根っからの片づけ魔!「年に4回、季節ごとに衣替えをします」
【スタイリスト 佐藤佳菜子さんのダウンサイジング後】スーツケース2つの生活を経験して、今大切にしているもの
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@homeLEE 私らしく建てる、心地よく暮らす
2025.06.27
不要なものを減らしたから見つかった、本当に大切なこと
選ぶ目のある人の【ダウンサイジング後の暮らし】スタイリスト 佐藤佳菜子さん
もの選びのセンスも素敵な人は、何を手放し、どんなアイテムを残したのか——。スタイリスト 佐藤佳菜子さんの〝ものとの向き合い方〞の変化を伺いました。

佐藤佳菜子さん
スタイリスト
家族構成:1人+犬2匹間取り:2LDK 広さ:約70㎡
さとう・かなこ●洗練されたシンプルベーシックなスタイルが女性誌やwebで人気。自身のオンラインブティック「boutique310」も立ち上げる。
家具、服などを9割減
スーツケース2つの生活を経験してなんとかやっていけるものだなと。片づけやすいと心が落ち着きます

ファッションスタイリストという職に就く人のクローゼットは、数々の美しい服がぎゅっと詰まっている。そんなイメージを持つ人も多いのでは。けれども佐藤佳菜子さんは業界内でも有名なほど、根っからの片づけ魔。クローゼットにも余白がたっぷりあります。
「年に4回、季節ごとに衣替えをして、着心地が悪かった服などは季節の終わりに整理して、来シーズンに持ち越しません。毎回段ボール約1箱分は手放しているかも」
潔く「いる・いらない」を判断する力は、ファッション撮影の裏側で、鍛えられたと言います。
「1回の撮影で、現場に大量の服を集めてコーディネートを決めて片づけて、の繰り返し。どうしたら効率よく作業できるかを常に考えていました。その積み重ねが今につながっているかもしれません」
プライベートでは約5年前に、イギリス人の夫との結婚生活を終えて、拠点にしていたロンドンから帰国。持って帰ってきたのは、スーツケース2つ。数カ月の間、それだけで生活をしていました。
「もちろん満足ではないですけど、まぁやっていけるな、と。ロンドンに渡るとき、そして戻るときと人生の転機で否応なしにたくさんのものを手放してきました。自分でも驚きますが、それらを思い出したり、惜しいと思ったりしたことは一度もなくて。私は過去の自分に、まったく興味がないんだなとあらためて気づいたんです(笑)」

現在のマンションでも、無理にものを減らすつもりも増やすつもりもなく、必要な分だけ持っていようと意識する程度。そんな佐藤さんが新しいものを取り入れるときは、独自のルールがあるそう。
「何かを手に入れるときは“持っていないから”ではなく、“持っているから”が基準なんです。ベージュが基調の家に合う白木の棚だったり、手持ちの黒いシャツに合わせやすい同色のパンツだったり。思いきりよく手放す私が家に残しているものは、自分が心地いいものだから。新しいものにチャレンジをするより、持っているものに溶け込む『仲間探し』をしながら、今の暮らしを楽しんでいます」
佐藤佳菜子さん
ダウンサイジング後に佐藤さんが大切にしているもの
ファッション業界の中でも片づけ魔として知られる佐藤さんが、〝これだけは残しておきたい〞と、今大事にしているものを拝見。
佐藤さんが残したものの基準
・昔から使い続けていて、体になじむファッションアイテム
・すっきりとした空間に映え、目に潤いを与えるもの
履き心地がよくて自分らしさを発揮できる靴

「靴は格別大好きな存在で、ヒールやブーツ、いろいろお気に入りはありましたが、今残っている主なものは3種類。『メゾン マルジェラ』のTabi(タビ)、ネイビーのローファー、『VANS』のスリッポン。定番のコンサバスタイルを自分らしくしてくれます」
チープなものでも捨てたことがないコスチュームジュエリー

「母親が大ぶりのピアスをしている人で、その影響からか個性的なジュエリーを集めています。なんでも潔く手放すのに、ジュエリーはどんなものでも捨てません。将来ホワイトヘアのおばあちゃんになったとき、じゃらじゃらとつけておしゃれをしたいんです」
ランダムに並べても絵になる多国籍の食器

群馬県にある「古道具・熊川」で出会ったアンティークの食器棚には、旅先などで手に入れた器やオブジェが。
「食器はブルーとグリーンを揃えていた時期もありましたが、最近はいろいろ。季節や気分、料理に合わせて楽しめるので、この食器棚からあふれなければいいということにしています」
余白のある空間を引き立てる紋様のある壺

「なぜか壺という造形物に弱く、蚤の市や古道具店などで見つけたものから奮発したものまで、ピンときたものは手に入れています。気分によって、あちこちで花を生けることも。ものが少ないすっきりした空間なので、華やかさが引き立つ気がします」
手放すことで、ライフスタイルにも変化が
佐藤佳菜子さんが、ダウンサイジング後に新しく取り入れたこと
ものを減らすことでできた空間と心の余白には、新しい風が吹くもの。今回取材させていただいた佐藤佳菜子さんも、新しい習慣や挑戦を始めていました。
空間とのバランスに目が向く和花の世界に魅了されています
佐藤佳菜子さん

今までは洋花はよく飾っていた佐藤さんですが、最近は和の花の魅力に開眼。
「和花は花だけでなく、花器や飾る背景など、空間とのバランスも楽しむものとお店の方に教わって、配置や花器などを選ぶ楽しみが増えました」。
シンプルな空間と流木を用いた台に、山つつじが見栄えよく飾られています。
佐藤佳菜子さん
Staff Credit
撮影/メグミ 取材・原文/田中理恵
こちらは2025年7月号(6/6発売)「素敵なあの人の『ダウンサイジング』と、その後の暮らし」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(2025年7月号現在)です。
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