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熱中症を対象とした保険が登場。その内容は?おすすめは? スマホから100円から入れるものも! 

  • 松崎のり子

2025.08.12

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熱中症を対象としたスマホ保険が、続々登場 

松崎のり子さんの知らなきゃ損するお金の話 「熱中症保険」熱中症イメージ

今年は6月から猛暑となり、関東では梅雨明けする前から熱中症リスクが高まりました。暑い期間も長引くようになっており、気象庁によると9月までの気温は例年より高い見込みだとか。もはや、「例年の暑さ」がどのくらいのだったか思い出せないほどですね。命に係わるほどの酷暑が続くと、熱中症が懸念されます。野外だけでなく、室内でも夜間でも発生し、救急搬送された約4割が住居からだったというデータもあります。

こうした危機意識を受けて、熱中症を対象にしたスマホ保険がどんどん登場しています
特徴は、1日から加入できること、スマホのアプリ上で加入から保険料の支払いまで手軽に済ませられることです。

代表的なものに、PayPayほけん「熱中症お見舞い金」、NTTドコモ「ドコモの熱中症お見舞金保険」、楽天ペイメント・楽天少額短期保険「熱中症のほけん」などがあり、これらはスマホ決済アプリの残高やポイントを保険料の支払いに充てることができます。100円ほどで入れるうえ、ポイントで支払えると聞くと、とてもお手軽に感じますね。

医療保険に加入しているなら十分?

松崎のり子さんの知らなきゃ損するお金の話連載「熱中症保険について」イメージ

こうした手軽さからか、加入する人は少なくないようです。PayPayほけん「熱中症お見舞い金」の場合、7月2日時点で今年度の加入件数が7万件を突破したとか。これは昨年度の同時期と比較しても約2倍のペースだそう。急激に暑くなったことで関心も上がっているのでしょう。

とはいえ、肝心なのは保障の内容です。
先の3社を比較すると、その差はほとんどありません。1日100円の保険料の場合、保障内容は治療保険金1万円/1回、入院保険金(1泊2日以上の入院が対象)3万円/1回という金額で、加えてドコモでは救急搬送見舞金1万円が加わります。もちろん、熱中症と診断され、医師の治療を受けた場合が給付の対象です。

ここで疑問がわきますよね。これとは別に医療保険に入っている場合はどうなるの?と。
緊急搬送や日帰り治療は対象外ですが、入院給付金が出るタイプの医療保険に入っていれば、入院して治療を受けた場合はもちろん保障の対象になるでしょう。

それでもあえて入るとするなら、アプリの契約者本人ではなく、子どもや高齢の親を被保険者にすることもできるので、そうした利用法がいいかもしれません。特に、熱中症で救急搬送されている年齢は65歳以上が半数以上なので、親が古いタイプの医療保険に入っていて保障が薄いというケースに役立ちそうです。

この保険の人気の理由は、わずか100円ほどの保険料とポイント支払いにあるのではないでしょうか。誰でも100円分程度のポイントはアプリに残っているものですから、その消費先としてちょうどいいのかもしれません。

ともあれ、熱中症にならないことが一番大事です。こまめな水分補給や適切な冷房の使用など、しっかり対策を取りましょう。(緊急搬送のデータは令和6年・消防庁発表資料より)

松崎のり子 Noriko Matsuzaki

消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。

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