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【玄関掃除法 簡単3ステップ】新年度、季節の変わり目こそ! タイル掃除のやり方も
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藤原千秋
2025.03.27
気づくと、靴だらけ。
忙しいほど”そのまま”になりがちなのが、玄関。
天候が不順だと、なおさら。濡れた靴に詰め物をして脇に避けたところに、普段は履かない雨の日用の靴が出されて、天気が戻っても、そのまま。
サイズアウトした子どもの靴も”念のため”置かれて、そのまま。
壊れた傘、「燃えるゴミでは捨てられないよね?」なんとなく、そのまま。
ネットショッピングのダンボールや緩衝材。剥いで、ちょっと置いて、そのまま。
その上に要らないチラシが乗り、ポストから取り出して帰宅してちょっと置いたDMが乗り、そのままで……
う〜ん、新年度前に心機一転、一掃したいですね!
今すぐできる玄関掃除の3ステップ+準備運動。ぜひ軽やかにお試しください。
準備運動
ゴミの抽出
ゴミ袋を片手に、玄関周りの”そのまま”放置ゴミを、まずは回収。
分別が必要ならゴミ袋の枚数を増やして、手元で仕分けながらどんどん放り込んで、まずは玄関周りの「もの」を減らしていきましょう。

Step1
処分対象の「靴」を抽出

靴って、消耗品です。でも、なかなか捨てにくい。
それならシューズボックスを眺め、自分や家族が「その靴」を今すぐ履いて出かけられない理由がある靴に注目しましょう。
カビがはえていたり壊れているなら処分対象としてわかりやすい。
でも傷んでいない、ただ「微妙に足の形に合ってない」「長時間履けない」「歩けない」「捨てるには忍びない」ような靴なら、一度、乾燥剤と一緒にポリ袋に入れるなどシューズボックスから避けて保管してみて。
3か月から半年、長くてまる1年、目に入らなければ存在すら思い出せない。それなら、手放す靴です。
冠婚葬祭用や雨靴、登山靴などは別にしてOK。
ただし冠婚葬祭用の靴でも、箱に入れっぱなしになっている場合は注意が必要。
「ポリウレタンの加水分解」が起こって合皮ならボロボロに、ソールごとベロっとなど、気づかず履いている間に靴が靴のていをなさなくなってしまう事故がしばしば起こり、出先でケガをする原因にもなるため、危険。
ときどき取り出して履いて歩いたり、押したり曲げたりして異常がないか確かめて。
Step2
掃除機でざっくりホコリ除去

玄関のたたきやシューズボックス内に溜まりがちな、繊維ホコリ、髪の毛、細かな泥砂。
量があまりにも(山になるほど!)多いのでないなら、家庭用の掃除機で吸えます。細身のアタッチメントに付け替え、最強の吸引力にして少し浮かせた状態で吸い取りましょう。
鋭角に溜まった微細な汚れも吸い取れば、さもなく除去できます。
全体を一気にと思うと億劫なので、シューズボックスの一段ずつでもたたきだけでも、部分部分を日を分けて行ってOKです。
また高いところまでは無理に掃除機がけの必要はありません。
ホコリや砂など玄関を汚す原因は、基本的に重みによって下へ下へと溜まるからです。
高い位置のボックスの棚板は「消毒用エタノール」を吹きつけた古タオルで初手から拭き掃除を。エタノールで拭けば、汚れと菌を一度に掃除でき一石二鳥です。
拭き掃除をした棚板には「清掃済」を分かりやすくするのと汚れ防止に、ミスしたコピー用紙でもいいので一枚、きれいな紙を敷いておくとよいでしょう。紙は湿気取りにもなります。
湿気取りといえば、近年市販されるようになった「ポリエステルわた」を原料にした再利用可能な除湿剤は軽くて高所にしまう靴に最適。普段はかない靴に詰めておけばシューキーパーとしても役立ちます。
Step3
適切な水分で「たたき」と「タイル」掃除

玄関たたき、つまり靴で入るエリアの汚れ方は、住まいの形態や立地によって大きく異なります。
一般的には戸建ての方が汚れやすく、集合住宅の方が汚れにくいものですが、家族の活動具合などにより一概には言えません。
ただ掃除方法について明確にいえるのは、戸建ての玄関たたきなら「水」を多く使っても大丈夫なことが多い一方で、集合住宅の玄関掃除に水はほとんど使えないという点です。
戸建ての玄関たたきやポーチ掃除を”徹底的に”行うならばやってみたい、「ホースで水を引き、デッキブラシでゴシゴシ」といった掃除はマンションやアパートなどの集合住宅ではできません。
それでもタイルにこびりついた汚れなど”徹底的に”掃除したいならばどうすればいい?
そんな場合はバケツに取った少量の水、合わせてデッキブラシではなくスポンジを使いましょう。
掃除機ないしホウキで大きなホコリや汚れは取った状態から、少量の水で濡らしたスポンジで汚れを擦っていきます。
スポンジは安価な食器洗い用などのものでOK。アスファルトの油分などによる汚れが多い場合は、住居用か食器用の中性洗剤を少量足して界面活性剤の助けを借りましょう。
汚れをおおむね浮き上がらせたら、古タオルで水分を拭って乾燥させます。
膝や腰が痛かったり玄関たたきが広い場合は、市販されている柄つきの玄関掃除用スポンジブラシなどを使うのも一手。もちろんバケツとスポンジでの掃除は戸建てで行って問題ありませんので、やりやすい方法を採用してください。

とはいえそれでなくても、わたわたと忙しい時期。
まずは玄関掃除の「準備運動」だけでも、できたなら上出来です。
手を入れたら入れただけの結果をすぐ享受できるのも、玄関掃除のいいところ。
ぜひ無理なく取り入れて、晴れ晴れと春をお迎えくださいね!
LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!
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藤原千秋 Chiaki Fujiwara
住生活ジャーナリスト、ライター
掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。
















