今月のLEEをスタッフとトーク!編集長きっこのLEE’sカフェ【収録裏話】
「仕事との両立は大丈夫?」不安がいっぱいながらPTA役員をやってみて、編集長きっこが感じたこと
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喜多佳子
2024.04.15
新学期、お子さんが小学校や中学校に通う方は4月中旬から5月にかけて新クラスの「保護者会」というケースが多いのではないのでしょうか。新しいクラスはどんな感じ? 担任はどんな先生? 保護者たちはどんな雰囲気?……子どもも自分も新たな出会いに少しワクワクしながらもやはり心がざわつく「役員さん決め」。発売中の5月号でも「令和のPTA、進化しています!」という特集を組み、読者の体験談を取り上げています。我が家の息子は中学3年に進級しましたが、昨年の2年生時に思いがけずPTAの役員を担うことになりました。そこでの体験談や実感を少し書きたいと思います。
新クラス初の保護者会。この空気感を乗り切れるか……!
息子の学校の保護者会は土曜日開催。仕事がある身としては予定がつけやすくとてもありがたい。お父さんの姿も結構見られます。シャッフルされて新クラスになるため、顔見知りの保護者もほとんどなくやや緊張。担任の先生のお話の後、いよいよ「5人の役を挙手で決める」という緊迫の瞬間がやってきました。
前年(1年生)の役決めでは、するすると手が挙がり拍子抜けするくらいあっという間に決定。「この学校はやる気に満ちた保護者が多いから大丈夫に違いない」。今思えばまったく根拠のない話ですが、はなから人任せな気持ちで油断しきっていました。
係は保護者たちへの連絡係となるクラス委員、学校行事の記録を担う広報委員等…など一般的なものです。先生から「●●委員さんになりたい方はいらっしゃいますか?」等の呼びかけに応じて挙手していくスタイル。呼びかけが始まってみると、あれ? 去年の雰囲気と違って反応が薄く誰かの手が挙がるまで、時が止まったような感覚に。新入生の役員はわりと手が挙げやすく、学年が上がるほどに空気が重くなっていく、ということにようやく気づきました(クラスによって決まる速度は違ったようですが)。
そして、最後のひとり、保護者向け講演会を運営する役員の番。
ここに来るまでのスピード感を考えながら、これもシーンとしちゃうのかな……とソワソワした気分に。「この瞬間は透明人間になりきればいいのよ」という自分と、「もしその担当を受けたら仕事との両立は大丈夫か?(秋には創刊40周年イベントも控えてるし)」という自分が葛藤し始めたのです。ほかに手が挙がったらその方にやっていただこう、だけど、うーん、なかなか挙がらない。その間にも先生の「いや、思っているほど活動の負担は少ないですから大丈夫ですよ、みなさん」というトークが挟まれます。凍り付いた空気。できるか? いやいや、でも……と心臓のドクドクした音とともに心の声が聞こえてきます。そして、ついに、自分の心と体がまるで真逆のようだったのですが、思わず「はいっ」と手を挙げてしまっていました。ああ、やってしまった……と後悔するものの時すでに遅し。
後ろ向きな気持ちにさせる不安の理由
そんなわけで、決して積極的なスタートではありませんでした。
その理由を考えてみると、主に
- 「何をするの?」未知の仕事への不安感
- 「仕事と両立できるのか?」負荷量とスケジュール調整の不安感
- 「私にできるのか?」自分の力量への不安感
あくまでボランティア。だけどここまで来たのも何かのご縁。上の3つの不安感は課題ととらえることにしました。始めてみれば意外になんとかなるもの。急な仕事と重なって出られない会議は仕方ないと割り切る。わからないこと、できないことは他の委員さんたちに支えてもらいながら(いや甘えながら)なんとか1年間の役を終えることができました。
もちろん、仕事が休みの週末に時間を割いて学校に足を運ぶのはしんどいときもありました。
学校が遠いなど、地理的にデメリットがある方はなおさら大変かもしれません。
けれど、学びもたくさんあった!
やってよかったと思えることもたくさんありました。
学校の先生とのやり取りを通じて校内の事情や、学校の方針がわかった
息子が中学生になってわかったことは、「全然学校のことを話さなくなる」。
こちらが聞かないかぎり、まず学校からの連絡事項がわからない。運動会や文化祭などの行事予定もなかなか共有してくれない。PTAに関わっていると大体のスケジュール感が把握できたり、校長先生と会話をして学校の方針がわかったり、どの先生が何科、など理解が深まりました。そして、先生たちもPTAにそれぞれの役割があり、自分の授業以外にこんなに関わられていたんだ!という気づきが。
クラスを越えた保護者とのつながりができた
自分のクラス以外の保護者の方との接点ができたことは大きかったです。どの委員さんもそれぞれに得意分野があり、テキパキとタスクをこなす方ばかり! 司会上手だったりディレクション上手だったり、役を引き受けなければわからなかった能力を目の当たりにして視野が広がりました。ときどきのランチやお茶などでの雑談も息抜きに。仕事以外で新しい出会いを作るのがなかなか難しいものですが、さまざまなバックグラウンドの保護者と話せて刺激になりました。
以上私なりに気づきや学びもたくさんありましたが、学校によってスタンスはそれぞれ。PTAをやる、やらないは家庭によってさまざまな事情があるのも事実なので一概におススメしているわけではありません。あくまで一例として私の体験談が参考になれば!
現役PTA会長の遠藤晃弘さんとトーク
今回のPTA特集では、PTAのどこかネガティブなイメージを払拭すべく、「みんなが参加しやすくするにはどうしたらいいか」を考え、保護者向けアプリを導入など改革に挑戦されている大学教員の遠藤晃弘さんに取材しています。そして音声収録にて緊急インタビューを実施!
みずからも積極的なスタートではなかったという遠藤さん。皆がそれぞれにマルチタスクで忙しい時代にPTAの役決めでネガティブになってしまう空気感はあたりまえ。けれども子どものことに積極的に関わりたい!という気持ちを持つ保護者が多いのも事実だとおっしゃいます。とてもハッとする視点に溢れたトークでした。ぜひ、保護者会シーズンの今、参考にしてくださいね!
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喜多佳子 Yoshiko Kita
LEE統括編集長
LEE統括編集長。入社以来LEE歴OVER20年! リビング班で主に料理や暮らし、読み物などのライフページを担当、21年に本誌編集長に。日課は中学生の息子弁当記録。休日は映画好き友人たちと映画&ランチするのが楽しみ。
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