時代と共に変化する、PTAの今をリポートします!
【令和のPTA経験談】やってよかった&ちょっぴり苦いエピソードをご紹介
2024.04.06
みんなの意識も組織の形も
時代に合わせて、変わっている!?
令和のPTA、進化しています!
PTA役員の引き継ぎの時期になると、保護者みんなが目を伏せる……。なんだかかかわりたくないような空気、ありませんか? 時代の変化に合わせ、少しずつ前向きに変わっているPTAの形をリポートします!
PTAに詳しいジャーナリストに聞きました
教えてくれたのは…
大塚玲子さん
ジャーナリスト
PTAなどの保護者組織や、多様な形の家族についての取材、執筆を続ける。新刊は『PTAでもPTAでなくてもいいんだけど、保護者と学校がこれから何をしたらいいか考えた』(教育開発研究所)。
そもそもPTAって、何のための組織ですか?
学校の子ども全員のために活動する組織
PTAはParent(保護者)とTeacher(教員)が子どもたちのためにAssociation(協力)する組織。ただし現状は、ほぼ保護者による活動です。その学校に通う子どもたち全員のために活動する公共的な団体であり、そもそもは自主的な活動によるボランティア。本来は「やりたい人がやる」が原則です。
子どもが入学したら、PTAは必ず入るものですか?
入るか入らないかは完全に自由
誤解されがちですが、PTAは学校とはまったくの別団体。任意団体なので、入会も退会も自由です。学校はPTAという他団体の、手紙の配布や回収を代行していますが、これは「その学校に通うすべての子どものため」という大義があるためで、非加入家庭の子どもも区別せず、平等に扱う必要があります。
PTAのネガティブなイメージは、どこからきている?
強制加入・会費徴収と個人の都合を考えない活動が問題
まず、本来は任意加入の団体なのに、多くの学校でいまだに強制加入になっていることが原因では。加入意思確認書がある場合でも形式上だけで、「入るのが当然」という周りからの圧力もあるでしょう。また、給食費などと一緒に会費が引き落とされるケースがありますが、「学校に払うべきお金なのかな?」と勘違いしやすくなっているのも、実は法律的には危ういラインなのです。また、最も拒否反応が多いのは、互いに押しつけ合う空気が流れる“委員決め”。実際に役員になると、平日の昼間に会議を行ったり、休日の家族の時間に集合を強いられたり。仕事や子どもとの時間を犠牲にするのがつらいという声も。
LEE100人隊の経験談を聞きました
PTAのちょっぴり苦いエピソード
- 本部役員を決める会議の日。仕事が立て込んでいて仕方なく欠席の連絡をしたところ、理由を問いただされて落ち込みました。
No.052 あおさん
- 次年度の役員を決める際、立候補者が多数いる場合はくじで選ぶことが決まっていました。実際、立候補者が何人か出たのですが、その中に「話し合いで決めたい!」という方が現れ、自身の都合を優先しようとする様子に保護者みんながざわつきました。
No.061 たきゆさん
- 資源回収やベルマーク、バザーなどの活動を今後も続けるべきか、見直しをしようと、全体の意思を確認するアンケートを作成しました。すると「絶対に今のまま続けるべき」という一部の方からの反発が出て、アンケート自体が実施できませんでした。
ちゅーりっぷさん(仮名)
- 引き継ぎに不十分な部分があり、不明な点が多い中で進めなくてはなりませんでした。広報誌発行にあたり、いろいろと意見したことで次期も継続してほしいと依頼されてしまいました。
TB MOGIさん
- 加入が任意になって、いい部分も多いけれど、お金がもったいないし、入らなくていいという家庭が増え、PTAの収入が減少。給食袋やカーテンなど、みんなが使う備品はPTAから出ているのですが、PTAに参加していないご家庭のお子さんも、同じように使用できてしまうという不平等に感じてしまう点も出てきています。
No.049 おみかんさん
- 広報誌を作る際に、顔写真を載せてはいけない子が何人かいました。けれども、その子たちの名前だけしか教えてもらえず、顔写真を1枚ずつ見ながら先生に聞き取りをして、掲載NGの子を探すのに苦労しました。
No.080 コデマリさん
- ペアで役員になった方が骨折や法事の用事で結局ほとんど参加されず、ほぼ一人でやることになりもやもやしました。
No.087 ととさん
- 年度はじまりの授業参観後にPTAの係を決めるのですが、下の子が体調不良で参観日に行けず、結果、旗当番に決まっていました。未就学児がいる世帯は除くなど、配慮がなく困りました。しかも息子は4月から近所の新設校へ転校予定だったのですが、転校後も任期の4月末までは担当しなくてはならず、自分の子どもが通っていないのに担当するのはどうなんだろう?と疑問に思いました。
匿名さん
- 「子ども1人につき、1回は役員をやる」という半ば強制だからか、役員の中でも仕事を積極的にしてくれる人、逆にまったくしてくれない人、LINEグループでの連絡に反応しない人など、責任感の差があり、フラストレーションを感じました。
No.084 たわさん
PTAやってよかった & こんなに変わったエピソード
- 子どもたちの活動を近くで見ることができ、成長を身近に感じられたのは、とてもよかったです。先生方ともコミュニケーションを多くとれたのも、貴重な時間でした。
No.026 もっちゃんさん
- 地区で管理している書類や業務が多くあり、コロナ禍でさまざまな変化があることをきっかけに書類や業務内容の見直しを、自分が役員になったときに積極的に行いました。これをきっかけに今の地区役員は負担が減ったので行動してよかったなと感じています。
No.025 リエさん
- 半強制の役員制度をやめ、ボランティア制度に改革しました。本部を担当する私たちはやはり大変ですが、周りの保護者には評判がよいようで、よかったです。モットーは「できる人ができるときに」。役職ごとの人数もその年で変わります。ボランティアをしてくれる人たちで分担できて気持ち的にラクになりました。
TB mieさん
- 今まで学校に集まっていたPTAの総会が、書面決議になりました。同じ学区の中学校では、タブレットで総会の動画を配信していてわかりやすいとのことでした。また、役員会も保護者の負担が少なくなるように、学校の掃除や補修など、奉仕活動も今は業者の方にお願いしているようで、変化を身近に感じています。
No.097 バマさん
- うちの小学校は、8年前くらいからPTAは任意の参加になりました。サポーターという形で強制ではなくなりました。PTAに加入して、くじ引きで役員になっても、事情があって引き受けられない場合は断ることができる自由な形式です。共働き家庭が多いので、保護者の負担が減り、気軽にPTAに参加できるというメリットが生まれました。
No.049 おみかんさん
- 代々引き継がれているものの、実際は意味のないオペレーションを見つけたとき「この作業って必要ですか?」と役員会で相談したら「それいらないね」と、いとも簡単に廃止に! 一人でモヤモヤ考えるより、思いついたら臆せず声に出して、皆さんの意見をいただき改善につなげることが大切だと感じました。
No.085 むぎちゃんさん
- 昨年度から2年間の試行期間としてボランティア制に。実際に私もボランティアとして子どもフェスタのお手伝いをしました。年長の下の子を連れていけたので、学校見学にもなっていい経験に。また、登下校のパトロール係で、車を出してパトロールをしてくれる保護者にQUOカードなどの報酬もあるそうです。
No.063 ユッケさん
- 今年度から活動をしたい人はLINEで登録、その都度「◯◯のお手伝いをしてくださる方」など本部が募集する形になり、やりたい人ができるときにやる形に。誰も嫌な思いをしないし、それでも子どものためにやりたい人はちゃんと集まるし、活動しやすくなったと思います。
No.031 はちみつりんごさん
- 今まであまり工夫してこなかったと思われる広報誌の文章やデザインに、ややテコ入れができたことは、よかったです!
TB MOGIさん
Staff Credit
イラストレーション/pum 取材・原文/田中理恵
こちらは2024年LEE5月号(4/6発売)「令和のPTA、進化しています!」に掲載の記事です。
LIFEの新着記事
-
心ときめく器が見つかる!「ユミコ イイホシ ポーセリン」の青山店でお買い物を楽しんで
2025.01.30
-
【2026年度 ラン活の始め方】土屋鞄、グリローズ、池田屋…いつから?どうやって決める?ライター&読者のリアルランドセル選び
2025.01.29
-
40代、今やりたい大人の習い事「フラワーアレンジメント」と「和ろうそくのワークショップ」。【LEE DAYS club tanpopo】
2025.01.29
-
衝撃の結末に号泣必至『Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり』。ジン・オング監督「人が人を殺したのではない。殺したのは“制度”です」
2025.01.29
-
無印良品マニアがリアル愛用・心底オススメできる「バスグッズ5選」
2025.01.28
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。