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今年の大そうじは「ウェットシート1パックだけ」でいい! 簡単拭きそうじのコツ、おそうじシート選びのポイントも解説
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藤原千秋
2025.11.27
今年の大そうじはどうする?
「あっ」という間に、今年も残りわずか。
クリスマスイルミネーションの光が街に灯り、年末支度の足音がひたひたと近づいてくると……否応なしに耳に飛び込んでくるのが【大そうじ】というワード。
「いや無理でしょ、忙しいし、寒いし!」
「でも、まったく何もしないのも、なんとなく落ち着かない……」
そんな年の瀬のモヤモヤがあるなら、試してみませんか。
「ウェットシート1パックだけ」拭きそうじ。
張り切らず。追い込まず。 それでいて確かに「効く」とっておきのおそうじ方法なんです。

家のあちこちに使えます!
「ウェットシート1パック」で、意外といろいろ拭ける!
「1パックだけ」でもウエットシートって有能。家のあちこちに使えます。
玄関まわり
- 玄関ドア(内外)と取っ手
- シューズボックスの棚・扉
- 三和土(たたき)
- 上がり框〜玄関ホール
キッチンまわり
- 冷蔵庫の表面(特に手垢がつきやすい取っ手)
- 冷蔵庫内の棚板や野菜室

ダイニングとリビング
- ダイニングテーブルの天板と脚
- ダイニングチェア
- テーブル周りの床や巾木
- 家中のスイッチ・リモコン類
トイレ
- 天井・壁
- 棚、トイレットペーパーホルダー
- ドアとノブ
- 便座裏など便器まわり
……などなど。
家中を全てそうじしなければなんて気負うとパンクしますが、「1パック使い切ったらもう終わり」って割り切るだけで、「それなら私もできるかも…」。
始めるハードルがぐっと下がりませんか?
「ウェットシートなら何でもいい」わけではない
ウェットシート選びのポイント
ただし。どんなウェットシートでもよいわけではありません。染み込んでいる洗浄成分によって得手不得手はあります。
ウェットシートを買う前に、商品パッケージの主成分表示を軽くチェックしておきましょう。

アルカリ性系のウェットシートの場合
表示例は重曹、セスキ炭酸ソーダ、アルカリ電解水、弱アルカリ性など。
向いている汚れ
- 皮脂、手あか
- 軽度の油汚れ
- 家電の外側、スイッチ、ドアノブ
向かない素材
- 無垢材、塗装の弱いフローリング
- 革製品
- 植物素材
- アルミ(曇ったり変色することも)
酸性系のウェットシートの場合
表示例はクエン酸、乳酸、弱酸性など。
向いている汚れ
- 水あか
- 石けんカス
- トイレの尿石
- アンモニア臭
向かない素材
- 大理石(カルシウム成分が溶ける)
- 鉄(サビやすい)
中性系のウェットシートの場合
表示例は中性・住居用。こちらは万能タイプです。
基本的には中性 or 弱アルカリを選びつつ、家具や床など、気になる素材がある人は商品裏面の「使えない材質」だけでもチェックすると失敗しません。
違いは「ほうき」と「ぞうきん」
ドライシートとウェットシート、使い分けのポイントは?
おそうじシートの市販品には、「ドライ」タイプの商品もあります。ウェットタイプに比べ価格がお手頃なので「ドライならいつも常備してあるんだけど」という方も多いかも知れません。
もし使い分けに迷ったら、
ドライシートは「ほうき」、
ウェットシートは「ぞうきん」。
と覚えると、用途が一気にわかりやすくなります。

ドライシート(から拭き用)のポイント
- 髪の毛や綿ほこりに強い
- 静電気でホコリを集める
- 皮脂や油汚れはほぼ落ちない
ウェットシート(湿り拭き用)のポイント
- 汚れを落とすことが目的
- 皮脂や油汚れに強い
- 洗浄成分と材質の相性に注意が必要
なので全体を整えたいときは、
ドライでほこり → ウェットで仕上げ
の2ステップが一番気持ちよく仕上がります。
なんとなく兼用してませんか?
赤ちゃん用「おしり拭き」とそうじ用シートは別物
ときどき「ウエットって“おしり拭き”でも代用できますか?」と聞かれますが、おしりはおしり、ものはもの。やはり別物だととらえておいた方がいいでしょう。
おしり拭き
- 赤ちゃんの肌が拭けるほど、しみ込ませてある成分は超マイルド処方
- 保湿成分入りも多い
- シート自体も柔らかく、汚れ落とし力は弱め
掃除用ウェットシート
- 汚れを浮かせる界面活性剤などの洗浄成分が含まれている
- シートの紙自体も工夫されていて、汚れ落とし力があり、拭き跡も残りにくい
- 脱脂(油を落とす)力が高いものも
たとえば「赤ちゃんの口に触れる場所」はおしり拭き。
その他「家の汚れ」には掃除用シート。などと使い分けるのはOK。
赤ちゃんの肌に使えるからといって、家中に万能ではない。ここを誤解しないだけでも掃除のストレスはだいぶ減るでしょう。
ウェットシートがカピカピに!?
「1パック使い切る」には意味がある
ウエットシート1パック。少ないようでいて10〜20枚もの量を一度に使い切るのはやっぱり難しい。「残りは後日に取っておいてはダメなの?」。
ダメではないのですが、こんな経験はありませんか?
「使いかけのウエットシート、久しぶりに取り出してみたら、すっかり乾いてドライシートになってしまっていた…」食べ物ではないので明確な消費期限こそないものの、日々の忙しさに紛れてうっかり乾かさないよう、開封したら1か月程度で使い切りたいもの。
一度に「1パック使い切る」ことができればそんな失敗もせずに済むわけです。

たった1パックでも、年末の「区切り」に
暮れの大そうじは「冬期に必須の家事」ではなく、いわば「心に区切りをつけるため」の歳事。
気温低く、天候も荒れ気味、風邪も流行っていて、寝不足気味。
そんな時期に無理をする必要はありません。
だから軽く100円ショップで、ドラッグストアで、コンビニで。
手に入れたその「ウェットシート1パック」使い切ってみるだけ。
そうして家のどこか一箇所でも清々しく明るくなったなら。
この一年をがんばった自分に、心からの「お疲れさま」が言えるのではないでしょうか。
LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!
藤原千秋 Chiaki Fujiwara
住生活ジャーナリスト、ライター
掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

















