早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届け!
【掃除機の吸引力が落ちたら?】実は簡単!家事のプロが教える、掃除機のパーツ別お手入れ&メンテナンス
-

藤原千秋
2025.10.23
この掃除機、最後に掃除したのはいつ?
お部屋、住まいをきれいにする道具である「掃除機」。でもそれ自身はほこりまみれ……ちょっと臭いも気になるかも……なんていう人も少なくないのでは?
なんとなく吸い込みが弱くなったなぁ、変な音がする、フィルターがすぐ詰まる――。それ、実は「掃除機の掃除不足」が原因かもしれません。
「そういえばこの掃除機、最後に掃除したのって、いつ?」
もしかして、買ってから一度もお手入れしたことって、ないかも――?!

どこをどう掃除する?
洗えるパーツ?洗えないパーツ?
そうは言っても、具体的に何をどうしたらよいのでしょう?
今回ご説明するのは最大公約数的な方法。みなさんのお持ちの掃除機も大きく外れてはいないと思いますが、この機会にぜひ一回しっかりお使いの掃除機の取説を最後のページまで熟読してみてください(だいたいお手入れ法は最後の方に書いてあります)。
海外製品など、思いもよらぬ掃除方法が指南されていることもありますので(ネタにはなりますが注意が必要です)。

【掃除機タイプ&パーツ別】お手入れのポイント
ダストカップ(サイクロン式掃除機など)のお手入れ
ダストカップ式なら、最近の機種なら外しての水洗いOKが多いです。
油性の汚れが付着している場合は、水だけでなく中性洗剤(食器用など)を薄めた洗剤液で優しく洗って、すすぎ、しっかり乾かして。
取り外せない周辺部を拭くときはモーター部に水がかからないようくれぐれも注意。
紙パック式のケース部分のお手入れ
紙パック式ならケース内の粉塵をブラシや乾いた布で落とします。乾いた状態では取りきれない汚れは、ここも少量の薄めた洗剤液で拭きましょう。
フィルター式のフィルターのお手入れ
基本的にプレフィルターは水洗い可。大きなゴミやホコリを除いてから水道で洗います。
HEPAフィルターは乾拭きまたはブラシで軽く掃除するにとどめて。ここは取説に従い、メーカーの指示を必ず確認しましょう。

回転ブラシ、ヘッドのお手入れ
絡まったヘッド、ブラシの毛髪・糸くずやゴミはハサミで切って、ピンセットなどで除去。取り外せるタイプは水洗い可であることが多いので、水道の流水で洗います。
薄めた中性洗剤を使ってよいというブラシなら半年に一回程度はしっかり汚れを落とせるとよいでしょう。洗ったヘッドやブラシは風通しのよい日陰に干します。
モーター付きブラシは水NGであることが多いので、周縁やブラシ面を硬く絞ったタオルなどで水拭き掃除します。
ホース・パイプ・アタッチメント部分のお手入れ
ホースやパイプの外側の汚れは、水で濡らし硬く絞ったタオルやマイクロファイバークロスで拭き掃除。機種でOKが出ていれば内部含めて水洗いできることもあります。
基本的に内部は細くて長い市販のブラシや割り箸、掃除用のマイクロファイバークロスなどの布でほこりを拭き取るようにすると良いでしょう。長いホース内部に溜まったホコリを吸い出す場合「もう1台の掃除機」またはブロワーを使う場合もありますが、もう1台がなくても、100円ショップなどで扱われている長いブラシで代用できることがあります。良さそうな道具を探してみてください。

「掃除機の掃除」に使う掃除機?
「掃除機を掃除するための掃除機」が必要? 笑い話のようですが、実際にあると便利、というかすでに掃除機を使って掃除機を掃除している方は案外多いのでは……。
とはいえ絶対必要、というわけでは全くありません。たとえば、古歯ブラシ+ティッシュ+割り箸といった身近な道具で細部のほこりを絡め取る。軽く濡らしたタオルを詰めて引っ張る、などの方法で汚れにリーチできることも。
どうしても手の届かない内部奥のホコリを飛ばしたいときは、ベランダなど屋外で軽く振る、エアダスターやブロワーを使うなど、家の中で完結させない工夫もポイントです。
定期メンテナンスの目安は?
さて掃除機の掃除。どれくらい頻繁に掃除機を使っているか、その使用頻度に汚れは比例するので一概にはいえないのですが、概ね目安は以下のようなものになります。
・ダストカップ/フィルター → 週1〜月2回
・回転ブラシ → 毛が絡んだらその都度
・ホース・パイプ → 季節ごとくらいの頻度でOK
忙しい毎日ではなかなか覚えてもいられないので、ざっくりしたタイミングでリマインドが飛んでくるようスマホなどに設定したり、手帳にチェックボックスを記しておいても良いかもしれませんね。
また一つの方法としては「フィルターはフィルターの日に洗う(掃除する)」というやり方も。空気清浄機も洗濯機もエアコンも掃除機もフィルターだけ外してまとめて始末。これはすっきりしますよ!
いつも使う道具こそ清潔に!
ほうきはなくても掃除機はある――くらいに、今や家庭の「清浄の象徴」ともいえる存在である掃除機。メインのキャニスター式(本体と吸い込み口がホースでつながっているタイプ)のみならず、コードレスのスティック式、ロボット式(掃除機)などひと家庭に2台、3台、4台と掃除機があるお宅も珍しくなくなりました。
全ての掃除機の内部までしっかり整えて、なんて現実的ではないかもしれませんが、メインの掃除機の吸い込みや音が整うとQOLが爆まででなくてもプチ上がるのは間違いありません。
次のお掃除の前に、まずは掃除機そのものをきれいにしてみませんか?
きっと自分の心の中まで、秋の空のように澄んで感じられるはずです!

LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!
この連載コラムの新着記事
藤原千秋 Chiaki Fujiwara
住生活ジャーナリスト、ライター
掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

















