方がもっと広まってもいいのではと思うのです。

WHILLからいただいた資料にこんな言葉が載っていました。「自分の足で歩くだけが散歩ではない。外の世界に接し、四季を感じ、新たな刺激を得ることが散歩の醍醐味」なのだと。これまで家にこもりがちだった方が、WHILLがあることで外に出るようになるのは素敵なことですよね。天気がいい日は公園までWHILLで移動し、公園の中は自ら歩いて一周する…そんな方もいらっしゃるようです。

ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaにある広々とした試乗コース

WHILLの担当者の方と待ち合わせをしたのは、ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba6階にある自転車売り場。いくつかある1階の入り口から入り、2つあるエスカレーターのどちらを使ったとしても、自転車売り場にたどり着くには、おもちゃ売り場やトイカプセルなどが両脇に並ぶにぎやかな通路を抜けないといけません。なので、ここでひるまずにスイスイと通り抜けて突き当たりにある自転車売り場へGO!どこにあるかわからなかったら、店員さんに聞いてみるのが得策です。

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ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaの6Fは2つのエスカレーターのどちらを使ったとしても、WHILLのある自転車コーナーに行くにはご覧のようににぎやかなおもちゃやカプセルトイコーナーを抜ける必要があります

電動アシスト自転車を含む、たくさんの自転車が並ぶ売り場の一角に近距離モビリティWHILLが展示してあります。ここで試乗の受付(申し込み)をしたら、ヨドバシカメラのスタッフさんの案内とともに専用のエレベーターに乗って地下2階へと向かいます。

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ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaの6F、自転車売り場の一角にある「WHILL」のコーナー

地下2階で降り、「電動自転車試乗コース」「無料で試乗できるから安心」などの立て看板が並んでいるのを横目に右折すると、びっくりするほど広い試乗コースが目の前に現れてびっくり!ここでは近距離モビリティだけでなく、子供を乗せるのにぴったりの電動アシスト自転車や電動キックボード、4輪スクーターまで、購入する前に乗り心地を体感できる試乗コースになっているのですね。いやー、知らなかったです。素晴らしいですね。

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6Fの特別なエレベーターに乗ってB2Fに降りるとずらりと並んだ「電動自転車試乗コース」「無料で試乗できるから安心」などの立て看板のところを右折します
WHILL
びっくりするほど広い試乗コースが目の前に現れてびっくり!

まずはフラグシップモデルのチェア型近距離モビリティ「Model C2」に挑戦

WHILLの近距離モビリティと言えば、斜めのラインが印象的なチェア型の「Model C2」がアイコニックとなっています。こちらは特別な前輪と高出力のモーターで5cmの段差も乗り越えられ、安定した乗り心地が特徴です。まずはこちらを試乗することにしましょう。

WHILLの担当の方が「ステップに両足を乗せて立っても大丈夫なんですよ」と乗ってみせてくださったのですが、背の高い男性が立っても揺れることもなく抜群の安定感。

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最初に試乗したのは、フラグシップモデルとなるプレミアムカーの「Model C2」(48万7000円)。ステップに両足を乗せて立っても大丈夫な安定感です

とはいえ、久しぶりなので(これまでも同社の社内にある試乗コースなどで試乗経験あり)ちょっと緊張します。最初は恐る恐るレバーを操作して速度1でスタート。慣れないとレバーに手のひらをかぶせて握りしめてしまいますが、力は不要で指1本でも動かせるんですよね。乗っているうちに、ゆっくり過ぎる速度がまどろっこしくなって速度をあげ、少しずつ操作にも慣れてきました。

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最初は恐る恐るレバーを操作して速度1でスタート
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少しずつスピードを上げていきます

ちなみにWHILLの近距離モビリティは前述したように“歩道を走れる免許不要の乗り物”なので、前進時の最大時速は6㎞、後進時は1.5㎞(4輪スクーター型は2㎞)なので安心です。イメージとしては、一緒に歩く家族と同じ速度で安定して進むという感じでしょうか。

ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaの試乗コースには段差はありませんが、矢印で進路を示したコーナーがあるので、上手く曲がれるように練習するのには最適。隣のレーンでスイスイと自転車の試乗をしている人をうらやましく思いながらも、マイペースで「Model C2」の試乗を続けました。コースが広く、ゆったりしているので、こうやって自分のペースで試乗できるのもいいなと思います。

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慣れてくるとコーナーもスムーズに曲がれるようになりました



手軽に折りたためるモビリティ「Model F」はマンション暮らしや車での移動にもぴったり

続いて試したのは、折りたたんで収納できる「Model F」。フラグシップモデルの「Model C2」と比べて重さも約半分程度と軽いので、車のトランクに積んでお出かけしたり、新幹線や飛行機などの交通機関を利用して移動する機会が多い方にもおすすめの一台です。マンション住まいで収納場所が狭いという方にもよさそうですね。

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折りたためるモビリティ「Model F」(27万3000円)は、折り畳みを解除する体験からスタート

車から降ろして、さあ「Model F」に乗ってショッピングモールでお買い物。そんな風景をイメージして、今回は折りたたんだ状態から乗れる状態にするところからスタートです。教えてもらいながら、やってみると3ステップで折り畳みを解除できて、女性でも楽々操作できることを実感。段差乗り越え能力は3.5cmまでですが、段差や悪路の少ない場所での使用ならこちらでも十分かもしれません。

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3ステップで簡単に乗れる状態になりました!

先ほどの「Model C2」と同じような操作で進めるのでかなり慣れてきて、魔法みたいに『動くイス』の楽しさがわかってきた感じです。最近は空港などでもWHILLの近距離モビリティの貸し出しをしているのを見かけることが多くなりましたが、こうして試した経験があるといざという時にも気軽に利用できるので、「今すぐ購入」という人でなくても試乗してみるといいですよ。

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平らな道では「Model C2」と比べてもそん色ない乗り心地でした

そうそう、家族と一緒にチェア型の「Model C2」や「Model F」を使う場合、本人が操作しなくても同伴する方が自分の歩く速度に合わせてレバーを動かすという使い方もできます。お手本を見せてくださったとおりにやってみたら、思いのほか簡単で、指1本で操作できる便利さに納得。ご本人が慣れないうちはこうした使い方もできるのですね。

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速度調整用のレバーを同伴者が隣を歩きながら操作することも可能です

実はWHILLは専用アプリからでも、ラジコンのように遠隔操作が可能で、同行者と本人は顔を見てお話ししながら移動できるような設計にしているのも特徴の1つなのだとか。移乗の際にベッドサイドに呼び寄せる、椅子に座った後に壁際にWHILLを寄せておくというようなこともできると聞いて、なるほどこれは便利だと思いました。

快適な乗り心地の4輪スクーター型の「Model R」は自転車感覚で乗れるのがうれしい

最後に試したのは4輪スクーター型の「Model R」。体のサイズや好みに応じて、シートの高さや奥行き、シャフトの角度調整もできるだけでなく、簡単に座面の向きを変えられるので、横を向いて腰かけた後、座面を正面に向けるとスムーズに乗ることができるのもうれしいポイントです。何より、ハンドルがあることで圧倒的な安心感があるんですよね。

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歩道を走れるスマートな4輪スクーター「Model R」は座面の向きを変えられるので、横を向いて腰かけた後、座面を正面に向けるとスムーズに乗ることができます

スクエアなハンドル部は、パッと一目で操作方法やバッテリーの残量などがわかるディスプレイがあり、右のアクセルレバーを引けば前進、離せば停止、左のレバーでバックという直感操作ができる設計になっています。実際に走り出しても、足で漕がないものの自転車感覚で、その名のとおり「スクーター」そのもの。1つの乗り物として誰でも楽しんで乗れるなと思いました。荷物を入れる場所もあるし、自転車を手放したその先の乗り物…そんな感じです。

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チェアタイプと異なり、ハンドル付きだと圧倒的な安心感や楽しさがありました
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降りるときもスマートです

しかも、90度近くハンドルを切れるので、後輪を軸にその場で旋回OK。最小回転半径は970mmなのですから、狭い場所でも扱いやすいと思います。私としては、最初の一台としてこの「Model R」がすっかりお気に入りになりました。


年末年始にご両親や祖父母の方々と会われた際に、“WHILLさんぽ”や試乗のことが話題になったらいいなと思い、今回は少し長い記事となりました。少しでもお役に立てれば幸いです。

※ヨドバシカメラの試乗コースは、マルチメディアAkibaのほかにもマルチメディア吉祥寺、マルチメディア梅田、新宿西口本店にもあります

DATA

「神原サリーの愛しの家電語り」は、毎月2回更新。次回もお楽しみに!

●Info●
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神原サリー Sally Kamihara

家電ライフスタイルプロデューサー

新聞社勤務、フリーランスライターを経て、家電ライフスタイルプロデューサーとして独立。「企業の思いを生活者に伝え、生活者の願いを企業に伝える」べく、東京・広尾の「家電アトリエ」をベースにテレビやラジオ、雑誌やウェブなどさまざまなメディアで情報発信中。商品企画やコンサルティングの仕事も多数。

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