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LIFE

アスリートフード研究家 池田清子の大自然を感じるニュージーランドの旅【後編】

初心者&ヴィーガンでも安心して楽しめる!海外旅行先でのヘルシーな自炊術

  • 池田清子

2024.01.31

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カンタン&ヘルシー!旅を彩る自炊の方程式 in ニュージーランド

みなさんこんにちは、アスリートフード研究家の池田清子です。

前編に続き、ニュージーランドの旅の記録<後編>です。

海外旅行中またはこれから海外旅行を企画している読者の皆さん。

旅行での楽しみの一つは食事ですよね。ただ、滞在期間が長い場合は毎回外食をしていると食費が嵩みますし、胃が疲れてくることもあります。

そこで今回は現地スーパーマーケットでの商品選びや食材の使い方等をご紹介して、初心者の方でも安心して旅行先での自炊を楽しむヒントをご紹介します。

池田清子さん
夫のマウンテンバイクレース出場のために帯同し、他の選手達と一緒に泊まった一軒家。広々とした共同キッチンと豊富な家電に感激!家とは違うキッチンを楽しめるのも、旅の醍醐味です。

自炊を楽しむポイント、まずは宿選びから!

旅行中に自炊をする場合は、何はともあれキッチン付きの宿に宿泊することが前提となります。一般家庭のようなキッチンは、ホテルよりも民泊に付いていることが多いため、私は主にAir B&Bの予約サイトから場所・予算・設備内容の条件を入力して検索しています。とはいえ、完璧に調理器具が揃っている必要はありません。私が実践を通じて学んだ、これだけあれば何とかなる!という設備はこちらです。

電子レンジ

流し台

ガス台(または電磁調理器)

(設備以外には、包丁や食器類、まな板やスプーンやフォークなどのカトラリー)

もっと絞り込むとしたら……電子レンジさえあれば何とかなる!以上!です。(あ、冷蔵庫はマストで)

こちらは帰国前日の1泊だけした宿。設備としては電磁調理器具無し、電子レンジと湯沸器、トースターのみ。ミニマムながらも必要なものが揃っていて、不自由はありませんでした。

質の良い加工食品やレトルトを上手に使う

自炊をするといっても、旅行中はあまり調理に手間暇をかけられないので、加工食品やレトルトと電子レンジを活用しています。

電子レンジがあれば、まず主食となる米類が食べられます。日本のようなパックごはんを海外で見かけることは少ないですが、代わりに袋タイプのものがあります。袋の先を2〜3cmほど開封し、表示通りに温めればOK。白米、玄米、ジャスミンライス、ターメリックライスなど、多種類。

そして、レトルトカレーも袋タイプが多いです。米類と同様、袋の先を少し開けてそのままレンチンします。

バスマティライスとカレーはレンチン。ヴィーガンバーガー(黒豆とビーツが主原料)のパテもレンチン可能でしたが、ふっくら仕上げたくてフライパンで焼きました。ミックスリーフを添えて。特にドレッシングなどの味付けはせず、他のものと一緒に食べました。

原材料で品質をチェック!覚えておくと便利な英語表記

ただし、加工品なら何でも良いわけではなく、質の良いものを選ぶことがポイントです。

ニュージーランドでは、ハンバーガーのパテやカレー、パスタソースなど、日本以上にプラントベースの加工食品の種類が豊富に揃っていました。

上のビーツと同じシリーズのバーガー。こちらはえんどう豆とヘンプが主原料。4つ入りで10NZドル(約900円)。ほうれん草やケールも入っていて、栄養がぎっしり。後述する健康度数の参考になるヘルススターレーティング(星マーク)も、満点の5つ付いています!

質の良さの見極めポイントは、原材料(Ingredients)を確認することです。

パーム油(Palm oil)や化学調味料(Chemical seasoning)を使っていないことや、塩分量、脂質量などをチェックしています。オーガニック表示がある加工品も見つけることができます。

その他、知っていると便利な表記はコチラ

NON-GMOまたはGMO free ▶︎ 非遺伝子組み換え(遺伝子組み換えをしていない)

No artificial coloring ▶︎ 人工着色料不使用

No MSG ▶︎ グルタミン酸ナトリウム/うま味調味料不使用

これらの表記を、加工食品を選ぶ際の参考にしています。



「ヘルススターレーティング」を利用して健康度を確認しよう

原材料の表示を細かく見るのは大変!という方に朗報です。

ニュージーランドとオーストラリアでは、独自の指針となる一部の製品に「ヘルススターレーティング」という5段階の星マークで品質を示しています。

まだ「ヘルススターレーティング」のことを知らずして、スーパーマーケットでお買い物。宿に帰ってから「これ何だ!?」と気がついて調べてみたわけです。4〜5と高得点のものばかりだったので、密かにガッツポーズ。

この表示が始まった背景には、2014年のOECDの調査結果でオーストラリアの肥満率が成人で63%、子どもで25%と世界トップクラスの肥満大国となってしまったことが挙げられます。肥満や慢性疾患のリスクが少ない食品を一目で選択できるよう、またバランスの取れた食事を心がけられるよう「より健康的な食品を簡単に選択する」ことを目的に豪州連邦政府が2015年に導入した、任意の表示システムです。

ヘルススターレーティングは栄養素、原材料の内容、カロリー量を元に0.5から5までの数値と星の数で健康度が表されていて、この星の数が多いほどヘルシー度合いが高くなります。

例えば同じグラノーラでも、商品によって星の数が1〜5までとかなり差があります。また、豆缶など素材に近いものは加工度が高いものに比べて星の数が多いという傾向も見られました。

改めて「ヘルススターレーティング」のことを考慮しながら買い物をすると、面白い発見が。一見するとナチュラルでヘルシーそうなパッケージでも、意外に星の数が少ないものが。栄養表示を見ると、脂質量が多かったり砂糖が多かったりしました。自然と高評価のものを選んでしまします。

この表示が全てではないですが、日本でもこういった一目でわかる表示がつくことで、消費者に健康を意識した買い物の習慣がつくことや、企業が健康を配慮した製品を造ることにも繋がる、とても良いシステムだと感じました。

地元の新鮮な旬の野菜を取り入れよう

「その土地で採れたものを食べると、体が慣れてくるのも速い」と言われています。その土地の水、気候、標高……様々なものを大地から取り入れるイメージでしょうか。現地のスーパーマーケットで手に入る新鮮な旬の野菜は、サラダなど簡単に取り入れられます。

友人たちと楽しめるおつまみを作りたくて、観光地にポツンと1軒だけ佇む小さなスーパーマーケットで食材を調達。ナッツミートという缶に入ったヴィーガンミートを新鮮野菜とコーンチップスと合わせて、醤油とオリーブオイルでナチョス風にしました。こちらの民泊は、築100年以上の可愛いお家。レトロでしたが全体的にリノベーションされていて、とても快適でした。

ニュージーランドでは、みなさんおなじみのキウイ(値段は日本とあまり変わらなかったですが)や大ぶりのアボカドが美味しかったです。また、以前から私はロキットアップルという比較的新種のりんごの大ファンで、コチラもおすすめ。酸味と甘味のバランスが絶妙なのです。国連経済社会理事会で「世界初のミニチュアリンゴ」と認定されただけあって小ぶりなのですが、味の存在感は大きいですのでぜひお試しを。

その他には、”LOCAL”と表記のある地元で採れたものは積極的に目にするようにしたり、簡単に調理できそうであれば選んでいます。

インパクトが強すぎて怖気付いてしまったのですが、こちらはニュージーランドではよく食べられているというYamsです。”ヤムイモ”とは違うようですが、クセがなくジャガイモと同じように調理できるそうです。次回はぜひ、チャレンジしたい!

色のバランスは、栄養のバランス。色とりどりの野菜を使って、栄養満点の食事を楽しんでみてください。

サラダをメインにした夕食。ニュージーランドで買う豆腐はアメリカより高く、1丁500円程。こ、高級です。食材は国ごとの価格の違いを比較しやすいので、物価の参考にもなりますし、これは高いけどあれはリーズナブル、など知っていくのも面白いです。

自炊を気負わない♩楽しくなるポイントおさらい

簡単&ヘルシー!海外自炊の方程式

主食(米類やパスタ、加工品も活用)+主菜(レトルトカレー/パスタソース/加工食品のバーガーパテ等を活用)+副菜(旬の生野菜をサラダなどで簡単に)=栄養バッチリ健康ご飯の完成

これらのポイントを押さえれば簡単に自炊しながらも、健康を気遣えること間違いなしです。長年の海外旅行中にアスリートの体調管理をしてきた実体験を通じて、お伝えさせていただきました。

カレー率高し。バラエティーはあまりないのですが、サラダにマンゴーを入れたりビーツを添えたり。レトルトカレーに豆缶を足したり工夫しました。野菜をたっぷり食べられる自炊はやはりいいものです。

旅行先でも美味しい食事を手軽に楽しんで、素敵な思い出を作りましょう!

あなたの旅行が一層素敵なものになることを心から願っています。

カレーペーストは野菜炒めの味付けに使ったりもできるので、旅先で1度は購入します。特に写真の”ティッカマサラ”(ヴィーガン)はトマトベースで味もマイルド。使い勝手が良く、おすすめです!

現地のヘルシースナックもチェック! ニュージーランドで流行っているのか、バルサミコ酢系の酸っぱいスナックを多く見かけました(メーカーは別なのに、なぜかパッケージがどれも紫色テイスト)。中でもノンフライえんどう豆スナックにハマりまして(写真手前右)、お土産にも大量買いしました! なんとコチラは、カルビーの商品。日本でもぜひ、発売希望です!

写真手前右が、カルビーのソルト&ビネガー味のえんどう豆チップス。海外の友人もハマって、リピ買いしていました!

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池田清子 Sayako IKEDA

アスリートフード研究家

ビオトープ株式会社代表。夫は7年連続日本代表マウンテンバイクプロライダー、池田祐樹。菜食・プラントベースを主とした「細胞から健康的に強く美しくなる」食事の研究と発信を行う。2014年より自身もサイクリング・ランニング・筋トレを中心とした運動をスタートし、国内外での大会出場経験も多数。著書に『EAT GOOD for LIFE』至上最高の私をつくる「食」×「ながらトレーニング」』『野菜のおいしい食べ方』https://biotope-inc.co.jp https://biotope-inc.co.jp

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