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私たちの“ぴったり”をかなえた「LEEリノベ大賞」

「LEEリノベ大賞」の受賞者発表!

【LEEリノベ大賞 石井佳苗賞】築55年中古マンションをリノベーション!35㎡に“小さな箱”を配置するというアイデアが斬新

  • @homeLEE 私らしく建てる、心地よく暮らす

2025.02.11

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発表します!

【LEEリノベ大賞 石井佳苗賞】

LEEリノベ大賞 石井佳苗賞

動線、収納、素材感…私たちの“ぴったり”をかなえた「LEEリノベ大賞 」。’24年6〜9月に募集した「LEEリノベ大賞」の受賞者が決定しました! 「石井佳苗賞」を受賞したのは、築55年の中古マンションをリノベーションした高藤万葉さんです。35㎡の小さな空間に、暮らしの機能を入れ込んだアイデアを拝見!

審査員はLEEでおなじみの3人!

インテリアスタイリスト 石井佳苗さん

石井佳苗さん

インテリアスタイリスト

本誌をはじめとする雑誌、書籍、イベント、広告など多岐にわたって活躍中のインテリアスタイリスト。自分らしい住まいのかたちを見つけることを伝え続ける。好評のオンラインレッスン(www.heimalesson.com)は今年で6年目に。

整理収納アドバイザー Emiさん

Emiさん

整理収納アドバイザー

大学卒業後、大手通販会社にてインテリア収納用品企画を担当。2012年に独立し、「家族のちょうどいい〞暮らし」をコンセプトに、オリジナルグッズやウェアを扱う「OURHOME」を主宰。インスタグラム(emi.ourhome

LEE編集長 喜多佳子

喜多佳子

LEE編集長



【LEEリノベ大賞 石井佳苗賞】高藤万葉さん:中古マンション(築55年)35㎡

LIVING & BATHROOM

1.ワンルームに、収納・キッチン・浴室・トイレなどの箱を配置

高藤万葉さん夫妻

正面のグレーの箱は浴室。吸音&吸湿性のある木毛セメント板でできている。向かって右に並んだポリカーボネート製の箱はトイレのほか、見える状態にしたくない冷蔵庫や洗濯機なども収納。

「透け感ある素材を選び、大きさによる圧迫感を軽減しました」 

高藤さん夫妻

高藤さん夫妻
  • 家族構成 : 2人(妻、夫)
  • 間取り変更:2DK→ワンルーム
  • 費用 : 約1000万円
  • リノベ会社 : TOASt(https://www.to-ast.jp/

2019年、夫の小滝健司さんとともに建築事務所「TOASt」設立。設計を手がけた「タンバリンハウス」が2024年度グッドデザイン賞を獲得するなど注目を浴びる。YouTubeチャンネル『somo somo|建築家夫婦の日常』で動画も配信中。

高藤さん宅の間取り図Before→After

高藤さん宅の間取り図Before→After
間取りを切り絵にしたアートを玄関に飾って。
間取りを切り絵にしたアートを玄関に飾って。

ワンルームに、収納・キッチン・浴室・トイレなどの各機能を持つ箱をバランスをとって配置。天井にカーテンレールを長く這わせ、脱衣スペースや窓など隠したい場所を、必要なときだけ臨機応変に遮る仕組みも秀逸。

35㎡ワンルームに“箱”を配置。小さな空間に心地よさを生むのは、床から数センチの浮遊感

もともとは、築50年を超える団地のこぢんまりした2DK。抜ける壁は全部抜き、シンプルな箱に戻すことからスタートした高藤家。

「たった35㎡に暮らしの機能を申し分なく入れ込みつつ、ここまで気持ちいい空間を作るとは」と審査員の石井さんも驚いたリノベです。

夫婦ともに建築家である高藤さん。夫の小滝健司さんいわく、「大きなヒントになったのは、スケルトンにした際、目に入った玄関ドア。不思議な造形で、室内にポコッと箱みたいに出っ張っていたんです。『あ、これって“ドアの箱”だ』と気づき、大きな箱の中に小さな箱を配置するイメージがわき上がりました。壁や扉で区切るのではなく、“キッチンの機能を持つ箱”、“バスルームの機能を持つ箱”などをバランスよく置き、コーナーとして区切る方法です。また、箱の位置によって上手に視界を遮り、ワンルームでありながら、プライバシーを守る仕組みに。合板、セメント、ポリカーボネートと、箱の素材を替えることで空間にリズムをつけています」

さらに石井さんは、「それぞれの“箱”に脚をつけることで浮遊感を持たせているのも、開放感をアップする効果大」と評価。

「足元だけでなく、高さも天井まで届かないように仕上げ、上にも下にも視線が抜けることで、35㎡という実際以上の広さを感じられる工夫をしました」と高藤さん。 

加えて、大切なのが色選び。「ダークな色は極力避け、合板も明るいものをセレクト。床も白い塩ビタイルにしました。ただ、味気なくならないよう、照明のコードは赤を選ぶなど、ポイントで色をきかせて個性を出しています」 

この家の始まりとなった玄関ドアの色はピンク。ドラえもんの“どこでもドア”からのひらめきだというから、夢があります。

高藤万葉さん

KITCHEN

2.自由に動かせるシンク

自由に動かせるシンク

窓は木枠風の二重サッシにして断熱性をアップ。

「キッチンはシンク左側の箱だけキャスター付きのワゴンにし、自由に動かせるように」 

KITCHEN

3.サイズ感がちょうどいい収納棚

サイズ感がちょうどいい食器棚

家電や普段使いの食器が出ていると一気に生活感が出るので、扉付きの箱に収納。

「そんなに頻繁に使うものではないですし、ストレスはありません。入れたいものの量やサイズを考え、無駄のないサイズで作りました」

TERRACE

4.眺めがいいベランダでゆっくりとお茶を飲んで

眺めがいいベランダでゆっくりとお茶を飲んで

高藤さん夫妻がこの物件に惹かれたのは、眺望のよさ。それを楽しむためのスペースを、小さいながらベランダに作った。

「ここでお茶を飲むと、いい気分転換に。日当たりがいいので植物もどんどん育ちます」

WORKSPACE

5.ワークスペースはクローゼットで仕切って

クローゼットで仕切ったワークスペース

ワークスペースを区切るのは奥行き80㎝のクローゼット。ダイニングと区切りたいときは、薄く軽やかな白いカーテンを引いて。

WORKSPACE

6.作業がはかどるワークスペース

作業がはかどるワークスペース

小さなデスクの場合、悩むのがツールの収納。

「有孔ボードとフックを使えば解決。個室ではありませんが、三方が囲まれているので作業に集中できます」 

LIVING & DINING

7.クローゼットは、無印良品の引き出しがぴったりと入る大きさに

クローゼットは、無印良品の引き出しがぴったりと入る大きさに

ワークスペースの壁付け棚の背面はクローゼット。

「無印良品の引き出しがちょうど入る大きさに設計。スーツケースも入ります」

LIVING & BEDROOM

8.昼間はシングルベッド2台を重ねてソファに

昼間はシングルベッド2台を重ねてソファに

日中や来客の際は、シングルベッド2台を重ねてソファとして活用。

WASHROOM

9.就寝時はベッドを2つ並べてダブルにするというアイデア

就寝時はベッドを2つ並べてダブルに

「独立した寝室を作るのは難しいので、この方法に。1つの空間を幾通りにも使えれば、小さな家でも心地よく暮らせます」。

ヘッドボードも、実は2つの細長い収納箱。

審査員のコメント

ワンルームが持つ可能性を最大限に引き出した空間!

インテリアスタイリスト 石井佳苗さん

石井佳苗さん

「ワンルームという大きな箱の中に、収納や浴室などの機能を持つ独立した〝小さな箱〞を配置するというアイデアに、リノベの可能性を感じました。箱の素材選びも個性があっていいですね」

room tour

LEEチャンネルで、グランプリ&準グランプリルームツアーを動画公開中!

「LEEリノベ大賞」たくさんご応募いただきました!

’23年の「LEEキッチン大賞」に続くインテリア公募として、’24年6〜9月にWebとInstagram上で募集し、総勢162件ものご応募が! 編集部による一次審査を通過した37軒を、審査員3名で最終審査し、受賞者5名を決定しました。

Staff Credit

撮影/メグミ 間取り図製作/前田優子 取材・原文/福山雅美

こちらは2025年3月号(2/7発売)「私たちの“ぴったり”をかなえた『LEEリノベ大賞』」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(2025年3月号現在)です。

@homeLEE 私らしく建てる、心地よく暮らす

「私らしく建てる、心地よく暮らす」をテーマにリビング系コンテンツを集めました。ハウジング、インテリア、DIY、家電や雑貨からLEE100人隊家づくり部ブログ、通販など盛りだくさんでお届け!

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