スタイリスト石上美津江さんの〝好き〞を軸にしたスタイリングを紐解く、大人気企画の第4弾。今回は最愛柄である「チェック」がテーマです！

LEE読者にとっても愛着のある柄ですが、あらためてアンケート調査をしたところ、「年齢を重ねるにつれ、チェックは難しいと感じるようになった」という人が意外にも多いことが判明。そしてその理由は「子どもっぽく見える」「古く見える」「かしこまりすぎる」の3つに集中していました。

大好きな柄なのにうまく着こなせない、挑戦したいけれど〝今の自分〞に似合うものがわからない—。

自分のスタイルを大切にしながら、どんなときも素敵にチェックを取り入れている石上さんのアイテム選び＆コーディネートは、そんなジレンマの解消にも効果的なんです！　

この記事では、大人に似合うチェック柄を取り入れたコーデをご紹介。石上メソッドをヒントに、今こそチェックのアイテムを楽しんでみませんか？

教えてくれたのは？

石上美津江さん

MITSUE ISHIGAMI

スタイリスト

『LEE』『MORE』『BAILA』ほか、 さまざまな女性誌やカタログ、広告で活躍する人気スタイリスト。 ベーシックの中に旬感と可愛げを忍ばせたカジュアルコーデは、 モデルやスタッフにもファン多数。

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ガンクラブチェックのジャケットの上から、タータンチェックのストールをぐるり。ちょっぴり高度に感じる柄on柄も、上品さがベースにあるチェック同士なら、気負いなく洒落た雰囲気を醸し出せる。石上さんも私服コーデでよくする着こなしのひとつだそう！　

無意識レベル（！！）で惹かれ続けるチェックは、おしゃれに自信をくれるお守り的存在

朝、玄関の鏡の前で〝なんか物足りないなぁ〞と思ったら、ジョンストンズ オブ エルガンの赤いチェックのストールをかごバッグの中に忍ばせます。これは私にとって秋の始まりの合図！
例えば黒とグレーでまとめたごくシンプルなコーデも、このちょっとしたチェックのひと盛りで全体が引き締まり、よそ行き感がぐんとアップ。あるとないとでは気持ち的にも大きく違って、その日一日を自信を持って過ごさせてくれる、お守りのような存在でもあります。
いつからチェックが好きなのかは、正直、自分でもよくわかりません（笑）。ただ、どうやら私の心は常にチェックを求めているみたいで、夏にベトナムを旅行したときも、お店で何気なく手に取ったのがギンガムチェックのワンピース。
一緒にいた友人に「ベトナムでもチェックを選ぶんだね！」と言われて初めて気づいたぐらい無意識だったので、自分でも本当に驚きました。そして帰国後、あらためてクローゼットを見渡してみたら、いろんなチェックであふれていて再びビックリ！！　
こんなふうに年中無休で私を虜にし続けるチェック、今年は例年以上にいろんな配色パターンやアイテムが出てきています。
そもそも流行に左右されないのがチェックのいいところではありますが、ひとつ間違えると幼く見えたり、野暮ったくなったり…。実はLEE読者さんにも、難しさを感じている人が多いことを知りました。
なのでバリエーションが増え、選択肢が広がっている今こそ、苦手意識を持つ方もフォローできる「肩の力の抜けたチェックスタイル」を提案できればと思っています。
私自身もスタイリング中に新しい発見がいっぱいで、本格的な秋の到来が楽しみに！ 参考にしていただけたらうれしいです

From MITSUE ISHIGAMIALL

01.

愛用歴20年以上の永久定番！

今や公私でアイコン化しているジョンストンズ オブ エルガンのカシミヤストールは、愛用歴20年以上。

「ただ手に持っているだけでもコーデが決まる最強の相棒。今季はこの2柄にたくさんお世話になりそう」

02.

今年のコートはチェックのステンカラー一択

「ここ数年、登場頻度が一番多いのがチェック柄のステンカラーコート。トゥジューで購入したばかりのこちらは茶系のガンクラブチェックで、丈感もシルエットも理想ど真ん中」 

03.

ギンガムチェックが愛らしいレペットのバレエ靴は、視界に入るだけで気分が上がる一足。

04.

「12closet」とのコラボ服もやっぱりチェック♡

LEEマルシェオリジナルブランド「12closet」とのコラボアイテム。

「ブラウスは白と黒で展開していて、新色を出すなら絶対にチェックと決めていました（笑）。雨の日もご機嫌に着られる服を目指した撥水ワンピも、この柄に一目惚れ」

05.

「ストール同様に持つだけでコーデが盛り上がるトラディショナル ウェザー ウェアの傘は、ヒロイン気分に浸れるお気に入り」

06.

元祖！ シンデレラスカート

「10年以上前に初めて買った、オニール オブ ダブリンのスカートは、スタイリストの先輩から褒めてもらった思い出の一枚です。少しお休みしていましたが、ブーム再燃！」

「チェックに対する子どもっぽさや野暮ったさ、そしてかしこまりすぎるというイメージは、コーデに抜け感を出すとかなり変わります」と石上さん。さらに、大人にちょうどいい柄の種類とアイテムの組み合わせを知ることで、これまで以上におしゃれの幅が広がり、登場頻度も高くなるのだそう。

この秋石上さんが注目する8つのチェックを使ったスタイリングは、まさにその両方を兼備！ 毎日着たくなるほど魅力にあふれています。

Item

01

GUN CLUB CHECK × SOUTIEN COLLAR COAT

ガンクラブチェックのステンカラーコート

世の中にはいろんなチェックがありますが、今年の私の最推しはガンクラブチェックで、アイテムなら断然ステンカラーコート。
ちょっぴりレトロでおじさんっぽい印象ですが、チノパンやデニムパンツとトラッドにまとめたり、白いコットンレースのスカートと甘辛MIXを楽しめたりと、実は思っている以上に汎用性が高いんです。
存在感があるのに合わせる洋服によってテイストがガラッと変わるから、飽きもこない。
一着持っておくと、すごく頼りになります

コーデの大部分を占めるからこそあえて〝引き算しない〞着こなしに

オレンジのタートルカットソーをインして肩にはロゴ入りカーデを巻き、さらにショルダーバッグとビッグトートを2個持ち。一枚で十分にインパクトのあるチェックコートは、ほかをシンプルにまとめてきわだたせるよりも、このくらい盛ってなじませたほうが変に目立ちすぎず、すんなりと着こなせます。これはチェック柄の洋服全般に言えることで、コーデの主役というよりも、準主役or名脇役くらいの心持ちで取り入れるのがおすすめです

From MITSUE

Item

02

ARGYLE CHECK × CARDIGAN

アーガイルチェックのカーディガン

今回紹介するチェックの中で、一番難しい柄だと感じるかも知れません。私も最初はそうでした（笑）。
でもいざスタイリングをしてみたら、ロゴスウェットや夏から人気のロックTとすごく相性がよくて、もしかしたら一番おしゃれな柄なんじゃないかと。これは新発見でした！
素材感は、ふわっと起毛していてもハイゲージでも大丈夫。着こなすコツをひとつ挙げるなら、トップスを無地にしないことぐらいです。アーガイルチェックを目立たせるより、ロゴやプリントでなじませるといいバランスに

大好きなロゴトップスのアップデートは、懐かしチェックが味方

着慣れたロゴトップス＋スラックスにパッと羽織るだけで、こんなにも雰囲気が変わるのかと本当に驚きました。〝子どもっぽく見えそう〞という先入観は一旦横に置いて、試してみる価値ありです！

From MITSUE

Item

03

HOUNDSTOOTH CHECK × TAILORED JACKET

ハウンドトゥースチェックのテーラードジャケット

ハウンドトゥースチェックとは、千鳥格子のこと。クラシカルで可愛らしい黒×白がおなじみですが、私はニュアンスがありつつも無地感覚で使える、シックでやや辛口なグレーの濃淡を選びました。
その持ち味を最大限に発揮できるアイテムが、テーラードジャケット！　
例えばボーダートップスと白デニムのマリンなワンツー。それまで紺ブレを合わせていたところを、このジャケットに替えるだけで今っぽいMIX感が。定番コーデの更新にも最適な一着です

柄on柄も、カジュアルダウンも、大人らしくうまくいく！

洒落感たっぷりな〝柄on柄〞が簡単に決まるのは、無地感覚で気軽に着こなせるハウンドトゥースチェックだからこそ！ 長年愛され続けているマリンスタイルも、ひと味違う表情で楽しめます。
大ぶりなシルバーアクセをちりばめ、手元には黒革ベルトの時計を。小物はどこかシャープさや堅さを感じるもので統一すると、大人っぽく仕上がります

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Item

04

OMBRE CHECK × SHIRT

オンブレチェックのシャツ

今シーズンよく見かけるオンブレチェックは柄そのものに抜け感があり、辛口カジュアル派や、普段トラッドなチェックをあまり着ないという人も気楽に投入できるパターン。ただトレンド感があり、大人には少し目新しい存在でもあるので、投入するなら王道のオーバーシャツがおすすめです。
私が真っ先にやりたいのは、甘さのある白いボリュームスカートとの、MIX感のある組み合わせ。たすきがけや腰巻きするだけでも洒落感が演出できます

〝Notトラッド〞な最旬チェックで、甘辛MIXを今どき顔へ

ワークジャケットやGジャンを合わせがちなところを、今季はオンブレチェックのネルシャツにチェンジ。このちょっぴりアメカジライクな甘辛バランスがたまりません！

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Item

05

TARTAN CHECK × QUILTED SKIRT

タータンチェックのキルトスカート

LEE読者の方にも愛用者の多いタータンチェックのキルトスカート。流行に左右されないデザインと伝統的な柄が醸し出す上品さは唯一無二だと思います。
これまでのように黒のリブタートルのようなコンパクトトップスを合わせてフレンチシックに着るのも素敵ですが、もしそれに照れを感じていたら、どこかにひとつスポーティな要素を入れてみてください。こんなふうにラガーシャツでもいいし、キャップでもスニーカーでもいい。
きちんと感が適度にやわらいで、鮮度も高まります

トップスを旬のラガーシャツに。それだけで新しいムード満点！

私が選んだスポーティアイテムは、オーバーサイズのラガーシャツ。コンパクトなトップスを合わせたときとは違ったバランスにすると、わかりやすく新鮮さが演出できます。昨年から気になっているイエローのタータンチェックも、クラシックになりすぎずカジュアル派向き。仕上げにボリュームのあるシルバーアクセでモダンさを足し、引き締め役には黒ブーツ＆ボストンバッグを。〝着崩し感〞を少しだけ引き戻すような、かっちりとした小物使いもポイントです

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Item

06

BLOCK CHECK × STOLE

ブロックチェックのストール

ストールといえばタータンチェックが長年の定番でしたが、数年前にブロックチェックの素敵さに目覚めました。
色数を抑えた配色といい意味で単純なパターンはいわゆる〝王道感〞が控えめなので、クラシックすぎるのが苦手な人や、ノームコア系のシンプルコーデが好きな人も、気軽に巻けるのではないかと思います。
さらに今年らしい色が取り入れやすいというのも、このチェックのいいところ！
着こなしも新鮮に映るので、ぜひ好きな配色を探してみてください

幅広いテイストを受け止めて寄り添う〝誰もが似合う〞注目株

モノトーンにベージュ、ネイビーと、地味色だけでまとめたシンプルカジュアルにひと巻き。あえてラフに長く垂らし、抜け感を出してみました。
この明るめのグリーンは自分の中でも少しチャレンジングな色でしたが、ブロックチェックになるとカジュアルさが加味されて、不思議と手に取りやすくなるんです。
きれい色はもちろん、グレーや黒といったシックなチェックから始めてみてもいいと思います

From MITSUE

Item

07

GINGHAM CHECK × BAG

ギンガムチェックのバッグ

甘く可愛らしいギンガムチェックを私服で取り入れるとき、春夏はリネンやコットンといったカジュアルな風合いの服、秋冬はバッグやバレエシューズなどの小物でと、季節で使い分けています。これはギンガムチェックの甘さをベストなバランスで楽しむための、私の鉄板ルール。
せっかくの魅力がくどくならないように、素材感やコーデを占める面積で適度に引き算するイメージです。服に温かみが増すこれからの季節は、バッグでスパイス的に。〝大人の可愛げ足し〞としてもぴったりだと思います

ギンガムチェックの可憐な甘さは、バッグから覗くだけでも十分！

ほんのり甘い黒のフリルブラウス＋デニムパンツに、ギンガムチェックの巾着ポーチが入った籐かごバッグで可愛げをもうひと盛り。面積が小さくても、とびきりキャッチーな存在感が出るんです

From MITSUE

LEEマルシェで「MARCHERの【石上美津江さん別注】巾着付きかごバッグ」をチェック！

Item

08

GLEN CHECK × WIDE PANTS

グレンチェックのワイドパンツ

きちんと感や知的さが漂うグレンチェックのワイドパンツは、トップスがどんなにカジュアルでも上品さが保てるところに魅力を感じます。
今回合わせたのは大きめロゴの白Tシャツと、ケーブル編みや鮮やかなラインがきわだつチルデンニットのカーデ。
このくらい遊びのあるセレクトもミスマッチには見えないし、むしろいいMIX感が生まれるんですよね。
もちろんベーシックな黒ニットとシンプルに着るのもOK！ いろんなおしゃれの気分に寄り添ってくれます

おしゃれで遊びたい日こそ〝いつでも知的〞な柄の力を借りて

グレンチェックのワイドパンツは、着回し力の高いグレーを選びました。こんなふうにトップスで遊んだときは、必ず小物で上品なツヤ感と甘さをプラス！　
小ぶりなワンハンドルバッグとミュールパンプスは黒のパテント、首元にはロングパールとコインのネックレスを重ねて。あくまで〝大人に似合うやんちゃさ〞に着地させます

From MITSUE

撮影／金谷章平（人物）　坂田幸一（物）　ヘア＆メイク／中山友恵　スタイリスト／石上美津江　モデル／竹下玲奈　取材・文／鈴木絵美