「あ、この傷残ってる!」
「 このパーツ、ランドセルのベルトのところだよね」

今年、我が家のランドセルが“新しい姿”に生まれ変わりました。
まだまだランドセルのほうが大きく、ドキドキしながら初めて自分の足で小学校に向かった日からずっと、我が子たちを支えてきてくれた大切な存在。そのリメイクは、家族みんなで小学校生活を振り返る良い機会にもなり、またひとつ心に残る思い出が増えました。
今回はそんな私たちの「ランドセルリメイク」体験記をお届けします。
家族で大切に選んだ土屋鞄のランドセルをリメイクに
第一子である長男のランドセルを選んだのはもう約7年も前のこと!
幼稚園児だった子どもたちふたりを連れて家族揃ってお店に出かけたワクワクした気持ちや、ずらっと並んだぴかぴかのランドセルの中から好きなものを選んだ時の息子の笑顔は、今でも忘れられません。

そんな我が家の「ラン活」についてもLEEwebで書かせていただきましたが、いろいろ見た上で決めたのが、「土屋鞄」のランドセル。
大好きな祖父からのプレゼントとして贈られ、本人たちもずっと気に入って使ってきました。
そのため子どもたちとも相談し、本来の役目を終えた後も違う形でずっと大切にできるランドセルリメイクをお願いすることにしました。

職人さんの手で、ひとつひとつ丁寧に仕立て直し
土屋鞄のランドセルリメイクは、職人さんの手でランドセルをひとつひとつ丁寧にほどき、傷やシミなど使い込まれた風合いも生かしながら、小さなアイテムに仕立て直してくれます。
そのため受付期間が区切られており、2025年度の場合はあと1回、2025年12月22日(月)~2026年1月19日(月)の間に申し込みが可能(詳しくはウェブサイトで要確認)。
受付期間中にオンラインで希望アイテムを申し込み、必要事項を記入した用紙と一緒に、指定先へランドセルを送ります。
リメイク製品のラインアップや細かい仕様は年度によって異なるそうですが、今回ふたりとも「ペンケース・キーチャームセット」を選び、オプションで「カードケース」「卓上カレンダー」もお願いすることに。そして夏休み中を利用し、これまでの感謝を込めて一緒に梱包・発送しました。

リメイクを決めてからは、しまっていたランドセルをしばらくリビングに出していました。
それまでは気に留めていなかったのに、いざお別れするとなるとなんだか名残惜しく、最後にもう一度ランドセルを背負って写真を撮影してみたり、ランドセルに入っていた時間割表を自分のノートに貼って残したり、付属のキーホルダーを外したり……

梱包した際、兄妹揃ってしばらくランドセルを撫でていた姿が可愛らしく、集荷時は受け取りに来た配達員の方が荷物を運ぶ姿をつい家族で見送ってしまい、不思議そうな顔をされました。
これからも長く使える形に生まれ変わったランドセル

ちょっぴり切ないお別れを経て、新たな姿に生まれ変わった完成品が届いた日、箱を開けた子どもたちも私も思わず歓声を上げました。
手に取ると革のやわらかな質感とツヤが感じられ、ふたりがランドセルを選ぶ際に決め手のひとつとなった内側の柄も生かされており、上品でおしゃれ。
大人の目から見ても「使いたい」と思える、大満足の仕上がりでした。

そして、もともとついていた傷や擦れを上手に残してくださっていることも印象的。ランドセルと共に元気に走り回っていた姿や小学生の時の生活の雰囲気が思い浮かび、子どもたちも嬉しそうに指でなぞっていました。
卒業時も卒業後も…「ランドセルとのお別れ撮影」はおすすめ!
長男が小学校を巣立つ前日、ママ友に誘われて下校時に「最後のランドセル姿」を撮りに行きました。
お友達と楽しそうにはしゃぐ背中を追いながら、親としてもひとつの節目を迎えるのだなと改めて実感する時間になり、「最後だから」と親子や兄妹で撮影できたことも嬉しかったです。
仕事などで来られなかったママたちにランドセルを背負ったクラスメイトの集合写真を送ったところ、とても喜んでくれました。

また今年、親戚で集まり写真スタジオで家族写真を撮る機会がありました。
その際に兄妹ふたりがランドセルを手に並ぶ姿を残せたのですが、入学当時の写真と見比べると、その成長ぶりに改めて感動。思っていた以上に胸に迫るものがありました。
家でのスナップも含め、小学校を卒業する前後の「ランドセルとのお別れ撮影」も、ぜひおすすめしたいです!
忘れられない「我が子のランドセルを背負った後ろ姿」
私の場合、子どもたちの小学校生活を思い返すと一番に浮かんでくるのは、ランドセルを背負った後ろ姿です。
兄妹どちらも、入学前に桜並木の下でピカピカのランドセルと一緒に写真を撮影したこと。
長男の入学2日目に雨が降り、心配で後ろからこっそり着いて行こうとしたら本人にバレてしまい、「ひとりで大丈夫だよ」と諭され苦笑したこと。
コロナ禍、夫だけひとり海外赴任先の南米に行ってしまい不安でいっぱいだった頃、小学校に入学した妹の手を引いて登校する兄の姿が、急に頼もしく思えたこと。
いよいよ海外転勤に出発する前、最後の登校日に自宅から学校に向かうふたりを見送った時のこと……

まだまだ抱っこできてしまうような体格だった入学時から、卒業を迎える頃には目線が近づき、中にはお子さんに背を抜かれる方もいらっしゃると思います。そうやって日々成長し、少しずつ新しい世界を広げていく姿を、私たち親と共に見つめてきてくれたランドセル。
新しく生まれ変わっても、家族みんなにとって「お守り」のような存在に思えます。
これからも優しい記憶をまとったまま、子どもたちの成長に寄り添ってくれたらと願ってやみません。
佐々木はる菜 Halna Sasaki
ライター
1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い2022年からの2年間をブラジル、アルゼンチンで過ごす。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。
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