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夏の【おすすめダニ対策方法】布団や寝具のお手入れで、寝苦しくならない!

  • 藤原千秋

2025.06.26

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今年も空気がじっとり重く湿り、日々じわじわ気温の高まる季節がやってきました。
折々降る雨が恵みの水とはわかっていても、もたらされる湿気はどうしようもなくいただけないものです。

そんな寝苦しい夜、睡眠を妨げる不愉快さの背景に実は「ダニ」が潜んでいるかもしれません
今回は微小ながらもあなどりがたい、この「ダニ」という生き物の生態と、梅雨から夏にかけての寝室づくりについてお話ししてみたいと思います。

Index
  1. そもそも「ダニ」って何?
  2. 最優先で対策すべきは「寝具まわり」
  3. 「冷感グッズ」も上手に取り入れて
  4. 「ダニ」だけじゃない。夏の不快はまとめて対策
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そもそも「ダニ」って何?

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「梅雨は”カビ””ダニ”に注意」なんてよく言われますが、そのダニがどんな生き物なのか詳しく知っている人は決して多くありません。

まず「ダニ」は虫ですが昆虫ではなく、近しい仲間に「クモ」がいます。
その「ダニ」だけで全世界に45000種もいると言われていますが、私たちの住まいの中で問題になるのは、おもにコナヒョウヒダニなど「チリダニ」の類とフトツメダニなど「ツメダニ」の類になります。
体長はおよそ0.2~0.5ミリメートル。体色は半透明から白色。特に「チリダニ」が私たちの住環境では多く見られますが、これは私たちを刺すダニではありません。おもにその死骸(の乾いた欠片)やフン(の乾いた欠片)がアレルギーや喘息の原因になるものです。この「チリダニ」が増えるとチリダニを捕食する「ツメダニ」も増え、このツメダニが私たちの皮膚を刺して、かゆみを引き起こすことがあります。

チリダニは気温20〜30度、湿度60%以上という環境で活発化します。まさに梅雨〜夏は繁殖シーズンなわけです。
特にほんのり湿って温かい寝具の中(布団やマットレス、枕など)やカーペット、布ソファなどといった人の汗や皮脂、フケなどが溜まりやすく、かつ湿気がこもりやすい場所はダニの天国になってしまいやすいのです。

最優先で対策すべきは「寝具まわり」

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寝具まわりは、ダニ対策の中心ともいえる場所です。
では、そもそも「虫対策」といえば何を思い浮かべるでしょうか?
虫対策……虫といえば、殺虫剤!? 
ついつい薬剤系のアイテムに目が行きがちですが、実は「ダニ対策」で何より大切なのは「日々の寝具の管理」だったりします。

まず、基本のきとして押さえておきたいのが寝具に「湿気をこもらせない」こと
朝起きたらすぐにベッドメイクをしたり布団を畳んでしまわず、しばらく掛け布団をめくったままにして湿気を飛ばすようにしましょう。
窓を開けられる日は開け、風を通すのも大事。また布団やマットレスの下に除湿シートを敷いておくと、目には見えない湿気の蓄積を防ぐのに役立ちます。
布団やベッドに布団掃除用のアタッチメントをつけた掃除機をかけダニの死骸などを吸引したり、ダニを死滅させる高温機能付きの布団乾燥機を使うのも良いでしょう。

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ただ、どんな便利グッズも清潔さあってこそ効果を発揮するので、敷きパッドやシーツ、枕カバーといった洗える寝具は週1回を目標に「こまめ」な洗濯を心がけたいところです。
特に梅雨どきは「天気がいい日を待って」いては洗濯が間に合わないこともあるので、乾燥機や浴室乾燥を用いたり、部屋干しに除湿機やエアコンなど併用するなど、使える家電はしっかり活用していきましょう。

そのうえで、生きているダニを捕獲する「ダニ捕りマット」を下半身の敷布団下に仕込んでおくとより安心できます。ダニ捕りマットは誘引剤入りのもので、なるべく新しいものを、定期的に入れ替えることが大切です。

「冷感グッズ」も上手に取り入れて

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夏の寝苦しさ対策として近年人気の「クール敷きパッド」など「冷感寝具」。ひんやり肌触りもよく、見た目にも涼しげですが、こちらも清潔に保つことが大前提のグッズです。
肌に密着する冷感素材の寝具には汗や皮脂がつきやすく、しっかり洗わないとそれ自体がダニの温床になりがちです。枕などまで含め、できるだけ「洗濯機洗濯OK」の素材を選んでおくと、お手入れへのハードルがぐっと下がります。
ちなみにこういった機能性繊維の洗濯に柔軟剤は使用しないようにしましょう。効果を失わせてしまいかねません。

また、ひんやり感だけでなく、そもそもの寝具の通気性や肌ざわりの軽さ、洗濯しての乾きやすさなど見直してみてはいかがでしょうか。たとえば、麻などリネン素材、メッシュ生地や中材などは、乾きやすさや通気性の点で夏向きといえるでしょう。

このように総合的に寝室の快適性も見直しておくことで、自然と湿気がこもりにくくなり、ダニの居場所もさらに減らすことができます。



「ダニ」だけじゃない。夏の不快はまとめて対策

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梅雨から夏にかけての寝室、住まいには、ダニだけでなくカビやほかの虫、嫌なニオイといった、さまざまな不快が重なりやすいもの。
ただ逆にいえば、こうした不快に一つ一つ対処していくことで、ぐっと睡眠しやすく、日々が快適になるということでもあります。

寝苦しい夜が増えてくるこの季節。体の疲れがとれないと感じたら、「エアコンをつけるかどうか」「設定温度を何度にするかどうか」だけでなく、まずは自分が毎晩、どんな環境で眠っているかを見直してみてください。
また同じ寝室内にカーペットやぬいぐるみ、カーテン、衣類など、他の「布製品」がある場合、そこにもダニが潜みやすい点にも留意しておいてください。

寝室の湿度の目安は年間を通じて、梅雨時でも50〜60%。外気が乾燥している場合は自然換気をうまく取り入れ、難しい場合には除湿機やエアコンを使って湿度60%を下回るよう調整し、70、80%という空気が湿りすぎている状態は長く続かせないようにしたいものです。

日々の工夫で不愉快な湿気とダニと、できればさよならして、さらっと心地よい夏の夜を迎えられますように。


LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!

藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住生活ジャーナリスト、ライター

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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