「復職の壁」どう乗り越える? 年収の壁、ブランクの壁、夫ブロックの壁…見えざる壁がこんなに!
私たち、こうして「壁」を乗り越えました!
【復職の壁・たまきさんの場合】約10年間は育児中心の日々。勤務時間の調整がストレスに…
2025.03.21
LEE100人隊&LEEメンバーにインタビュー
私たち、こうして「壁」を乗り越えました!

約10年のブランクがありながら、さまざまな壁を越えて復職した読者にインタビュー。復職までの経緯や、成功の秘訣を教えてもらいました。
- Index
乗り越えたのは 年収の壁、家事分担の壁、夫ブロックの壁
勤務時間の調整がストレスに……。扶養を外れて働き、自信がついた
LEEメンバー たまきさん 41歳
夫41歳、長男14歳、長女12歳、次女10歳
3児の母で、出産後しばらくは育児に追われて復職は叶わず。現在は、ベンチャー企業の広報職として、フルリモートで時短勤務中。
条件に合う仕事が見つからず、約10年間は育児中心の日々
妊娠をきっかけに新卒で入った会社を辞めて、育児中心の生活を送っていたというたまきさん。第1子が幼稚園に入園した頃に、また仕事を探し始めたと言います。
「ネットで求人を検索したり、ハローワークに行ったりもしました。けれども、子どもが幼稚園に行っている時間帯で働きたかったので、条件に合う仕事が見つかりませんでした。そこで、夫が家にいる週末に、派遣の仕事をしたことも。住宅展示場の受付などの仕事で、期間限定で月に3日間ほどの勤務だったので、無理なく働けました。その後は3人の子どもの育児で忙しく、派遣の仕事も辞めることに。復職のタイミングがないまま、あっという間に時間が過ぎてしまって。長男が小学4年生になり少し手が離れた頃に、たまたま知ったパートの求人に応募しました。新卒で入った会社は3年ほどで辞めてしまい、キャリアが短いことが心配でした。面接では、前職で広報を少しやっていたことも伝えると、広報職でのパートもあるとのことで採用となり、ようやく復職が叶うことに。子どもの幼稚園で、PTA役員として行事を企画した話も印象がよかったと後から教えてもらいました」
仕事が忙しくなってくると勤務時間が増えていき、ぶつかったのが“年収の壁”です。
「最初は週3日だったのですが、忙しい時期には週4日の勤務が多くなって。夫の扶養を外れて社会保険料を自分で支払うことになる“130万円の壁”を越えるか越えないかが、大きな問題になってきました。夫は、扶養を外れてほしくないという思いが強く、仕事がハードになってきて私もしんどかったので、一度この会社を辞めてじっくり考えることに。ところが、その後すぐに知り合いの紹介で今の会社に勤め出し、時給が上がったこともあって、また年収の壁にぶち当たり……。夫の会社の保険組合にあらためて確認したところ、思いのほか扶養範囲の条件が厳しく、年収調整だけでなく、3カ月連続で収入が規定額を越えると扶養から外れなくてはいけないとわかりました。時には、意図的に残業を控えたこともあって。やるべき仕事はたくさんあるのに『先月は越えちゃったから、今月は規定額内に抑えないと』と業務の調整をすることに、だんだんとストレスを感じるように。年収の壁を越えて、働きたいと考えるようになりました」

扶養を外れることに不安な夫とじっくり話し合いを
扶養を外れて働くことに前向きではなかった夫とは、時間をかけて話し合ったのだそう。
「実際のところ、私も夫もどのぐらい社会保険料を支払うことになるのか、今の収入と比べて損をすることになるのかなど知らないことが多く、市役所の窓口に相談に行ったり、実際に計算してシミュレーションしたり。夫の不安が軽くなるように、具体例を出して説得しました。私自身も、フルタイムで働くことで、家庭との両立でキャパオーバーにならないか心配だったので、どうするのが自分にも家族にもいい選択なのかはすごく悩みました。最終的にはやってみないとわからないこともあるので、まずは時短勤務で正社員として働くことを決意。やってみて、家事や育児に弊害が出たら、また働き直せばいいよね、と夫とは仕事と家庭のバランスについてとことん話し合いました」
さらに、夫とはこんなやりとりもあったのだとか。
「職探しをしていると、夫からは『通いやすいと思うから、近所のあのお店で働くのはどう?』とか『大きい企業で安定したところがいいと思う』といった発言が。いろいろと口出しをしてきて、不満に思ったことも。結局は従いませんでしたが(笑)。夫としてはよかれと思って言ってくれたのだと思うのですが、私は小さい企業でもいいから、自分が納得できる仕事内容や環境で働きたいなと。特に家族には迷惑をかけることもあるので意見を聞くのも大事だとは思いつつ、できるだけ自分の意思で決めるように心がけました。今も、自分で決めてやりたい仕事をやっているという気持ちが強いので、仕事も家のことも頑張れている気がします」
復職History
26歳
妊娠がきっかけで、新卒から働いていた会社を辞める
30歳頃
子どもの幼稚園入園で仕事を探すも、条件に合わず。派遣で週末だけ働いたことも
38歳
週2日からOKの求人を見つけ応募。採用されパートで復職
39歳
扶養を外れるかどうかの年収の壁にぶつかり退職。紹介で現在の会社にパートで採用
41歳
年収の壁を越える決意をして、正社員で時短採用
仕事と家庭のバランスがいい。年収の壁を越えてよかった!
年収の壁を越えて働くことを決めて、時短勤務での正社員となり約半年。今の率直な思いは?
「思いきって年収の壁を越えてみてよかったなと思っています。わかりやすく収入が増えたのはもちろん、新卒で入った会社と同じ広報職に就くことができて、当時は叶わなかったキャリアアップができている実感があります。せっかく手にしたチャンスなので、存分に頑張りたいなと思いますね。また、時短勤務なので家庭とのバランスもちょうどよく、気持ちの面でも大きな変化がありました。社会保険料を自分で払うことで、夫に頼りきりじゃないように思えて自信がついて。専業主婦のときも遠慮して生活していたわけではないのですが、どこかで抱えていた肩身の狭い思いが、払拭できたように感じました。夫にも、『洗濯物を取り込んでおいて』などと、より言いたいことが言えるようになった気がします(笑)」
たまきさんの仕事が忙しくなったことで、自然と家事分担も進んだそうです。
「私が慌ただしくしていると、夫が率先して家事をやってくれるように。専業主婦のときは私が平日にスーパーに買い物に行っていましたが、今は時間がないので、週末に夫と一緒に買いに行くことも増えて。パートのときは、自分が家事をやらなきゃという思いが強かったのですが、私からも頼りやすくなりましたね。子どもたちも大きくなってきたので、自分たちで簡単なごはんを作ってくれることも。私が働き方を変えたことで、家族みんなで家庭をまわそうという意識が、より高まったんじゃないかなと思います」

どんどんハードルは高くなる! 早めにチャレンジしてみて
約10年間のブランクがあっても、現在は復職してやりたい仕事に就き、着実にキャリアを重ねているたまきさん。休職中の過ごし方に、成功のヒントが。
「自分の理想や考えを、よく手帳に書いていました。復職したときの収入見込みから理想的な1週間のスケジュール、1日の中で家事をするタイミングなど。何回も計算したり、書き出したりしましたね。また、第1子の出産時にファイナンシャルプランナーの方に相談してライフプランを作成してもらったことがあったのですが、それを自分で作り直したことも。今後どんなライフイベントがあっていくらかかるかなど、具体的にまとめました。将来へのビジョンが持てていたので、働くイメージもしやすかったのかもしれません」
また、不安を軽くするこんな考え方もポイントに。
「私も本当にたくさん悩みましたが、年齢を考えると、先延ばしにするほどハードルが高くなるんですよね。パートから正社員になることもどんどん難しくなると思います。少しでも、もっと働きたい、夫の扶養を外れてチャレンジしてみたいと思うなら、まずはやってみるといいのかなと。パートから正社員は大変だけど、正社員からパートに戻ることはすぐにできますからね。一度正社員で働けばキャリアにもなるので、迷っているならぜひ踏み出してみてほしいなと思います」
壁を乗り越えて
年収の壁を越えて、自分で社会保険料を支払うことで、自立できたようで自信に。着実にキャリアも積めています。私が忙しくなったことで、家族みんなで家庭をまわす意識が高まり、家事分担もスムーズに!
Staff Credit
イラストレーション/竹井晴日 取材・文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2025年LEE4月号(3/7発売)「『復職の壁』どう乗り越える?」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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