主人公はファッション業界のMD職!
アパレルメーカー出身の作者が描く
服を愛する者たちの負けられない戦い
「そんなわけなんで 今 服が売れません」——そんな不穏なひと言で始まる、ファッション業界が舞台の漫画『アパレルドッグ』。売り上げデータの管理や販売計画、サンプル作製、発注などを行うMD(=マーチャンダイザー)という専門職を扱いながら、ニッチになりすぎず人気を集める理由とは?
主人公は、大型ショッピングブランドの「ミシロ」でMDとして働く田中ソラト。洋服が好きで、自宅のボロアパートには寝るスペースを侵食するほどの服・服・服! 中堅として仕事に邁進するも、廉価ブランドがひとり勝ちする空気感の中、「俺 ファッションの仕事できてんのかな」と焦燥感も。
そんな中、ブランドをもっと成長させるため、会社から「ミシロ・メン」の立ち上げを拝命! 失敗したら実質クビという社運をかけたプロジェクトに、新人MD・すばるや同期のデザイナー・キヨヒトとともに乗り出します。商機が見えない中、すばると行った店舗での現地調査を経てソラトがひらめいたひとつの案とは——。


©林田もずる/講談社
ファッション班の編集者として、仕事柄MDの方々と接することもありますが、こんな具体的に仕事内容を知る機会は今までなかったので興味津々。これほど多岐にわたる業務でブランドを支えていたなんて! 作者の林田もずるさんはアパレル業界出身の元デザイナーだそうで、キャリア約30年という大ベテラン。個性豊かながら“実際にいそう”と思えるキャラクターたちや、細部にわたるリアリティにも納得です。
大好きな服を守るために、どうすれば売れるのかを必死に考え、行動し、周囲を巻き込み実現に向かっていく。がむしゃらなソラトの姿は、「服が売れない時代」という姿の見えないラスボスと戦う冒険者のよう。損得や効率だけではたどり着けない最終ステージまで、応援しながら見届けたい! そして「ミシロ・メン」のラインナップ、発売されたら私も絶対買いたいです!!
『アパレルドッグ』

林田もずる
レディスブランドのMDとして働く主人公・田中ソラト。中堅となる入社8年目、突然会社からメンズブランドの立ち上げを命じられる。ただでさえ服が売れない今の時代、どうすれば多くの消費者に届くのか? 普段何気なく買っている服を見る目が変わる一作。3巻~ ¥759~ 講談社
こちらもオススメ!
『服福人々
―ふくふくひとびと―』

坂本拓
サラリーマンとして働く佐久間(サク)の趣味は〝洋服を買うこと〞。元デザイナーの廻谷と出会ったことでより一層買い物の楽しみを知り、自分自身とも向き合うきっかけに。出てくるファッションがどれもおしゃれで見ていて楽しい! 全4巻 (各)¥659~ 集英社

編集やまみ
LEE編集部
ファッション担当ですが、子どもの頃から漫画好き。90年代りぼん・なかよし・ちゃお・るんるん・別マ・花ゆめ・少コミ・デザート・ジャンプ・マガジン・コロコロコミック・ガンガンなどを読んで育ってきました。
写真フォルダには、子どもと猫と日本酒の写真が多数。オススメ漫画があればぜひ教えてください。
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