メディアでのトークに、書いている文章に、心引かれるあの人たちの共通点は「歴史好き」だった！

山崎怜奈さんに、明日から歴史を学びたくなる「おもしろさ」を聞きました。

教えてくれたのは？

山崎怜奈さん

1997年、東京都出身。TOKYO FM『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』、NHK高校講座『世界史探究』などにレギュラー出演。著書『歴史のじかん』（幻冬舎）のほか執筆活動も。

公式サイト

• Instagram
• Twitter

歴史を知っていると失敗が怖くなくなります

乃木坂46のメンバーとして活動しながら慶應義塾大学に進学。歴史を中心に博識ぶりが知られる山崎怜奈さん。グループを卒業した現在は、豊富な知識を生かしてラジオパーソナリティ、コラム執筆など多方面で活躍中です。

小学生の頃は“どうして虹は七色？”など、とにかくいろいろなことを知りたい子どもでした。親に質問するんですけど、共働きで忙しくてそんなに付き合っていられなかったみたいで（笑）、“自分で調べてみようか？”とよく言われていて。当時『週刊そーなんだ！』という科学や社会、歴史のことを子ども向けに解説する雑誌があって、それを愛読していました。PCも自由に使えたので、自分で調べる経験が今に生きているのかもしれません

そんな知的好奇心旺盛な小学生時代の山崎さんでも「歴史は年号や人名を覚える暗記科目」というイメージでした。中学生になり、日本史の先生が身振り手振りを交えて歴史上の出来事を演じてくれたのが転機に。

その授業で、出てくる人物に興味が持てたんです。歴史は自分と同じような人たちの生活が紡いできたもので、その先に今の自分がいるという流れが想像できるようになりました

歴史を楽しく学ぶコツとして「教科書と合わせて資料集を読むのがおすすめ」というのが山崎さんの持論。

資料集って肖像画や顔写真がたくさん載ってますよね。実生活でも顔を知らない人の名前って覚えにくいと思うのですが、資料集で顔を知っていると、人物の名前、どんなことをしたかが入ってきやすくなるはずです

歴史を学んで、たくさんの人物の生き方を知ったことは、自身の生き方にも大きな影響を与えている。

偉人と呼ばれて教科書に登場するような人でもたくさんしくじっていますし、桂小五郎のように逃げまくって歴史に名を残した人もいる。追い詰められて自害してしまう人物も多いのですが、もう少し生き延びていたら何とかなったはずなのに！ ということもあるんです。
歴史を学んだことで、生きていればどうにかなるんだなって思えるようになったのは大きいですね。“失敗した！ ”と思っても、またどこかで挽回すればいいかと。
そういう意味では、偉人の成功談よりも失敗談について知るほうが学びは大きいかもしれません

物事を多面体として捉える大切さも歴史が教えてくれたそう。

自分がよく知らないものを軽んじたり否定したりしたくないというのは、いつも思っていて。何かのきっかけで“嫌な人だな”と感じても、ほかの面から見るといいところがあるかもしれない。
例えば井伊直弼って悪人のイメージがありませんか？
実際に強引な政治もしていますけど、外交では先進的な面もあり、今になって再評価されているんです。
現実の出来事でも、自分には知らない背景がたくさんあるのだろうと想像できるようになったのは、歴史からの学びが大きいです

ちなみに山崎さんの歴史上の「推しメン」はその時々によって変わります。

今、気になるのは藤原実資。実資が書いた『小右記』を読んでいます。大河ドラマ『光る君へ』でロバートの秋山さんが演じていた人物なのですが、すごく細かく当時の様子を書き残してくれてるんです。
過去の筆まめな人たちのおかげで今こうして歴史が学べているので、感謝しています！

歴史好きだとこんないいことが！

しくじっても、生きていればどうにかなると思える！

「偉人のしくじりエピソードを集めた本もあるので、そういう本を読んでみるのも。偉人を身近に感じられるきっかけにもなります」

今 ＼推したい♥／ 歴史コンテンツ

Book
『30日de源氏物語』三宅香帆

1日10分×30日で『源氏物語』を読み解くポイントがわかる！ あらすじだけでなく当時の政治や社会背景まで解説。

「内容はかなり深掘りしてるのに文体が軽くて、おしゃべりを聞いているように読めちゃいます」（亜紀書房）

次回は、「今輝いている人は、実は歴史好き！ ロザン 宇治原史規さん」をご紹介します。