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佐々木はる菜

「ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ」をイチ早くレポ!ヨシタケさんご本人もおすすめする見どころを”たっぷり”ご紹介

  • 佐々木はる菜

2025.03.24

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会場内に「森」?!絵をシュレッダー?!東京でしか見られない「ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ」

子どもから大人、そして今では海を越え世界各国で大人気のヨシタケシンスケさん。
その「頭のなか」をのぞき、絵本の世界を体感できると話題の「ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ」がついに3月20日スタート!

「ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ」
©Shinsuke Yoshitake

2022年4月に東京で開幕し、その後全国を巡回し70万人以上を動員してきた「ヨシタケシンスケ展かもしれない」。LEEでも何度も話題となり、先日発売となったLEE4月号ではヨシタケさんのインタビュー記事も掲載。人気絵本「おしごとそうだんセンター」(集英社)のイラストを使ったスペシャルトートバッグの付録も大好評!

今回はヨシタケさんご本人に伺った見どころを始め、噂の新しい大型体験展示、売り切れ必至のオリジナルグッズや気になるテーマカフェのメニューなど、プレス内覧会の様子をイチ早くレポートします! 

ヨシタケシンスケさん

入場前からニヤリ、あっという間にヨシタケシンスケワールドに引き込まれる!

今回の会場であるCREATIVE MUSEUM TOKYOは、洗練された雰囲気のビルの6階にあります。
エスカレーターの場所などを少し探しつつ到着すると、出迎えてくれたのが左のパネル。そして開場前にお手洗いに行こうとすると右のパネルが!

ヨシタケシンスケさんのパネル
ヨシタケシンスケさんのパネル
よく見ると、すでにちょっぴりもれたろう(笑)

オープン前に並んでいた方々はそれらを見てすでに大盛り上がり!その笑顔のまま入場すると、今度は展示の脇や壁など至るところにヨシタケさん手書きの付箋が貼られています。

ヨシタケシンスケさんの書いた付箋
ヨシタケさん曰く「見どころや”言い訳”を書いている」そうです(笑)

そしてまず現れるのが、小さな手帳に長年にわたって描きためてきたという膨大なスケッチです。 

なんと7500枚以上!圧巻のヨシタケさんスケッチ 

これまでの展覧会やメディアでも話題になっていたこの手帳のスケッチの複製、今回は「たっぷり増量」の言葉通り過去最高の7500枚以上! 

ヨシタケシンスケさんの描いたスケッチ
「圧巻」という言葉がぴったりの迫力。全体像を見た時の衝撃は、是非会場で体感していただきたい!

日常の中で浮かんだアイデアやメモなど、思いついたこと考えたことをその場でスケッチしているそうですが、思わず声を出して笑ってしまうようなものもあれば、立ち止まってしばらく考えさせられるような深い言葉も書かれていました。
一枚一枚つい見入ってしまいなかなか前に進めず、あっという間に時間が過ぎてしまう…

そんな中、その膨大なスケッチの前にヨシタケさんご本人が登場しました!

登壇するヨシタケシンスケさん
温かなお人柄が伝わるお話しぶりで「スケッチは上の方とか見えやしないので、一枚一枚見ていただかなくて結構です。単純にこの量にぞっとしてほしい(笑)」なんて、会場の笑いもたくさん取っていらっしゃいました

一番の見どころは「絵本のメッセージを五感を使って体験できるところ」

「実は最初に展覧会をやりませんかと言われたときは、僕の絵は小さいし原画に色もついていないので、会場が余っちゃって展覧会にならないですよとお答えしたんです」

でもヨシタケさんにしかできないことがあるのではと言われ話を重ねる中で出てきたのが、「本が一冊できるまでに僕の頭のなかでどんなことが起こっているのかを見せる、メイキングみたいな展覧会」というアイデアだったそう。
この膨大な小さなスケッチは、あのユニークな絵本の発想の源であり、ヨシタケさんの「頭のなか」なんだと改めて感慨深く見上げました。

「こんなに多くの地方に呼んでいただけると思わなかった」と話すヨシタケさんですが、これまでで一番広い会場での開催となった今回の展覧会の一番の見どころを伺うと「もともとやってみたかった体験型の企画をたくさん実現できたところ」という答えが返ってきました。

「最初に展覧会を開催した3年前はまだコロナ禍。完全予約制で、手で触れるような展示はNGなど制約がたくさんありました。その後たくさんの場所で開催させていただき、東京に戻ってきた今はコロナなどもだいぶ落ち着いた。そこで念願だった『五感を使って楽しむ』展覧会を実現することができました

大型体験展示を楽しむヨシタケシンスケさん

例えば、展示室の中にある森では「ぶら下がって足の裏を地面から離してぶらぶら」でき、「あつかったら ぬげばいい」(白泉社)の「おとなでいるのにつかれたら あしのうらをじめんからはなせばいい」という一節を体験できます。

また、展覧会に向けたヨシタケさんのスケッチをLEE4月号で見て楽しみにしていた「おしごとそうだんセンター」の「長い棚書店」をイメージしたベンチもしっかりチェックしてきました!

「おしごとそうだんセンター」の「長い棚書店」の展示
素晴らしい完成度!とってもリラックスできそうなスペースでした
「おしごとそうだんセンター」の「長い棚書店」展示作品
東京会場の新規展示物のためのスケッチ©Shinsuke Yoshitake
ヨシタケシンスケ展の体験型展示シュレッダー
自分の描いた絵を誰にも見せずにこなごなにシュレッダーにかけ「自分だけの秘密を持って帰る」という体験も!
ヨシタケさんが描かれたスケッチ
東京会場の新規展示物のためのスケッチ©Shinsuke Yoshitake


全て欲しくなるオリジナルグッズも「たっぷり増量」

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ヨシタケさんから「せっかくなのでグッズもたっぷり増量して150種類近くになった」と伺い、楽しみにしていた展覧会オリジナルグッズ。SNSなどでも話題を集めていますが、あれもこれも欲しくなってしまい本当に危険な場所でした…絵本に登場するさまざまなキャラクターたちの可愛いさだけではなく、思わずくすっと笑ってしまうアイデアが魅力的!

ヨシタケシンスケ展オリジナルグッズ
私はヨシタケさんがおすすめされていた「増量グラス」や、”キャッチャー”の絵が描かれたミルク”ピッチャー”などを購入

なんと蛇口からジュース!「ヨシタケ飲食店かもしれない」

「ヨシタケ飲食店かもしれない」

今回もうひとつ注目を集めているのが、ファミリーレストランをテーマにしたという「ヨシタケ飲食店かもしれない」。会場のすぐ横の「CREATIVE MUSEUM TOKYO CAFE」にて期間限定オープンされています。

ヨシタケさんの世界観を感じる他にはないメニューと絶妙なネーミング、そしてご本人が「 味も美味しいので安心して召し上がっていただけたら」と太鼓判を押されていた通り、試食ブースはあっという間に空っぽになっていました。

「ヨシタケ飲食店かもしれない」メニュー
レモンパスタに明太子クリームソースをかけ味変できる「いつか明太子クリームパスタになりたいパスタ」など、洒落がきいてる!

さらに店内には蛇口からジュースが出るドリンクバーがあり、あらかじめ「混ぜる」ことを想定し混ぜてもおいしい味がラインナップされています。
我が子たちも昔からファミレスのドリンクバーでドリンクを混ぜたがっていたので、さすが子ども心をわかっている!と感心。
私も含め大人たちも楽しそうに混ぜ、盛り上がりを見せていました。

「ヨシタケ飲食店かもしれない」のドリンクバー
ご一緒したきっこ編集長が撮影してくださった私、嬉しそうな様子です…(笑)

展覧会に行くと、ヨシタケさんの絵本を「体験」できる!…かもしれない

今回取材に伺う前に改めてヨシタケさんのインタビューや絵本などを読み返していましたが、思わず涙ぐんでしまうことが何度もありました。

ヨシタケシンスケ「りんごかもしれない」原画
デビュー作「りんごかもしれない」(ブロンズ新社)は、初めて出会ったヨシタケワールドに衝撃を受けたこと、そして第一子の長男が1歳の頃に発売された絵本で、それ以来子ども達と何度も読んできたため、やっぱり思い出深い一冊です

可愛らしい絵やユニークな表現にくすっと笑いながら、もっと深い部分で気持ちがふっと楽になり、読み終わる頃にはなんだか前向きな気持ちになっているヨシタケ作品。

でもそこには人生の楽しさ面白さだけがあるわけではなく、時に大変なことや葛藤も描かれています。

それら全てが、ヨシタケさんならではのフィルターを通されることによってユーモアと笑いを交えたメッセージとなり、生み出される作品を通して私たちの心に温かく伝わってきます。

取材を受けるヨシタケシンスケさん
プレス内覧会当日、本当にたくさんの取材を受けていたヨシタケさん

「僕自身は、40歳で絵本作家になりました。40年間も自分をどうすれば良いかわからなかった人間が、その後の10年で悪いこともせずにこんなに大勢のカメラに囲まれている(笑)おじさんになってから、褒めてもらえたりすることもある。時にはそんなことが起こるってことを、臆病でものごとを怖がり続けていた小さい頃の僕に教えてあげたいと思うし、当時の僕みたいな子に絵本を通じて伝えられたらいいな、なんて考えています」

大人だけでなく子どもだって日々大変なことや理不尽なことがあるはずですが、誰が読んでもほっと一息ついて笑顔になり、「明日もまたがんばろうかな」なんて読む前より明るい気持ちになれる作品を生み出せること。しかも何気ない日常の中にあるものをテーマにして作り続けていらっしゃることは本当に偉大だと思います。

その背景にあるものが、きっとあの膨大な量のスケッチやアイデアで、あれだけの量でもきっとまだ、ヨシタケさんの頭の中の一部なのでしょう。

時に「哲学的絵本作家」と評されるのも納得の深みと、会場の至るところで思わずニヤニヤしてしまう遊び心を同時に感じられる展覧会。それってまさに、ヨシタケさんの絵本を読んでいる時の感覚だと思います。

「展覧会に小さい子が連れて来られて、お母さんが絵を見ていてつまんないから帰ろうよ~ってならないように、子どもは子どもなりにで楽しめるところがたくさんあり、大人は大人なりにニヤってできるところがたくさんあるといいなと思って作った会場です。是非、気になったところを存分に見て楽しんでいただけたら嬉しいです」

そんなふうにおっしゃっていたヨシタケさん。

会場に足を運び、展覧会という形だからこそ感じられるヨシタケシンスケワールドを、全身で五感を使って体験してみたら…何気ない日常がもっと楽しく愛おしくなる、かもしれない?!
©Shinsuke Yoshitake

「ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ」開催概要


会期

2025年3月20日(木・祝)~2025年6月3日(火)まで

会場

CREATIVE MUSEUM TOKYO(東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 6 階)

展覧会公式サイト

https://yoshitake-ten.exhibit.jp/tokyo/

展覧会公式Instagram

@yoshitake_ten

展覧会公式X

@yoshitake_ten


佐々木はる菜 Halna Sasaki

ライター

1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。

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