お手本は、オードリー・ヘップバーン、ジェン・バーキン…
大人の「白シャツは絶対に更新が必要です!」理想の一枚の見つけ方を磯部安伽さんが解説
2025.05.05
エディター磯部安伽さんと考える
「白シャツを永遠に好きでいるために」

ベーシック派の最愛アイテムである白シャツ。トレンドシャツに押されぎみの今こそ、自分らしく白シャツと付き合う極意を、白シャツを誰より愛するエディターの磯部さんが語ります。

教えてくれたのは?
磯部安伽さん
エディター
雑誌やカタログ等で活躍する人気ファッションエディター。著書『ファッションエディター磯部安伽のスマートクローゼット』(KADOKAWA)には、ベーシック派のおしゃれの極意がぎっしり!
永遠に好きでいたい。だからこそ白シャツには、"更新"が絶対に必要です
実はここ2年ほど、白シャツに袖を通す機会が少なくなっていました。いわゆる"映え服ブーム"が一過性ではなくなり、ベーシック派の私ですら、簡単に着映えが叶う旬服にばかり手が伸びていたのです。
するとどうしたことでしょう。"ベーシック服こそ更新が必要"と、呪文のように唱え、原稿でもしつこいほど書いてきた私が、白シャツの更新を止めてしまっていたのです。クローゼットに並ぶ白シャツを眺めてみると、どれも時代から取り残されたものばかり。これでは白シャツが好きだとしても、気持ちが向かないのは当然です。
白シャツの更新を怠っていた理由は、もうひとつあります。それは、手持ちの白シャツを、"完璧"だと思い込んでいたせい。
シルエットも素材感もデザインも、何もかもが私好みで、体や顔立ちにも合っている。"私はすでに完璧な白シャツに出会っている"。そんなある種の"奢り"が、"怠け"を生んでいたのです。
そのことに気がついたある日、白シャツだけをターゲットにしたお買い物に出かけました。すると1時間もしないうちに、素敵な白シャツが次々と現れるではありませんか。"私はやっぱり白シャツが好き!"――そう確信したのです。
私がそうまでして白シャツにこだわる理由は、ただひとつ。"白シャツを颯爽と着こなしている人が、たまらなく好きだから"。かっこよくて、凛としていて、それでいてしなやかで。そう、白シャツは、私の理想を映す鏡のよう。
目を逸らすことなく、いつだって追い続けていきたい、永遠の存在なのです
Yasuko Isobe
白シャツに目覚めたきっかけはこの人
Audrey Hepburn

白シャツに目覚めたきっかけは、オードリー・ヘップバーン。中学生のときに見た『ローマの休日』で、オードリーが着こなす白シャツ姿に目を奪われました。
大人の白シャツの可能性をいつも教えてくれる
Caroline de Maigret

今のお手本は、カロリーヌ・ド・メグレ。世界一、白シャツが似合う女性のひとりです。
メンズライクな白シャツはもちろん、こんな甘い一枚まで、ありとあらゆるタイプにトライする姿に、白シャツの可能性を感じずにはいられません。
ずばり、白シャツ×デニムの師匠です!
Jane Birkin

白シャツ×デニムという大好きなコンビの師匠とも呼べるのが、ジェーン・バーキン。2025年の今なら、彼女はどんな着こなしを見せてくれたのでしょうか。
磯部的「今年の白シャツ」はこの3枚!

白シャツだけを買いに行った日に出会ったのがこれ。小一時間で3枚も買ってしまいました(笑)。
1_『GEMINI』のビッグサイズシャツは、取り外せる大衿付き。アレンジ自在の映える白シャツです。
2_『ZARA』で見つけたのは、スケスケ素材のフェミニンシャツ。ドット生地にフリルをたっぷり施した、とびきり甘い一枚。
3_『ハイク』のボリューム袖シャツ。着映え感を備えた、〝ブラウス感覚〞の一枚です。
今季の磯部さんのおすすめはこちらの2枚
Recommend
01
MACKINTOSH【マッキントッシュ】

◻︎クリアカラー
◻︎短め丈
◻︎ボリュームスリーブ
端正な衿と素材にフェミニンなボリューム袖をドッキングした旬顔シャツ。
Recommend
02
HER.【ハー】

タキシードシャツ風のオープンカラーとピンタックディテールで、とびきりハンサムに仕上がった一枚。
◻︎ナチュラルカラー
◻︎長め丈
◻︎フロントのピンタック
好みや要望を"分散"させることで、白シャツはあなたの味方になる
ではどうすれば、今のあなたにとっての、"理想の白シャツ"と出会えるのでしょうか?
白シャツを諦めてしまった人から、「自分にぴったり似合う一枚がないから」という声を聞くことがあります。白シャツは、逃げ場のないシンプルな服。
だから、ほかのアイテム以上に細部にこだわって、完璧な一枚を求めたくなる気持ちは、誰よりもわかります。
でも私は、今の時代はもはや、"ぴったりな一枚"に出会う必要はないのかもしれないと、考えているのです。
ベーシックやシンプルが流行している時代であれば、細部にまでこだわって、ストイックに自分の好きを突き詰めることが、心地いいかもしれません。
でも今は、いわゆる、"多様性"の時代。たった一枚に、自分の好みを託し、過度な期待をかけるよりも、何枚かに好きを"分散"させて、それぞれのよさを楽しむことが、理想への近道なのではないでしょうか。
例えばこの2枚。右は真っ白な素材を使ったやや甘めのボリュームスリーブ。左はナチュラルな白にピンタックをあしらったハンサムなタキシードシャツタイプ。どちらも時代の空気感をとらえた映えディテールを施しているものの、個性はまったく違います。
この2枚の振り幅こそを今の自分らしさと考えて、おおらかな気持ちで白シャツを楽しむ。
そうすればきっと、白シャツはあなたの最高の味方になってくれるはずです
次回は、「『万能シャツ』がカジュアル派の味方です!まとめ」をご紹介します。
Staff Credit
撮影/渡辺修身 取材・文/磯部安伽 写真提供/Getty Images
こちらは2025年5月号(4/7発売)「『万能シャツ』がカジュアル派の味方です!」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(2025年5月号現在)です。
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