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【フィルター・換気口は掃除しないとダメ?】住まいを“呼吸”させる「24時間換気システム」

  • 藤原千秋

2025.05.22

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換気、換気扇、換気システム……。
「換気は大事」とは言うけれど、はて、わが家の「換気システム」って、一体なんのこと?

ほんというと、「謎!」に思っている方、多いかもしれません。

「換気って、なぜしないといけないの?」
「24時間換気システムって、家のどこにあるの?」
「24時間換気扇も掃除ってしないとダメなの?」
「そこを掃除しないと何が起こるの?」

「換気」にまつわるもろもろ、今ひとつピンと来ない、わからないことだらけ!
今回は、あらためてのそんな疑問に、お答えしていきたいと思います。

Index
  1. 1.「換気」をしないと起こること
  2. 2.「24時間換気システム」とは? 存在している場所とは?
  3. 3.「24時間換気扇」を掃除しないでいると、起こること
  4. 4.「24時間換気システム」「24時間換気扇」との付き合い方
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1.「換気」をしないと起こること

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部屋の空気って、透明? ですよね。
透明だから、きっと「キレイ」ですよね?
換気なんか下手にして、窓を開けちゃう方が、汚れた風が入ってきそう!
それに今日は雨。なのに「換気ってしなきゃダメなの?」。

はい。ダメなんです。
換気は「絶対に必要!」なんです。

なんでか? 
それは、人が暮らしている住まいの空気って、実はたくさんの「目に見えないもの」で汚れているからです。たとえば……。

・息をするだけで私たちやペットが出している「二酸化炭素」
・家具や建材、身の回りの洗剤などからも発生する「化学物質」
・料理やお風呂や洗濯物、人からも出る「湿気」
・お風呂場で生えたり、エアコン内部からも出る「カビ」胞子
・お布団やじゅうたんやソファで繁殖する「ダニ」の死骸のかけらやフン

などなど!

これらが空気に含まれ、漂っているから……床やテーブルや家電に「ホコリ」として落ち、結果的に、部屋が汚れるんです。

床に落ちて目に見えれば「床掃除」もできるわけですが、拭き取る前に人が動いて舞い上がってしまえば、見えなくなって「透明」に。
でもその一見透明の汚れた空気を、私たちは吸い続けてしまうことになるんです。

そうして何が起こるか? 
場合によっては頭痛、倦怠感、めまい、吐き気が起こってしまったり、喘息などのアレルギー症状が悪化、また新たなカビの発生によるダメージが、身体や家に及ぼされてしまうことになりかねないんですね。

「換気! ちゃんと窓、ときどき開けてます」という方もいるかもしれませんが、そもそもただ窓を開閉しただけでは十分な換気にならない場合がほとんど。

だから“強制的に空気を入れ替える”仕組み=24時間換気システムが必要になるのです。

2.「24時間換気システム」とは? 存在している場所とは?

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「24時間換気システム」というのは、ひらたくいえば、住まいの空気を一日中ゆっくり、じわじわ、自動的に入れ替える装置のこと。

シックハウス症候群の原因となる化学物質、ホルムアルデヒドなどの有害物質を部屋にためこまないようにするため、2003年7月の建築基準法改正以降に建てられた住宅には、原則としてこのシステムが「必ず」付いています。

でももしかすると、「そんなの知らない」という人もいるかも。
このシステム、実は目にはよく見えにくいところ、こんな場所にひっそり存在しているんです。

・トイレや脱衣所、浴室の上にある小さな換気扇(排気=空気を出す)

・部屋の壁や窓の近くにある、小さなスリットや丸い給気口(給気=空気を入れる)

「あっもしかして?」…そう、「トイレの換気扇、なんかずっと動いてるなぁ」と思っていたら、それが24時間換気システムの排気部分だったりするわけです。

ちなみに、少し前(2022年)の三菱電機の調査によれば、自宅に24時間換気システムがあっても約4割の人が「設置されていることすら知らなかった」という衝撃的(!)な結果が出ているほど……知られていなかったりします。

3.24時間換気扇」を掃除しないでいると、起こること

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24時間換気システムの存在自体を把握していない人は、ましてや掃除など……されていませんよね。

でもこの24時間換気扇まわりや給気口まわり、24時間休みなく稼働し続けているだけに、排気ガスや花粉などの外気による汚れ、土ボコリや砂ボコリ、虫の死骸などが、どんどんたまっていきます。めちゃくちゃ、汚れるんです。

これを放っておくと、どうなるか?

・換気の効率がダウンします
 → 空気がちゃんと入れ替わらなくなる!

・ファンがホコリで重くなります
 →音がうるさくなる!

・臭いや湿気がこもるようになります
→カビや嫌なニオイが発生!

・効率が悪いまま回り続けることになります
→電気代がムダにかかるように!

えっ、いろいろ、まずい!

ずばり、換気扇のまわり、吸気口まわりに「うっすら」でも汚れが目視できたら、掃除が必要だというサイン……。
ですから可能なら月1〜2回、または最低でも季節ごとのお手入れが、本当ならば必要なのですね。



4.「24時間換気システム」「24時間換気扇」との付き合い方

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そんな「24時間換気システム」「24時間換気扇」。
知らない間に家に付いていた? 
え、どこに?(探さなきゃ)
見つけたところで、じゃあ、何をする?(めんどくさい!)
具体的に、どうすればいい?

確かに、存在を知ってしまえば面倒くさい。
でも「24時間換気システム」との付き合い方って、実はそう難しいものではありません。

何より大事なのは、そのスイッチを止めないこと!
存在を忘れないこと
、そしてほんのたまに手をかけること

・スイッチは基本ONのまま

・家具やカーテンで給気口をふさがず

・3〜6か月に1回くらい、吸気口カバーや、換気扇フィルターをチェック、掃除&フィルターを交換

・もし音が変、風が出ない……なんてことがあったら不調のサイン!修理依頼を検討

「24時間換気システム」は「ずっと動かしておく」ことが前提の設備です。

たまに「電気代の節約のために!」と、わざわざ探し出してスイッチを切ってしまう人もいるのですが、1か月あたりの電気代は(環境によって差はあるものの)数十円から数百円と微々たるもの
稼働を止めてしまう方が、カビの蔓延や住まいの劣化が進んで、家にも人体にも「デメリット大」なんです。

「24時間換気システム」、すごーく地味な存在ながら、住まいの空気環境を守ってくれている呼吸器、いわば「住まいの肺」のような存在です。

ぜひこれを機会に、自宅のどこにこの“肺”があるのかチェックして。
そして、いつも心のどこかに留めておいてあげてくださいね。

(参考資料)https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/kanki/knowledge/release/kanki_20220804.pdf


LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!

藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住生活ジャーナリスト、ライター

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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