運動しなきゃな～、でも今さら……なんてモヤモヤ考えている人は、即動きだすべし！

教えてくれたのは

高尾美穂さん

産婦人科医

「イーク表参道」副院長。スポーツドクター。女性の健康やメンタルヘルスに詳しく、診療のかたわらメディア等でも情報発信を行う。『いちばん親切な更年期の教科書【閉経完全マニュアル】』（世界文化社）など著書多数。

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「筋肉量や持久力、内臓機能などは20～30代前半がピーク。何もしなければ加齢とともに落ちていくだけですが、筋肉だけは何歳になっても増やせる、体の中でもとてもレアな存在です。90歳でも運動によって鍛えることで、筋肉が増えることも知られています。

運動とそれにより筋量が増えることのメリットは、心身両面において計り知れません。まず筋肉は熱を生み出すので冷えが解消されます。40代になるとホルモンの変化もあって太りやすくなりますが、体型の維持にも大いに役立ちます。その結果、血圧や血糖値の上昇も抑えられ、生活習慣病の予防に。大腸がんや将来的な認知症のリスク低下につながることもわかっています。また、昼間に運動によって体温がグッと上がると、夜にきちんと下がって寝つきがスムーズになるという効果も。

40代から更年期にかけては、子どもの巣立ちやパートナーとの関係の変化など生活が大きく変わる人も多く、メンタル的にも落ちやすい年代。そんなとき『〇〇ちゃんのママ』という立場や、あるいは仕事一辺倒の今までの生活とは違う、運動を通じた新しいコミュニティに参画できることは、メンタルヘルスの面でもいい影響があるでしょう。

人生100年と言われる今、40代はまだ折り返しにも行っていない前半です。今から始めても決して遅くはありません。ぜひ運動を始めて、それを習慣づけられるといいですね」

運動の時間がとれないという人におすすめのどこでもできる筋トレ。椅子に座る前に、座面からお尻を浮かせて3秒間キープ。背すじは丸めず、太もも、お尻の大きな筋肉を意識して、慣れたら3の倍数で秒数を伸ばしていこう。