少ない労力で"快適"をキープできることを大切に
【内田彩仍さんの家とモノ選び】楽ちんだけど美しく、心地よい暮らしの秘訣と暮らしの道具を一挙公開!
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LEE編集部
2025.08.17
「理想の部屋」と「もの選び」、どう変わってきましたか?
内田彩仍さんの
頑張らなくても毎日気持ちいい暮らし

衣食住にまつわる著書を20年以上にわたり出版してきた内田さん。年齢や環境の変化に合わせ、生活は少しずつ変化していきました。
5年前には、夫婦ふたりでマンションから一軒家に引っ越し。今現在感じている心地よさと、その作り方をうかがいました。

教えてくれたのは?
内田彩仍さん
うちだ・あやの
福岡県在住。丁寧な暮らしぶりやセンスあふれる着こなしが人気を集め、著書を30冊以上出版。
「今の暮らし」を助け、豊かにする品々への思い入れや選ぶ理由を綴った著書『衣食住、暮らしに寄り添うもの選び』(集英社クリエイティブ)が好評発売中。
内田さんの最新の著書はこちら!
これからの暮らしは、少ない労力で"快適"をキープできることを大切に

自分の口から『面倒くさい!』という言葉が最初に出たとき、けっこうびっくりしたんです。あんなに家事が好きで頑張ってきたのに、まさか自分からそんな言葉が出てくるなんて(笑)
そう話す内田さん、かつては「家事が趣味」とも呼べる暮らしを長く続けてきました。もともと掃除や洗濯は大好き、家にいる間は睡眠と仕事以外すべて家事をしていたというほど。
手をかけて暮らすことへの憧れもありました。陶器の貫入がきれいに入るよう、漂白して乾かしたり、木の器やスプーンにオイルを塗ったり…『面倒くさいこと』が好きだったんです
40代までは気力や体力があるので、機能性より見た目重視でものを選ぶこともしばしば。そんな状況が変わってきたのは、40代後半から50代にかけて。
体調の変化や親や家族の用事で余裕がなくなり、最近はむしろ自分をいたわり、手間を省ける生活道具と暮らしていきたいという気持ちのほうが強くなっていったといいます。
インテリアも現在の一軒家に行き着くまで、さまざまな変化がありました。
結婚10年目に購入した新築マンションのインテリアは、当時人気だったカントリー調の影響が強く、もう少しナチュラルな雰囲気でした。
雑貨ブームもあり、住まいの福岡からよく東京に買い物にも行っていましたね
部屋に雑貨を飾るのが楽しく、「好きなものは全部見ていたい」と、手持ちの雑貨をズラリと並べていた時代もあったとか。そんな内田さんの好みの変化が訪れたのは2004年頃。
ある雑誌でフィンランドのデザイナー、А・アアルトの自邸の写真を見てショックを受けたんです。『本当は私、こんな雰囲気が好き』と目覚めて。
北欧デザインは一見シンプルですが、デザイナーのセンスや生活哲学が垣間見られるところに惹かれます。以来少しずつ家具や照明、色使いなどで北欧テイストを取り入れていきました
そして2020年に、家族の状況や今後の経済面なども考え現在の一軒家へ。かつてマンションでリフォームを行ったときは天然木の床や珪藻土の壁など、経年変化を楽しめる天然素材にこだわりましたが、今回最も重視したのは「手入れのラクさ」です。


実際に住むと天然素材は心地いい反面、メンテナンスの大変さも痛感して。今でも好きな気持ちは変わりませんが、先々の自分をいたわる気持ちのほうが強くなりました。
視点を切り替えると、今は少ない労力できれいを維持できる便利なものが、色や質感も含めて豊富にあります。そういったものの力を借りながら、今後もくるであろう体調や環境の変化も大らかに受け止めて、気持ちよく暮らしていきたい。そんなふうに考えるようになっていきました





終わりのない家事がスムーズに回る
「毎日気持ちいい」を作る習慣と仕組み
内田さんが自身や環境の変化に合わせて考えてきた習慣や生活の仕組み。いつもクリーンで気持ちのいい状態を頑張らなくてもキープできる、お手本にしたいアイデアが満載!
内田さんが“いいもの”を見つけられる秘訣は?
「検索力」と「待てるようになったこと」
「何かものを欲しいと思ったとき、自分の中で〝とっかかり〞となる言葉を入れ、検索を繰り返すんです」。
例えばリビングに敷くラグが欲しかったら、「シャギーラグ 大判 グレー」といった具合に、品名だけでなく色やサイズ、デザインなどを入れて探し、事前にスペック面をじっくり検討。必要があればお店に足を運んで現物を見て、質感などを確認して買うように。
「間に合わせで買わないことも大切です。若い頃はすぐに欲しくて失敗もありましたが(笑)、今は本当に気に入るものが見つかるまで待てるようになりました」(内田彩仍さん)
ホコリ取りは日課に。その分、掃除しやすいものの量をキープ


「夫も私もハウスダストアレルギーなので、毎日やっておくとホコリがたまらないので安心です。毎朝の掃除は一連のルーティンにして、体が自然に動くように」。量が多いと凹凸が増え、手間も増えるの飾るアイテムは厳選。
ユニ・チャームの「ウェーブ ハンディワイパー」でさっと落とし、複雑な形のものはセリアの手袋型の掃除用クロスでぬぐっていく。
コンロをIHクッキングヒーターにして使うたびの掃除がとてもラクに

「かつては『火が出ないコンロなんて』と思っていましたが、先を考え新居はオール電化に。五徳がないと掃除がこんなにラクだとは驚きでした!」。
掃除は食器用洗剤を吹きかけスポンジで磨き→キッチンペーパーで拭き取り→アルコールスプレーを吹きかけニトリのファイバークロスで拭く、の3ステップ。使うたびに掃除するので常にピカピカ。
電子レンジも使うたびに拭き掃除。庫内がフラットだからストレスフリー

「掃除が苦にならないためには、掃除しやすい形状であることも大事」と内田さん。パナソニックのオーブンレンジ「ビストロ」もそんな理由で購入した家電のひとつ。
庫内に汚れがついたまま加熱すると、においやこびりつきの原因になるけれど、使用後にウェットティッシュで拭いておくだけで、購入してから5年たっても新品同様の清潔感!
ダイニングテーブルは家具店に頼み劣化を防ぐウレタン塗装仕上げを

以前の食卓はオイル仕上げで、天板を研磨して、オイルを塗布するなど年数回のメンテナンスが必須でしたが、新居ではウレタン塗装に。
「以前は『全ツヤ』『半ツヤ』の二択だったウレタンに『三分ツヤ』が登場。風合いも気に入り、心置きなく水拭きできるようになりました」。キッチンカウンターの天板も水拭きしやすいよう、メラミンシートを。
キッチン、ダイニングの床は丈夫なフロアタイル+目地棒で

フローリングよりも水に強く、フロアシートより風合いがいいという理由で導入したサンゲツのフロアタイル。「石のような質感の洗練された雰囲気で、汚れに強く傷がつきにくいと導入して大正解でした。目地棒を入れると継ぎ目も気になりません」。
あまりにも気に入って、洗面所やトイレなどほかの水まわりもフロアタイルに替えたそう。
替えどきが判断しにくい消耗品は使用期間を決めて定期交換を

古くなったら、汚れたら…と思っていると、くたびれたものをずるずる使い続けていることの多い消耗品。なのでキッチンスポンジは週1回、歯ブラシは月1回、お風呂のボディタオルは3カ月に1回といった具合に交換時期を設定。
「消耗品に関しては『もったいない』は心を鬼にして封印。さっぱり暮らすことを優先させるようにしました」
かけるのがラクな枕カバーを選び毎日洗濯していつも清潔に

黄ばみやにおいが気になる枕カバーは、ほぼ毎日交換を。そのため取り外しや取り付けがラクチンな、ニトリの「のびてピタッとフィットする枕カバー」をチョイス。
「ベッドリネン類はピシッとシワがない状態が好きなのですが、筒型の枕カバーだとアイロンをかけたくなるし、交換も手間。こちらはシワになりにくく乾きも早いので、助かります」
「毎日気持ちいい」を作る
暮らしの道具
長年もの探し&もの選びを続けた内田さんが今選ぶお気に入り。
デザイン性はもちろん「これぞ」と唸る使い勝手のよさや手放せない理由がありました。
料理に合わせて選べる5サイズを揃えた鍋

コンロがIHになったことで鍋は熱伝導のいいストウブで統一し、14、16、18、20、24㎝と5サイズを所有。「鍋に関しては『大は小を兼ねない』と思っていて、14㎝ならジャムやアヒージョ、20㎝はカレーやシチューといった具合に、ちょうどいいサイズだと料理も作りやすくて味もおいしくなります」
手入れしやすさを重視した日本&北欧ブランドの磁器

コロナ禍で来客用などを一気に整理し、ピーク時から1/3量程度になったという器類。残ったのはアラビアのヴィンテージや「パラティッシ」シリーズ、ユミコイイホシポーセリンのオーバル皿など、手入れがラクな磁器中心に。
「それでもまだ量は多いので選ぶ楽しさも残しつつ、食器棚も取り出しやすくなりました」
保存容器は中身がわかるガラス製

食材の買い出しに行った翌日に1週間分の野菜の下ごしらえを行っている内田家。保存はイワキの「パック&レンジ」を活用。
「残量も一目でわかり、電子レンジにも対応。色やにおい移りもなく、清潔に保つことができるのがうれしい」
拭き掃除がはかどるクロス&ペーパー

ニトリの「使い捨てマイクロファイバークロス」はテーブルなどを拭くのに。繰り返し使えて吸水力も抜群、窓拭きにも便利。
クレシアのハンドタオルはアルコールスプレーの拭き上げに。「拭いても拭いても出る毛羽残りがなくて、感動!」
猫が触れても安心なオイルを家具用に

ハワードのカッティングボード用のオイルは、透明で無臭の食品グレードの鉱物油。ベタつかずサラリとした仕上がりで、椅子やチェストなど家具のメンテナンスオイルとして活用している。
「のびもよく、広い面積でもラクに塗布できます」
適正サイズのフードプロセッサー

リンクシェフのフードプロセッサーは軽量で小型、2人分の食事作りにちょうどいいサイズ。価格は手頃なのにパワーは強力で、ステンレス製で手入れもラクチン。
「玉ねぎのみじん切りも大根おろしも、あっという間に出来上がります」
手軽でメニュー豊富なコーヒーメーカー

夫婦ともにコーヒー党で、数年前からネスプレッソのカプセル式コーヒーメーカーと、コーヒー以外のメニューも多いドルチェ グストを導入。
「以前は時間をかけてドリップするのも楽しんでいましたが、ラクで味も安定しておいしいです」
水の濁りが目立たないグレーの花器

花器の水替えの頻度を減らすために栄養剤を使うことにしたものの、水が濁るのが難点。「クリアガラスだと少し気になりますが、グレーを選ぶことで解決しました。生ける花の色も選ばなくてグリーンもよく映えます」。
こちらはイッタラのもの。
バブーシュは白から黒へ変更

室内履きは長年モロッコのバブーシュを愛用。「以前はあえて白を選ぶことで汚れを見つけやすくしてお手入れをしていたけれど、2日ともたないので疲れてしまって(苦笑)」。黒にすることでメンテナンスの回数が格段に減ったそう。
防犯も兼ねた差し込み式ライト

土に埋め込むだけで手軽に設置できるガーデンライトは、昼間に浴びた太陽光を電気エネルギーに変換して、日が落ちると自動に点灯するソーラー式。
「夕刻帰宅したとき玄関が明るく安心。アマゾンで4本セット3000円台とお手頃でした!」
水が入れやすく掃除もしやすいジョウロ

溝のある独特な注ぎ口が特徴のガーデンビートルの「フォンタナジョウロ」。噴水のようにふわっと水が流れ、植物に負担をかけない。
「上から見るとバケツのような形状で、掃除もしやすく栄養剤も入れやすい。花を収穫するときも重宝」
Staff Credit
撮影/大森今日子 取材・文/田中のり子
こちらは2025年6月号(5/7発売)「内田彩仍さんの頑張らなくても毎日気持ちいい暮らし」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(2025年6月号現在)です。
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おしゃれも暮らしも自分らしく!
1983年の創刊以来、「心地よいおしゃれと暮らし」を提案してきたLEE。
仕事や子育て、家事に慌ただしい日々でも、LEEを手に取れば“好き”と“共感”が詰まっていて、一日の終わりにホッとできる。
そんな存在でありたいと思っています。
ファッション、ビューティ、インテリア、料理、そして読者の本音や時代を切り取る読み物……。
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