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2025【証券口座への不正アクセスが多発!】勝手に売買された場合、補償は本当にされる?

  • 松崎のり子

2025.06.10

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今年の3月から被害が増加

大きなニュースになった証券会社への不正アクセス。

まったく知らないうちに、第三者が自分の口座を使って勝手に売買されてしまうなんて、とんでもないことです。ネット証券に口座を開いて、NISAでの投資を始めたばかりという人もいるでしょう。心配ですよね。

2025年3月から被害が増え始め、4月には不正取引数が一気に増加。

金融庁の発表によると、今年4月までの合計で約1,612億円が不正に売却されたとのこと。手口は主にフィッシングによるID・パスワードの流出と、他にもウイルスによる攻撃などが疑われています。

こうした被害を防ぐために、証券会社各社は口座へのログイン時に「多要素認証」として、登録したメールアドレスに別のキーを送るなどの対策を進めています。

それにより、6月以降はこれまで通りの方法だけではログイン不可になる証券会社も出ています。

被害が回復されるまでには時間がかかりそう

勝手に売買されて大事な資金を失ったのだから、当然補償されるはず――と思いますが、証券会社側は当初「失った資金を補償しない」というスタンスでした。

正しいID・パスワードで取引されたものだから、証券会社側に落ち度はないからといの理由でしょう。

しかし、4月までの時点で3500件越えと被害件数があまりに多かったことや、補償もしてくれないなら証券会社から資金を引き上げるという動きが起きることを恐れたのか、5月2日に証券会社10社が一定の補償を行うと表明しました。

ただ、それでひと安心とはいきません。

補償については被害状況を十分に精査したうえで、顧客自身の ID・パスワードの管理状況や、証券会社からの注意喚起に対応していたか等も勘案される――とあるからです。

利用者がフィッシングに対して自己防衛していたか、証券会社の勧めに従ってセキュリティを高める措置をしていたか、それを怠って被害にあった場合は、利用者側にも一定の過失があったとみなされるかもしれません。

クレジットカードの不正利用でも、警察に被害届を出すよう求められる例があり、被害を受けた側とはいえ何らかのアクションが必要になる可能性はあります。

また、「被害を補償するので、このリンクから手続きをしてください」などという便乗フィッシングメールが届くことも危惧されます。騙されないよう、十分に注意しましょう。

松崎のり子 Noriko Matsuzaki

消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。

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