長引く物価高への対抗策として、「支出を減らす」より「収入を増やす」ことに力を入れたいと考えている人が32%――「メルカリ ハロ」の調査で、そんな結果が出ました。
収入を増やす選択肢として、スキマ時間を使って数時間だけ働くスポットワーク(スキマバイト)への関心が高まっています。
スポットワーカーが増えています

従来のアルバイトとは異なり、仲介サービス業者が提供するアプリに登録することで、履歴書や面接なしにすぐ働ける手軽さが特徴です。求人側にとっても、定期バイトを募集してもなかなか人材が集まらない昨今、忙しい時間帯や繁忙期だけ働いてくれるスポットワーカーはありがたい存在。
この「働きたい人」と「働いてほしい企業」をマッチングするサービスがスポットワーク仲介です。業界大手のタイミーをはじめ、2024年3月にはメルカリが「メルカリ ハロ」の名称で参入。アルバイトというと若者や学生のイメージですが、各社の登録者の内訳をみると3割程度が会社員で、年齢層も幅広く、50代以上も働いています。スポットワーク協会によると、2025年7月1日時点のワーカー登録会員数は約3700万人。労働市場を見ても、パート労働者全体に占めるスポットワーカーの割合はじわじわ上がっているようです。
トラブル時はまず自分で対応する必要が

求人の業種で多いのは、物流(倉庫での軽作業など)・飲食・小売り・フードデリバリー等などで、スポットワークでは、経験や特別なスキルが必要ない、簡易な作業を任されることが多いようです。
ただ、中には最初にイメージしていた仕事と違ったという場合も。求人先とのトラブルは、まず自分で対応し、その後に仲介業者に報告することになります。
勤務中にケガをした場合は労災の対象になりますが、その場合も働き手が企業側と手続きを行います。仲介サービス業者はあくまでマッチングの場を提供する立場のため、手続きの代行などは原則しないのです。
また、短時間に限ったアルバイトなので、社会保険への加入もありません。スポットワークはあくまで副業であり、将来の年金を考えるなら厚生年金に加入できるような働き方を目指す方がいいでしょう。
企業側も、まずスポットワークでその人の適正を見極め、その後正式に雇用するというプロセスを取るところもあるようです。働く側も、様々な仕事を体験するうちに、自分に合った仕事が見つかるかもしれませんね。スポットワークのメリットデメリットをしっかり理解したうえで利用しましょう。
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松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。
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