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【バッグの汚れ、そのままにしてない?】 夏の汗もニオイもすっきり!リュックからエコバッグまでタイプ別お手入れテクニック
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藤原千秋
2025.09.25 更新日:2025.10.13
長かった夏の終わりに、バッグの“中と外”見直してみませんか?
この夏もいろんなところに行き、いろんなことがありましたね・・・充実の日々。やれやれ、しかし実のところ、活用していればその分だけの汚れが愛用のバッグにも蓄積している可能性があります。
それは汗、皮脂、ときに食べこぼし、湿気。うーん、ちょっとニオウかも知れません。そう気になってはいるから、すでに除菌消臭スプレーをしっかりかけてある。でも、それだけで、大丈夫?

バッグは洋服や靴と違って「洗う」「干す」といった日常的な習慣がないため、気づかないうちに汚れや菌がたまりやすいものです。だからこそ、今のタイミングで見直しておきたいのです。
バッグ、そんなに汚れてる⁉
よくある&見落としがちなバッグの汚れとは
マザーズバッグやリュックのなかに、食べかけお菓子や紙くず、子どものおもちゃ、レシート類が。
エコバッグには魚や肉のパックの“汁”漏れ、野菜クズや泥が。
手帳のボールペン先が出ていてバッグの内布に「ピッ」。
身体に密着した脇下や背中の汗が、染みてじっとり。
買ってすぐ放り込んだペットボトルの結露水が、びっしょり。
基本的に閉じられているバッグの中は思いのほか蒸れやすく、こぼれた汚れをエサに、豊富な湿気と温度に育まれた細菌たちも繁殖しやすい環境です。いくら除菌消臭スプレーをかけたところで、菌は死んでも「汚れ」までは消えません。だからやっぱり、適切で的確なケアが必要なんですね。

【バッグのタイプ別】素材に合った基本ケアのコツ
Type
01
基本ケアのコツは?
ナイロン・キャンバス素材のバッグ
お手入れ方法
身近な素材感で使いやすいナイロンやキャンバス素材のバッグ。汚れが気になれば洗濯できるものも多いのですが、商品ごとに洗濯表示を確認することと、色落ちへの注意は必須です。洗う際にもできるだけネットに入れて単体で洗い、お洒落着用中性洗剤を選ぶようにしましょう。
また、変色や色抜けのリスクがあるのでシミには漂白剤ではなく、界面活性剤系の部分洗い洗剤を使うようにするのもポイント。それから洗濯機OKでも「型崩れ」「摩擦色落ち」にはご用心です。
今日からできる、毎日ケアのコツ
帰宅後に乾いたタオルでサッと表面を拭くだけでも、汗や皮脂を取り除くことができます。
Type
02
基本ケアのコツは?
合成皮革のバッグ
お手入れ方法
「高見え」するけどお手頃だったり、軽くて使いやすい合皮バッグの最大の敵、それは“加水分解”。
水(湿気)と素材の化学変化で、ある日突然、文字通り表面やベルトや持ち手、内側が「ボロボロ」に剥けたり壊れたりしてしまうものです。バッグが受けやすい「湿気×皮脂」のコンボに加え、夏の紫外線もダメージ要因。 合皮バッグには定期的な陰干しと、時々の水拭き+乾拭きのケアを習慣化すること。やや乾燥がちにさせることで結果的に長持ちします。
今日からできる、毎日ケアのコツ
帰宅後に2〜3分、風通しの良い場所に吊るすだけでも効果的。

Type
03
基本ケアのコツは?
本革のバッグ
お手入れ方法
生き物由来の本革は比較的湿気や汚れにも強い素材ですが、外側が本革でも内側が合皮ということもあり、そこで“見えない加水分解”が進んでいることがあります。保管環境が劣化を左右するため、長期間しまう際には、ポリエステルわたの除湿剤を一緒に入れておくと安心です。
外側は本革用のオイルやクリームで定期的にケア。ただし内張りが合皮の場合は同じケア剤は使えないので注意して。
今日からできる、毎日ケアのコツ
クリームは薄く伸ばすこと。厚塗りはかえってカビの温床になります。
Type
04
基本ケアのコツは?
リュック
お手入れ方法
夏場はとにかく背中に汗をかくため、リュックは背中側が湿って臭いやすいもの。さらに小さなポケットやサイドのドリンクホルダーなど、汚れやすい構造を持ちながら素材はナイロン・キャンバス・合皮・本革のコンビネーションと複雑なリュックは、とりわけ汚れやすいバッグといえるでしょう。基本的には各素材に合ったケアを行います。
ただ、背中側パネルを取り外しての部分洗い(洗濯)が可能なこともあります。また全体を洗濯できない場合も、お洒落着用中性洗剤の薄め液(手洗い相当)に浸した濡れタオルでの「拭き洗い+濯ぎ拭き洗い」と、しっかり陰干しをすることでも臭いは減らせます。
今日からできる、毎日ケアのコツ
週末に肩ベルトと背中側だけでも「拭き洗い」を。
Type
05
基本ケアのコツは?
エコバッグ
お手入れ方法
食品を入れることが多く、結露水や食材由来の汚れが付着しがちなエコバッグ。放置するとニオイだけでなくシミやカビの原因にも。 まずは洗えるものと洗えないものを見極めて洗えないものはアルコール拭き、洗えるものはお洒落着用中性洗剤で手洗い、可能なら洗濯機洗いを行います。なるべく衛生的な状態にしておけるようにしましょう。
今日からできる、毎日ケアのコツ
複数持ちを基本にして“ローテーション洗い”が理想です。

バッグを洗う前にチェック!やっておくべき3つのこと
さて洗えるバッグならやっぱり洗いたいものですよね。でもバッグだからこそ気を付けておかなければいけないポイントがあります。
1.バッグの中身をすべて出す&ポケットなどの中も確認
内ポケットの飴や常備薬、ペンをそのまま洗ってしまうと大惨事に!
2.金具・ファスナー・革パーツが洗えるか確認
ショルダーベルトなど一部だけ外して洗う工夫も必要です。
3.色落ちテストを目立たない場所で
合皮・ナイロン製品は要注意。水により風合いが変わることもあるので必ずテストを。
お気に入りのバッグを、ずっと気持ちよく使うためにできること

長く続く暑さにぐったりしているのは、人もバッグも同じかも……。忙しい日々のなかでは、お手入れもつい後回しにしがちですが、ほんの少しのケアの積み重ねが、そのバッグを気持ちよく使い続けられるかどうかを決めます。
まずは、陰干しから。小さな一歩を始めてみませんか。
LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!
藤原千秋 Chiaki Fujiwara
住生活ジャーナリスト、ライター
掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

















